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特殊な力を持つ少女は動物たちとのんびりライフをおくりたい  作者: 麗笛
二章 学園生活と第二皇子
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2-10 明水の両親は冒険者

やっと……やっと、金曜日だ〜。

領地に帰る日だ〜。


【ようやく、明水の親に伝えれるね】

「うん。二週間って、意外と長いね」

【そうだね】


ちゃんと、いじめてくる人の名前のリストは持ってるし、お父さんとお母さんへのお土産も持ってるから、準備万端だね。


「もう行く?」

『まだだよ。明水、九時になるまでいけないよ』

【なんで?】

『授業が九時から始まるから』

【あ〜。そういうことね】


なるほど。

授業が始まる時間までは、学校から出れないんだ。


『まあ、もうすぐ九時になるけどね』

【ほんとだ。後五分くらいじゃんくらいじゃん】

「もう行ってもいいかな?」


はやく、お父さんとお母さんに会いたいなぁ。

二週間とはいえども、会ってなかったのにかわりはないからね。


『もうちょっと待ってって言いたいところだけど、多分無理だよね』

【うん。リュック背負ってるから、行く気満々だよ】


涼美市に住んでるみんなも、元気にしてるかな。


「行ってもいい?」

『うん。いいよ』

「やった!」



※※※※※※※※※※



「じゃあ、しゅっぱーつ!」


馬車で九時間くらいかけて、領地に帰るんだよね。

九時間って、長いんだよね。

ていうか、王都に住んでる人も、馬車に乗って帰ってたんだよね。

おかしくない?

だって、近い人は徒歩10分から15分で帰れるんだよ。


「らとちゃんとりたちゃんも、おかしいと思わない?」

【出た。急に質問を投げかけてくるやつ。これで何回目なんだろう?】

『入学してから五回目。で、明水、何がおかしいと思うの?』

「え? 王都に住んでる人が、なんで馬車で帰るのか」

『あ〜。それね』

【それ、りたも気になってたんだよね。なんでなの?】

『多分だけど、威厳が関係してるんじゃないかな』

「威厳?」

【威厳って、そんなに重要なの?】

『重要だよ。例えば、皇子様がいたとします。その皇子様が王都で買い物して、歩いてお城まで帰りました。……この話をどう思う?』

「うーん、皇族って、貧乏なんだなって思う」

『でしょ? 他の貴族も一緒で、貧乏だって思われたくないから、馬車に乗って帰ってるんだよ』


貧乏って思われたくないのはわかるけど、お金をかけすぎるのもよくないと思うけどな。

皇族はともかく、伯爵家や子爵家が馬車なのは、どうかと思う。


【貴族って、見栄っ張りな人が多いんだね】

『うん。貴族って大変だよ』



※※※※※※※※※※



「あ、家が見えてきた〜」


あ〜疲れた。


『明水、お疲れさま』

【まあ、ずっと馬車の中にいるのは退屈だよね』

『あ、りた。そろそろ清澄で透明になっとこうよ』

【そうだね。じゃあ、明水。落ち着いたらこっそり来てね】

「わかった」

『【"清澄"】』


あ、小屋に戻っていった。

わたしも早く、お父さんとお母さんのとこへ行こ。


「お父さーん、お母さーん」

「「明水!!」」

「ただいま」

「おかえり。元気?」

「怪我はしてないか?」


なんか、すごく過保護になってる気がする。

……気のせいだよね。

それよりも、秋月様大好き組の話をしなきゃ。


「あのね、大事な話があるの」

「じゃあ、家についてから聞かせてくれるか?」

「うん」

「そういえば、学校で楽しいことは見つかった?」

「うん。部活がね、すごく楽しいの」

「何の部活に入ったの?」

「魔法実践クラブと、攻撃突出クラブ」

「面白そうね」

「うん。先輩も優しいし」

「そっか。よかったな」


居間についたから、話さなきゃ。


「実はね、いじめられてるの」

「よし、学校を破壊しよう」


決断早くない?!

学校を破壊するのを、そんなに簡単に決めちゃっていいの?!

下手したら、ニュースになりかねないよ。

「涼美市の領主、鏡止一水が公立スイエン魔法学校を破壊した罪で捕まりました。犯人は、娘がいじめられたから破壊した、と述べているようです」ってなっちゃう!


「待って! そこまで大事じゃないの」

「一水様、落ち着いてください。……それで、何があったの?」


あ、よかった。

お母様は冷静だ。


「あのね、なんか第二皇子の秋月様に謝ったら、怒られたの。あと、叩かれた」

「大丈夫だった?」

「うん。体は強いから。でも、悪口言われるのは嫌だから、なんとかしたい」

「そうか。じゃあ、陛下に進言してその人たちの学校を変えてもらおう」

「ありがとう! いじめてくる人は、この人たちなんだ」

「お父さんに任せといてくれ」

「あ、うん」


大丈夫かな。

いじめてくる人たちの家、爆破しないよね。


「明水、言ってくれてありがとう」

「お母様、わたし、そんなに気にしてないので、お父様がやりすぎだと思ったら遠慮なく止めてください」

「わかったわ」


よかった〜。

なんとかなりそう。


「じゃあ、久々にらとちゃんに会ってくる」

「うん。もうご飯作り始めてくれてるから、早く戻って来てね」

「は〜い」



※※※※※※※※※※



「らとちゃん」

『あ、明水。どうだった? 上手くいった?』

「うん。陛下に進言するって言ってた」

【………陛下って、簡単に会えるっけ?】

『多分、コネを使うんだろうね』

「こね?」

『うん。明水の両親って冒険者だからさ、すごい魔物の素材とか手に入るんだよね』

「そうなんだ」

『その素材が結構すごいものだかた、皇家が買い取ってるんだよね』

【やっぱ冒険者だったんだ。…………あれ?】

「どうしたの?」

【前、荊棘奸佞とかいう名前の盗人に明水の家の家宝が盗まれたことあったじゃん】

『あったね』

【その時、りたが明水の親って何者なんだろう、って言ったんだよね】

「あ〜、確かにそんなこともあった気がする」

【その時、明水の親が冒険者だなんて、らと一言も言ってなかったよね?】

『あー、まあね』

【なんで??】

『そんな問い詰めないでよ。その時はまだ情報が確かじゃなかったから』

「どういうこと?」

『らとも裏で情報収集してるってこと』

「すごい!」

【なるほど。ちなみに、どんな情報だったの?】

『洞窟で魔物も子育てをしてるのは知ってる?』

【うん】

『いろいろある洞窟の中に特別すごい洞窟があったの。それが、上位種の龍の巣穴』

【上位種……】

『そこに住んでいる龍をらとが見張ってた時に、明水の両親が倒したってわけ。それで、確定した』

「らとちゃん、すごい!」


そういえば、前から気になってたことがあるんだった。

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