スプリ、図書館で失敗をしていた
ゲームが女性でも一般的に楽しむようなくらいに身近になった近未来、クラスメイトに紹介されてVRゲームを始めた少女小瀬春香が、ゲームの中でオロバスという名前のプレイヤーと知り合うことで、ゲーム自体の秘密に関わることになり、ゲームの謎に挑みながらゲームの中で強くなっていく近未来系作品。
「すごい量だな。今更だけど」
そのあまりの物量に、今更ながら私は舌を巻いていた。
両面に本が並んだ棚が、天井まで本が届くんじゃないかという棚がずらっと並ぶ光景は外国の物語のような図書館を思い浮かべる。
古代の遺産の関する本、隣の本棚は古代の歴史に関する本棚、そして次は古代の生物に関する本棚。古代の本棚が多いのかな?
「何か面白い本ないかな。『古代地理史』また古代の本か」
ホログラムのように本に触れるたびに浮き上がる本のタイトルを眺めながら、ずっと大量の本と睨めっこしているが正直琴線に触れるようなホントは一冊も巡り合うようなことはない。
これだけあっても苦手科目の本しかないってことは、見るべき棚自体がそもそも間違っている可能性はある。
「歴史の棚じゃなくって国語の棚とかないのかな。おっ、『古代言語解析論』これとか面白そう」
そう思って棚から取り出そうと持った時だった、突然背表紙に触れて手前に倒すような動作をした瞬間、本が空気に触れたとたんにまるで崩れたかのように光の粒子になったかと思えば、そのまま無くなってしまった。
「あれ? あっれれ⁉」
私はその瞬間に気が動転してしまった。
「わ、私何もしていないですよ。本当ですよ」
誰に言うでもなく弁明を繰り返して、いた。そして理由がある訳でもなく別の部屋に移動しようとした。そのために部屋の扉に触れたその瞬間だった。
ビービービー。
「ええ、何⁉ 何なの⁉」
警報音が鳴り響き、私が扉から離れた後もしばらく鳴り響き始めたのは。
そして、どこかからコツコツと、何か靴の音が聞こえてくる。
「あー嫌です。嫌です。戦闘になったら僕苦手なんですけど……」
そう言いながら、一人の白いローブ姿の青年が現れたのもその時だった。
一見して魔法使いか何かだとわかるその人は、杖を構えている眼鏡をして青いショートの髪をしたその青年は、私の方を見ると注意深げに確認した。
「あなたですか。本を指定エリア外に持ち出そうとした人は」
「は、はい? 何のことですか」
「アイテム欄に本があると思うのですが、図書館では司書の許可なく指定エリア外に、例えば外やより高位の図書エリアに持ち出しは禁止されています。アイテム欄を確認してください」
「は、はい」
それしか言えずに、私はアイテム欄を調べるとその中に確かに気が付いた。通常アイテム欄の中に新しく先ほどの本があったことに。
「確かに、本があります」
「アイテム欄から本を取り出して確認さしてください」
「えっと、どうやって出せばいいでしょうか」
「うん? それはいつも通りアイテム欄のアイテムを押した後に、手に持つような動作をしてみれば出てくるはずですが」
物は試しにと、私もアイテム欄の本を押した後に空中で受け止めるような手のジェスチャーをしてみると、先ほどアイテムが消えたのとは逆に今度は光が集まるような演出の後に本が手の内に現れた。
「『古代言語解析論』ですか、まあ他のエリアに持ち出したくなる理由は分かりますけれど持ち出しはだめですよ。ちゃんと図書館のルールに決められているんですから従ってもらわないと」
「ご、ごめんなさい」
「とりあえずどこの学級に所属しているのかと、お名前を控えさしてください。司書として後で先生に報告しないといけないので」
「クローバーのスプリです」
「クローバー? それって回復魔法とかを学ぶ」
「はい」
「その修道服コスプレじゃなかったんですね。すみません」
「あ、はい」
何故か謝られてしまった。
こういわれたということは、コスプレだと思われていたってことだと思うが。
初投稿です。書きだめしないと続けられないのと、基本休日投稿なのですが、遅れたりしたときには温かく見守っていただけると嬉しいです。
今回のパートは区切りがとても難しい所なので、ちょっと多めに一度に放出しちゃいます。