1-17 りたちゃん救出劇
『こっちだよ、明水。急いで!』
「うん」
りたちゃんを連れ去った人は何をする気なんだろう?
『明水、あそこだよ! あの洞窟』
「わかった。足音立てないように進むね」
『うん』
そろり、そろりとゆっくり進んでいく。
すると、前から声が聞こえてきた。
「奸佞様。その妖精、いかがなさいます?」
「わたしと隷従の契約を結ばせる」
【それって、どっちか主人?】
あ!
りたちゃんの声だ!
「無論、わたしだ」
【けど、実力的にはわたしの方が上だよ】
「ははは! 誰が楽しくて自分が下になるんだ!」
『……明水、行こう』
「了解」
『空間魔法、転移。氷魔法、手枷』
「うわっ、何だこれは?!」
「りたちゃんを返して」
「ふ、ふん。こんな弱そうな小娘などには従わぬわ!」
【ありがとう、明水、らと。光魔法、光線】
「「ぎゃぁぁああ!!」」
【あれ? 加減間違えちゃったかな?】
「ぐっ! よくも、よくもこんな真似をしおって〜」
「奸佞様。必ずこやつらをやっつけて見せます!」
「いや、おれがやる。"我の命に従い、現れよ。土魔法……」
『風魔法、運搬』
「ぐっ……」
す、すごい!
かんねい? ていう人がものすごい勢いで壁にぶつかった。
「うぅ……」
『気を失ったみたいだね』
「ねえ、この人たちどうするの?」
『そこに寝かしておいていいよ。それより……りたは何をしてるの?』
【あ、あった。ごめん、帰ろうか】
「うん」
「そういえば……家を出てからどのくらい時間たったっけ?」
【え? どういうこと?】
「お父さんとお母さんに内緒で家出てきちゃったの」
『そういうことなら大丈夫だよ』
「なんで?」
『明水の家を月魔法の停止で止めといたから』
「さすがらとちゃん!」
『それよりりた、何でさらわれたの?』
【えーっと、それが………】
※※※※※※※※※※
(ふぁ。ねむいなあ)
「……ねい様、あそこに……がいます」
(誰がしゃべってるんだろう?)
「よし絶対………だぞ」
「はい、承知しました」
(ちょっと、どんな人か見てみよう)
「盗んできた火龍の額宝はちゃんと置いてあるのだな?」
「もちろんです、奸佞様」
(火龍の額宝を盗んだ? ……これは取り返した方がいいかも)
※※※※※※※※※※
【………ということがあって】
『でも、何で"さらわれた"ことになってるの?』
【それは、そのかんねい? って人が
「下級妖精を捕まえろ!」
っていってたから、下級妖精に紛れてた】
「そうだったんだ〜。ところで、その額宝はどこにあったものなの?」
【それが…………明水の家だって】
「え〜?! わたしの家にそんな高級なものが……」
『家宝とか? あとは普通に倒して手に入れたとか』
火龍をお父さんとお母さんが倒した?
すごい!
『待って。それ、上位種の火龍の額宝じゃん』
【ここまでくると、明水のお父さんとお母さんって何者なの? ってなる】
わたしもいつか龍を倒せるようになりたいなぁ。
『あ、家に着いたよ』
「魔法は?」
『さっき解除した』
「じゃあ、部屋に戻るね〜」
【火龍の額宝はりたが返しとくから】
「わかった!」




