表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/45

希望が見えない未来 4

 これらの日、私は何度も悪夢の中で目が覚める。彼らを恐れている。彼らを怖がっている。

 私はその心のストレスを軽減するために、体を鍛えることを一生懸命になった。鍛えてこそ、それらの苦痛をしばらく忘れさせられる。

 彼らが私にくれたストレスが大きいほど、よりもっと一生懸命にする。たとえ疲れて倒れても、悪夢が私を驚き目覚めさせ、私を強くし続ける。

 歯を食いしばって、無数の闇夜、私はその単調な仰向けに起きて座って、深くしゃがんでジャンプして、腕立て伏せを繰り返している。疲れても起き上がれなくて、もがいて立ち上がって、その単調な動作を何度も何度も繰り返す……

 ……

 もう強くなったと思ったが……ある日、自信満々に彼らに向かって拳を打っている時、私は、相変わらずに足の下に踏まれた弱者だ。

 相変わらず彼らに勝てられない。

 まさか……私は本当に……こんなに弱いか?もうこんなに努力したくせに……なぜ……

 一体なぜ!努力は運命を変えられないのか?

 いいえ……私の努力が足りないから負けた。

 数年間読んだ本は、決して無駄じゃない。本にあった剣術を思い出して、木の棒を拾って、月の光のしたに、夜明けまで、何度も何度も斬りだす。

 また数限りなく日夜が過ぎた。

 昼はいじめられ、夜は必死に剣術の練習をして。

 そして、彼らにもう一度挑戦した。しかし……また負けた……

 まるであの頃に狂ったように霊力を修行して、手に入りたいみたいで、いくら頑張ってもだめ……

 なぜ!

 なぜ!!!

 私は満身創痍で廃墟の中で横たわっていて、星空を眺めて、心の中の炎はますます盛んになる。

 もっと頑張ればいい!

 トレーニングはだめだったら、剣術を習う。剣術もだめだったら、槍と刀と拳法を全部習得してから合流すれば!

 廃墟の上の无数の昼夜、无数の汗、その心の中の恨みとストレスはすべて動力になって、短い1年の内に拳術、剣術、槍術、刀術をすべて合流して融合して、一つに貫通させた。

 ある日、私はまた立ち上がって反抗した。彼らの顔は興奮に満ちあふれている。彼らは私の抵抗を期待している。彼らにとっては楽しみことが、私にとっては、絶望しかない……

 私は武術を極めたら彼らに勝つと思っていたが……

 木の棒を持って、バタバタと突進した時、彼らが現れる動作までも予測できた。しかし、彼らは器を制御することができるとは思えなかった。無数の武器が急に現れ、空に舞い上がって、私の顔にたたきつけた。

 彼らは武術のスキルが全く必要ない、なぜならば、彼らは修仙者だから。彼らはより強大で高級な戦い方を身につけている。

 たとえ君がどんなに努力しても、武術の頂点に達することができても……彼らは一番低いレベルの法術を使うだけで、君のすべての努力を潰せる!

 これは修仙者と一般人の差か。

 だから……私……

 また足の下に踏まれた……

 屈辱の顔で、彼らの足のしたに……

 数えないほどの努力で、換えてきたのは、毎回足の下に踏まれるだけだ。

 もしかして……私が間違っているか?

 努力とは、本当に生まれ付きものを勝てられないか。

 私が認められない!

