2-3 貴族はすごい
『明水、起きて〜。めーいすーい』
「あ、らとちゃん。おはよう」
『おはよう』
今日は学校に行く二日目。
たっぷり九時間寝たから、元気いっぱい!
心は重いけどね。
【明水、今日は何するの?】
「えーっと、今日の予定は………」
確か、今日は普通に授業するんだよね。
授業の初日だから、四時間授業だよって、先生が言ってた気がする。
放課後はどんなクラブがあるか、見学する。
まあ、クラブは見学したい人だけで、帰りたい人は帰ってもいいらしいけどね。
「授業が四時間あって、放課後はクラブを見学できる、はず」
『今日もらとたちは散歩してるね』
「わかった」
わたしは早くクラブの見学をしたい。
【ねぇ、らと。クラブって、何があるの?】
『うーん、たくさんある』
【じゃあ……明水が行きそうなところは?】
『えっと、剣道クラブ、弓道クラブ、体操クラブ』
【普通に行きそう】
『魔法研究クラブ、武器制作クラブ』
【あー。行きそう】
『魔法実践クラブ、攻撃突出クラブ』
【…………すごく行きそう】
『ちなみに、この学校は、兼部ができるみたい』
【そうなんだ】
「その部活、すごく行きたい!!」
『【……言うと思った】』
魔法実践クラブなんて、めっちゃすごそう。
魔法をばんばん打つんだろうなぁ。
攻撃突出クラブも、剣とか振り回したりするのかな。
行ってみたいな〜。
もう、昨日何があったとか、どうでもよくなっちゃった。
「よし、一日がんばろう!」
※※※※※※※※※※
「ごきげんよう」
「あら、ごきげんよう」
「ごきげんよう。……お二人とも、昨日のことは覚えていらして?」
「ええ、もちろん」
「あんなこと忘れるはずがありませんわ」
多分、あの人たちはわたしのことについて、話しているんだろうなぁ。
めっちゃこっち睨みながら話しているし。
「でも、昨日は良いこともありましたわ!」
「まあ、何ですの?」
「秋月様がわたくしに話しかけてくださったのよ」
「うらやましいわ。秋月様とお話できるなんて」
確か、秋月様と話したって言ってる人、滴穿心月様だよね?
あの人、自分から話しかけておきながら、秋月様が話しかけてくれたって思ってるみたい。
なんで?
「あの野蛮人のせいで、うれしい気持ちが半減してしまったけれどね」
やっぱり、わたしにつながるのか。
まあ、いっか。
わたしには直接関係ないしね。
※※※※※※※※※※
「それでは、四時間目の授業を終わる」
やっと、やっと!
授業が終わったー。
このあとはクラブ見学だ。
何から見ようかな。
「えーと、らとちゃんとりたちゃんが言ってたクラブは……」
最初のほうは聞いてなかったけど、最後の方は聞いてたから覚えてる。
確か、魔法実践クラブと攻撃突出クラブだった、かな。
今日は四時間だから、学食を食べてから見学だね。
ごはんは午後一時に食べ終わるとして……五時間はある!
まずは早めに終わる部活から見ないとだね。
さて、今日の学食はなんだろう?
あ、鶏肉のステーキがある!!
鶏肉のステーキ食べようかなぁ。
お肉をたくさん食べると、力がつくっていうしね。
しかも、鶏肉のステーキは、月に一回しか出ないんだよね〜。
普段のステーキは、よくわからないんだよね。
牛肉のステーキは、なんかレアだとか、ミディアムだとか、ウェルダンだとか、よくわからない。
その上、牛にも種類があるんだよね。
豚肉はそもそも出ない。
わたしは鶏肉の方が好きだからいいんだけどね。
鶏肉って、じゅわーって感じがしてておいしい。
皮がついてたらさらに好き。
よし、買うか。
「あの、鶏肉のステーキとごはんをください」
「はい、かしこまりました」
いつも、ごはんかパンか悩んじゃうんだよね。
けど、パンは選ぶのが大変なんだよね。
普通のパンでいいのに、ちょっと形が違うだけなのに、違う種類として売ってるんだもん。
一回何が違うのか気になって、食べ比べてみたけど、わかんなかった。
多分、本物の貴族はわかるんだろうなぁ。
…………やっぱり貴族ってすごい。
※明水は辺境の涼美市(山とか畑とかある場所)で育ってきたので、自分が貴族だという実感がありません。




