会話
ミスです。ぷろろ部分はこの話までです。申し訳ないです。
「それで、結局なにが原因で女の子になっちゃったはわからないのよね?」
リーナがそう確認してくる。オレは首肯することで返答した。
「うーん……それじゃあミリア君から見てこれじゃないかってのはある?」
「そうだなぁ……まずはキリアナの仕業って線が一番あり得そうだ。アイツらは魔法を知らないが、逆にアイツらの手の内をオレたちが全て知っているわけでもない。未知の魔法とかを使った可能性は高いと思うんだが」
「けれど、そんな魔法か何かを使う暇があったら反撃の一つでもしてきそうじゃないかな? 魔族は戦闘に特化した種族だからね。撤退するほど追い詰められた状況で、ミリアを変化させることを優先するとは思えないし、それにきっとキリアナにはミリアを女性にするメリットがない」
「シド君の言う通りよ。それに変化の術式で体を変えることはできても、性別を変えることはできないってのはミリア君も知ってるでしょ? 性別の変更は神の御業って言われてるし、たとえ魔族の魔力量を考えても現実的じゃないわ」
「ああ、それもそうか……じゃあオレはどっかの神様の怒りでも買っちまったってことかもな?」
正直、今日起きたことはオレの理解の範疇を超えつつある。
魔族の四天王たるキリアナに遭遇し、死を目前にした瞬間に希望に目覚め、その果てにはいつの間にやら女になっちまってたときた。
あまりにも色々なことが起こりすぎて神の悪戯だとか言われても、今なら信じてしまいそうなほどだ。
「あ……そういえば、キリアナが消える瞬間、オレに向かって「ミリアちゃん」って言ってたな……ただおちょくってるだけだと思ってたが、もしかしたらその時にはもう女になってたのか」
「じゃあきっと戦闘中にミリアの性別は変わってたってことになるね……」
「もしかしたらミリア君の希望に由来するのかもね……とりあえずは氷王の両眼に関する情報を集めればいいかしら……」
「それだけとは限らないけど、話を聞く限り希望の発現とミリアの変身はどちらも戦闘中に起きた出来事だから、タイミングを考えると関連性は否定できないね」
そんな風にオレたちが頭を悩ませていると、今まで思案顔をしていたガラドが口を開いた。
「なあミリア……そういやお前のお袋さんが言ってたよな。必ず雪の里に寄るように……とかなんとか」
「ああ〜、たしかに言ってたな。母ちゃんの故郷だからか、顔だけは見せにいけみたいなこと言われてたわ」
「それのことなんだが、もしかしたら雪の里に行けば少なくともお前の氷王の両眼に関することが分かるかと思ってな……」
「確かミリア君のお母さんは雪人族なのよね。雪や氷の魔法がすっごく得意な種族だし、ありえない話じゃないわね」
「手がかりの少ないミリアの変身に関することよりも、氷王の両眼を調べる方が現実的か……ミリア、君はどう思う?」
「んー、オレは氷王の両眼優先でいいぜ。感覚的な話だがこれはかなり即戦力になる力だ。けど正直まだ詳しくわかってねえし、たとえオレの変身とは無関係だとしても行くに越したことはないだろ?」
オレたちは数秒間、顔を見合わせ、そして頷いた。
次の目的地が決まったようだ。
「よし、それじゃあ僕たちは雪の里を目指そう。あと、数日はこの町に滞在して戦術の変更やミリアの能力の確認をしようと思うけど、なにか他に意見はあるかな?」
「異論なし」「俺もだ」「私も特にないわね」
三者三様の返答を聞いてシドニスは立ち上がり、
「それじゃあここからは自由行動にしようか。特にミリアは疲れているだろうから、本格的に活動するのは明日からにしよう」
とみんなに告げた。