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第二話 ステータス

 アルス村を追放された俺はひとまずここから一番近い村、オルネス村を目指すことにした。

 

 今俺が持っているのは多少の水と、父さんと初めて剣を打って作った短剣しかなかった。


「これからどうしようかなぁ……それにしても俺の主人公ってジョブなんなんだろう」


 特別何か力を感じるものではないと思った俺は、道中に出てきたスライムを倒してみることにした。


――ザシュ!


「やった! 俺の剣なかなかやるじゃん」


 俺の剣は最弱のスライムを真っ二つに両断し、そのまま息絶えた。

 ステータス表を見ると、レベルが2になっているのが確認できた。


「お、早速レベルアップか。調子いいな」


――――

《リーン・シュベルク》

レベル 2

HP  100

MP  100

攻撃力 1 

防御力 1 

魔力  1

素早さ 1

スキル 無し


ステータスポイント10

スキルポイント1

――――


「あれ?」


 俺はステータス表の違和感に気づいた。

 普通ジョブが判明すると、そのジョブに合わせたステータスが表記される。

 しかし俺のステータスは全てが1。そしてステータスポイントというものが存在する。


 そして気になるのがスキルポイントだ。

 これは全ジョブにあるものだが、スキルツリーを開いてみると全ジョブのスキルが表示されていた。

 普通は鍛冶屋であればその鍛冶屋にあったスキルのみが表示され、スキルポイントを使って開放していくはずだ。

 しかし俺のところには鍛冶屋のスキルはもちろん、攻撃魔法や支援魔法、生活スキルなどすべてがあった。


「え、えぇ!? どういうこと!? 主人公ってまさか……この世界の主人公!?」


 そう、主人公ジョブとはゲームで例えると、世界に一人しかいない存在の事である。

 主人公にはいろいろなイベントが起こり、仲間が現れ、強くなり魔王を倒すのがセオリーだ。

 つまり今の俺は今後、この世界で頼られることになる存在になるのが確約されているということなのだ。


「つまり俺ってなんにでもなれるってことなのか!?」


 そう思った俺は、まず何になりたいかを想像した。

 最終的なステータスによっては剣聖や大魔導士、凄腕の盗賊にだってなれる可能性があった。

 しかし、俺はあえてなんにも目指さないを選択した。


「レベル上げまくって全部のステータス上げていけば、最強になれるんじゃね……?」


 そう思った俺は、手当たり次第に周りのスライムを倒しまくって経験値を稼ぐことにした。




 100匹は狩っただろうか、ステータス表を見るとレベルが10になっていた。


「はぁ、はぁ。最初の村に行くまでにこんなにレベル上げる奴いるかっての……」


 俺は溜まりに溜まったステータスを一気に振り分けることにした。



――――

《リーン・シュベルク》

レベル 10

HP  350

MP  350

攻撃力 91 

防御力 1 

魔力  1

素早さ 1


スキル無し

スキルポイント9

――――


「やっぱ最初は攻撃力一択だよな~! 楽に経験値稼ぐならやっぱ力っしょ!」


 俺は試し切りにスライムをもう一度切ってみた。



――スパァン……



 先ほどとは違い、触れるだけでスライムが弾け飛んだように見えた。


「お、おぉ……こりゃすげぇや!」


 俺は続いてスキルポイントを魔法に振ってみることにした。


――――

スキル 火球(ファイアボール) Lv4

――――


「よっしゃ! 火球(ファイアボール)!」



――ジュゥゥ!



 再びスライム目掛けて放った火球(ファイアボール)は、当たるや否やスライムを溶かして蒸発させてしまった。

 しかし魔力にステータスを振っていない分、威力はそこまで高くないように見えた。


「魔法も使えるじゃん! 俺すげぇ!」


 自分の力をどんどんと増していく俺は興奮していた。

 俺は今後もっと強いスキルを覚えて絶対に見返してやるとそう誓いながらオルネス村へと足を進めた。



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