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特殊な力を持つ少女は動物たちとのんびりライフをおくりたい  作者: 麗笛
二章 学園生活と第二皇子
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2-11 らとちゃんの秘密

「らとちゃん。前から気になってたことがあるんだけど、聞いていい?」

『いいよ?』

「らとちゃんって、なんでわたしのそばにいてくれるの?」

【それ、りたも気になってた】

『あ〜、それね。話せば長くなるんだけどね』

「全然いいよ!」

『でも明水、今日は時間がないからまた明日ね』

「はーい」


今日聞きたかったな〜。



※※※※※※※※※※



「らとちゃん! 理由聞かせて!」


夜になったから、いいよね。

いつもなら、寝てる時間だし。


『思ってたより早くきてびっくりした』

【明水って、行動力あるね】

「理由って何? らとちゃん」

『明水。ここは寒いから、明水の部屋に行こうよ』

「了解!」


どんな理由だろう?


『じゃあ、明水に出会うちょっと前ぐらいからかな。

妖精の国で修行を終えた後、なんとなくの気まぐれで、積成国に来たんだ』


「らとちゃんにも、気まぐれってあるんだ」

【明水、邪魔しない。しーっ、だよ?】

「はーい」


『積成国に来たのには、理由があったの。人間と、しゃべってみたいなって。友達みたいな関係でね。でも、みんな試してみたら、妖精を利用しようとする人ばかり』


「はい、質問! 試すって、何を?」

『…………怪しい感じの人間に化けて、「妖精が手に入ったんだけど、どうだい?」って聞いた』

【そんな危ない方法を試してまで、何が知りたかったの?】

『その人の心の広さ、かな。まあ、話に戻るね。

売るって言った人の前で消え、実験台にするって言った人の前で消え、を繰り返してたんだよね。そこで、明水の両親に出会ったの。他の人と同じように、妖精がいるかどうか聞いたら、「その妖精は賢いの?」って聞かれたの。そこで、「はい」って答えたの。

ここで問題! 賢い妖精だと知った明水の両親は、なんと言ったでしょう!』

「うーん、お友達にする、とかかな?」

『残念。正解は、「もうすぐ娘が生まれるから、娘の教育係にしよう!」って言い出したの』

【うそ……。妖精を教育係?】

『まあまあ。とにかく、この人たちの娘なら、仲良くなれるかもと思ったの』

「へぇー。そんな理由があったんだ」


らとちゃんって、すごく賢いからもっと深い理由があるのかと思ってた。


『明水、深い理由って、どんな理由?』

「うぇっ?! 心の中どうやって読んだの?!」

『ふふ。実は、新しい魔法なんだよね』

【そういえば、しゃべらずに会話するのはあったけどね】

『うん。しゃべらすに会話するのも、心を読むのも星魔法なんだよ』

「星魔法って何?」

『妖精が作った魔法。目に見えない魔法が多いかな』

「妖精ってすごいね」

【さっき、らとが使ってたのは、読心だよね】

『そう。心の中で会話するのは、秘喋』

「ひちょう? 秘密の……何?」

『秘喋のひは、秘密のひ。秘喋の喋は、喋るの漢字』

「秘密にしゃべる、つまり声に出さずにしゃべるってことなんだね」

『そういうこと。話を戻すけど、明水。深い理由ってどんな理由だと思ってたの?』


うーん。

深い理由かなって思っただけで、具体的にはどんなのか考えてなかったんだよね。

けど、何か理由があるとすれば…………。


「積成国の皇族に頼まれて、子供全員を妖精が見守っているとか」

【それ、すっごく大変じゃない?】

『うん。それに、妖精としゃべれる人なんて、少ないし』

「そうなの?!」


そういえば、昔、しゃべれる魔法みたいなのがあるのを聞いたかも。

あの魔法、すでに発動してたんだよね。

なんでだろう?


「ねぇ、らとちゃん」

『なあに?』

「しゃべれる魔法もわたし使えるんだよね」

『うん』

「けど、わたしそんな魔法使った覚えないよ」

『あー。それね』

「なんでなの?」

『らとが、使えるようにしてたの』

「らとちゃんが? どうやって? なんでわかったの?」

【明水、質問攻めにしない】

『えーっとね、明水と動物がつながっているように見えたから』

「どういうこと??」

『水魔法が使える人は川や海、火魔法が使える人は焚き火とかと糸みたいな感じでつながってるんだよね。その糸は相性の良さみたいなかんじ』

「けど、わたし動物と出会ったことないよ」

『明水は、五月生まれだよね』

「うん。五月二十一日が誕生日だよ」

『五月は、動物が活発に動き出している時期だから、動物が近くにいても不思議じゃないよ』

【ちなみに、どうやってペットになったの?】

『庇護欲を誘った』

【具体的には?】

『うさぎになって、ボロボロの格好して、玄関の近くで丸まってた』

【………演技の才能あるんじゃない?】


らとちゃん、そこまでしてわたしのそばにいてくれてたんだ。

うれしいな。


『まあ、そういう理由でそばにいるんだよ』

【らと。なんで明水の親と友達にならなかったの?】

『友達になるには、壁が高そうだったから。それに…………』

【それに?】

『小さい頃から一緒にいる方が、友達って感じじゃない?』

【確かに】


らとちゃんって、優しいし、賢いし、いい人だよね。

あ、人じゃなかった。

いい妖精だね。


「らとちゃん、ありがとう」

『まあ、らとが勝手にそばにいるだけだけど』

【ちなみに、名付け親って誰?】

『妖精の王様』

【やっぱりそうなんだ】

「りたちゃんの名付け親は、誰なの?」

【精霊の王様】

「王様が名付けてるんだ」

『うん。しかも、妖精の王様と精霊の王様は仲が良いから、似たような名前なんだよね』

「似てるの?」

【あ、確かにそうかも】

『らとのらの一個後ろはり、らとのとの一個後ろはた』

「五十音表の一つ下の文字ってこと?」

『そういうこと』


そんな雑に名前をつけちゃっていいの?

まあ、たくさんいるならそんな付け方になっちゃうのかもしれないけど。


【ちなみに明水の名前の由来は?】

「聞いたことない」

【らとは知ってる?】

『めいは明るいっていう意味で、すいは明水のお父さんの一水のすい』

「そんな由来だったんだ」

【ねえ、そろそろ寝るべきじゃない?】

『確かに。おやすみ、明水』

「おやすみなさい」

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