妖怪との絆 2
私はこの広くて寂しい大地を歩いていて、見たところ動物や植物は、何もない。
一体どこに行くべきいいのか。
腹がぐうぐうと鳴る。
腹が空いた……しかし、お腹を満たす食べ物がない。
どうすればいいかわからない。
地面に横になって、遥かな天井を眺めている。ここは夜がなくて、いつも明るいだ。入ってからどれぐらい経ったか?時間はここではもう無意味のようだ。
目を閉じて、ちょっと休むと思う。
……
私は再び目が覚めた時、何が私を見つめているを感じたことで、居眠りを破った。
すぐに目を開けて、視線が見つめられているところを見て、妖魔が見えた。体がとても小さいで、姿はほぼ犬と同じ。妖魔は私をじっと見つめて、一歩ずつ近づいてきる。私が目を開けた瞬間を見たら、すぐに歯をむき出して、凶悪ふりをしている。
「あなたを殺したくないから……」手を振って、離れるように合図した。しかし、彼は離れていないだけでなく、瞬間的にぶつかってきて、私の首を狙ったのだ。
慌てて避けたが、手をかまれて、一部の肉が取られた。
妖魔は肉を飲み込み、口元の血を舐め、もう一度に私を襲った。
私は後へは引かなかった。むしろ前に進んで、妖魔が地面につく前に左手を使って頚椎に押さえておいて。一つまみで、カチッと音を立てて、首をひねり切った。
地上で痙攣してまだ死んでいない妖魔を見ていて、これは初めてだ——何が殺す。
私はこれまで考えたことがなかった、生命はこんなに脆いこと。知らず知らずのうちに、他の生物の生死を把握する権力を身に着けた。
傷口を押さえていて、お腹がもごろごろしている。どうすればいい?食べるか?
しかし……血肉を生で食べるということは、なかなかできない。
……
どれぐらい歩いたか分からない。両足は鉛の水を入れたように重い。私は、もう限界に近づいている。
周りは骨の亡骸だらけで、乾いた黒い血が、ずっと前に戦争があったことを述べているようだ。
私は手で骨を拾いた。軽く触っただけで壊れてしまった。この骨のかけらを見ていて、耐えられなくなり、これは食べられるかなと思う。
大丈夫よね!
風化がここまでなって、噛めないことはない。
一つに選んで口に入れたら、一瞬にして舌がしびれてしまった。
これは毒がある!
すぐ吐き出した。
周りの骨の亡骸を見ていると、なんで風化しても、妖魔達に噛まれていないのかが分かった。これらのものは全然食べられないから。
私……どうすればいい?
私は骨の山に登って、上に座って、この広々としたところを眺めている。お腹がごろごろしている。なぜこのような罪を受けなければならないのかわからない。
私は一体何かを間違えたか!
弱者……弱者が強くなってはいけないか?
弱者はいじめられるべきか?
弱者はいじめられたら、やり返すだめのか。
弱者……
そうだね……私はただ一人の弱者で、ここに投げ込まれたからだ。もし、私が強いなら、誰が私をここに投げ込むことできる?
間違えたのは、私が強くない。
生肉さえ食べられない私が、強者に名乗る資格があるか。
今度また妖魔を見たら、絶対に食う。
私はこぶしを握って、ひそかに努力しているが、すぐにこのきつく握ったこぶしが緩んだ。
なぜか言うと、もうその時まで待てないかもしれない。ここはこんなに荒涼としていて、妖魔と会うというのは妄想である。それに……
ガチャン!
急に骨の山が崩れ落ちた。骨の山の中が空洞だとは思わなかった。
上の大きな穴を眺めながら、骨の盛り方を測ってみた。自然に形成されたのではなく、動物に作られたらしい。
つまり……ここは、妖魔の巣窟……
私は一瞬にして驚いた。素早く周りを見て、危険な要素を探している。
次の瞬間、私は妖魔を発見した……
しかし、彼らは私を見てぶるぶる震えている。その一つ一つペアの瞳は、無力感に満ちている。
彼らの毛は真っ黒で、体は小さくて痩せていて、発育はよくなくて、姿は私の前に殺した妖魔と同じだが、それよりもっと低くて小さい。幼体のようだ。あの妖魔の子供かもしれない。妖魔は自分の子供のために、えさを食べに出かけると想像できる。
これらの子犬のようなやつは声を出す勇気がない。なぜなら、他の怪物を引きつけてきたら、食べ物になるしかないからだ。彼らは永久に帰らない母の帰りを、ぶるぶる震えながら待っていた。
彼らはずっとずっと待っているが、帰って来たのは母ではなく、私だ。
1……2……3……
数えた。全部で六匹だ。
良し、まるで天が私を助けているようだ。成年体なら、今の私の虚弱な姿ではとても勝てないかもしれない。でも、幸いで、幼体である。まだこんなに多くて、何日間食べられる。
「ははは!」私は大笑いしているが、実は楽しくもないし、笑いたくもないだ。ただ、大悪役を装うために、あの邪悪な、正義に敗北する悪役を。
でも、実は、これは意味がないではないか。まったく意味不明だ!
これは自分で自分に見せたのがわかっている。
このようにしてこそ、私は心安らかに彼らを殺すことができる。悪人は悪行をするのは正常ではないか?
私は邪悪な笑いをして、一歩ずつ寄り添って、恐怖している目で私を見つめている幼体たちに近づいてき行った。
しかし、なぜかわからないが、私に殺された妖魔を思い出した。弱いので、歯をむき出して威嚇的な顔をフリしていたが、実は私は一撃だけで殺した。
この時の私は、彼らとどのような違いがあるか?私も同じように弱い。今は弱い幼体に迫っていくではなく、自分自身に迫ることだ……私自身の矜持、私自身の三観。
人としての矜持を殺してこそ、生きていけるのだ。
だから、私は邪悪な悪役を装って、自分の理知を教えた。
あなたはまったく良い人ではない、あなたは生まれてから妖怪だ!あなたが生まれたら封印されている。
あなたは……血に飢える妖怪だ!
私は手を伸ばして、その中の一匹の妖魔の首を絞めたが、同時に自分の首にも絞められたようだ。
私は自分に向かって屠殺刀を振り、この理性を断ち切るために、この糞矜持を破るだけために!
でも…なぜか、私のこの屠殺刀はずっと振るえないだろうか。
彼らは無力で、そして恐怖の目で私を見て、私の理知は私を制止した。
そして教えてくれた。よく分かっているはずよね?あなたは妖怪ではないこと。あなたが何度も地面から立ち上がり、妖怪ではないことを証明するためではないか?!
私はため息をついて、その手を緩めて離れた。
彼らを見ている。彼らはまるで私と同じ……同じ弱者で、弱者が生きているのは何の間違いがあるか?弱者は死ぬべきなのか?
——と自分に問いかけた。
私は彼らの頭をなでて、一匹ずつ彼らをなだめて、彼らに教える共に、自分にも教えた:「生きるのは、間違いない!」
「私が帰って来てまで、ちょっと待ってね。あなたたちをこのまま死なせはしない!」