 もし、その所謂の生まれ付きが私を修仙者の門戸から閉め出すならば……他の道で修仙の門戸を開けてみせる。

 霊力の代わりに血気で回し、無理矢理で修行する。

 この道は、邪道と呼ばれてしまうかもしれない……

 闇の夜が再び訪ねる。

 空が曇って雷鳴がとどろき、篠つく雨が降ってきた。

 庭の中のすべての部屋は、とっくに彼らに廃墟になって、雨宿りの場所が何処にもない。

 私は廃墟の上に座って、雨にぬれて、呆然としたようで、一本の刀を探し出して、ひっくり返して、木を何本の細い木の針に削る。

 それから、その針を体にある気海、鳩の尾、中庭……刺し込む。

 木の針で血気の流れを邪魔して、血気を他のところに誘導して、霊力と同じように回す。

 これは自創の術で、完成したらどうなるか分からない。

 しかし、私がまもなく完成する時に、稲妻が私の頭の上に落ちて、気絶された。口と鼻が制御されないで血が溢れる。

 大雨から目が覚めたら、土砂降りの雨を見て、私は空に向かってヒステリックな叫びを揚げた。

 「どうして!なぜこのように私に対してですか?私は妖ではない!私は人間だ!あなたたちは私をいじめて、私を破滅の道に追いつめて、何処まで満足するのか!」

 また一筋の稲妻が私に落ちた。

 地面に倒れて自嘲して笑っている。

 天道までも私を拒むか?

 私の顔の自嘲した笑顔は恐ろしい大笑いになった。

 しかし、私がことさらにこの道に行く。

 さあ!胆玉があれば私を殺せ!

 血気を回し続けるとしたが、体の中に、エネルギーが流れていることに驚いた。

 雷が偶然と重なって、『霊力を感じて体に引込み』の第一歩をできた。

 私は成功した!

 霊根は持っていない私、これは絶対不可能な第一歩をできたなんて。

 なぜか、一瞬にして、涙が止らなかった。私がどれだけの努力と代価を払ったか誰も分からない。

 涙をふきとり、今は泣いている時ではない。早くしっかりしないといけない。

 一晩の時間をかかって、霊力を固めた時間を過ごした。今は少ない霊力が丹田に集まっている。

 朝、第1筋の日光が現れる時、私は知っていて、夜が明けた。私の夜が明けた!

 朝日昇ってくるを眺めながら。無表情だったが、心の中は沸き返る。法術を試してみたいが、霊力があまりにも少ないので、法術を使ったら、そのわずかなかわいそうな霊気を潰してしまうかもしれない。

 「は……」私はため息をついたが、顔は笑わずにはいられなかった。

 実はこの世界に来てから、こんなに嬉しいことはなかった。

 でも、この喜びを我慢しなければならない。強くなるまで、控えめにしなければならない。

 彼らが来るのを待ちわびている。この日が早く終わって。修行を続けると思ったが、彼らは来なかった。

 彼らはうんざりしているようだ。また他の趣味を見つけたのかもしれない。何日間も来ていない。私は安心して、夜も昼もない修行を始めた。

 ……

 一週間が過ぎた。気分があまりよくない。私はもうこんなに一生懸命に頑張ったのに、霊力があまり増えないさえ、益々減ってきた。

 あるいは、修練された霊力増える速度と霊力の枯渇速度が一直線に遅くなり、このまま続けば、せっかく手に入れた霊力が最終的に潰れてしまう。

 どう解決すればいいか分からない。本に書いてあるのとは全然違うから。

 正常の修仙者は修練しなくても霊気は枯れないはずが、私の体は何か重要なものが欠けているようで、霊気を保つことができなくて、霊力がどんどん潰れてしまう……

 霊根がない原因か?

 しかし……こんな問題は全然解決できない。

 修練の速度を速めるしかない、もしくは霊力を含むものを食う……

 だが、この2つもできない。ここに閉じ込めている私ができない。

 一体どうすればいい?

 私はわからない。

 唯一やり遂げることができるのは、ただ一刻も休まない修練だけだ。もし停まったら、霊力が潰れて崩れるのは更に速くなることだ。


 解けない道にまってしまった。たとえ不眠不休であっても、発生した霊力の速度と潰乱速度をバランスよくできても、そうしたら、霊力の総量を上げることは永遠にできない。総量を上げられないと質的に変わることができなくて、ずっと同じの場所で足踏みすると間違えない。すべての努力はすべてに無駄になる。

 ……

 ある日、あの2人の餓鬼がまた来た。今は彼らに会いたくない。私は一刻も休まずに修練しても、霊力の潰れを止められない。彼らとままごとをする暇が全然ない。

 彼らは明らかに、私に修練させるつもりはない。

 彼らはやりたい放題に私に対して法術を使っている。私は犬のようにあちこち逃げ回る。あれらの法術は致命的ではないが、しかしあたったら、暫く動けなくなる。

 ……時間が少しずつ過ぎていく。

 このようにして、私はみすみす自分の3分の1霊力潰れてしまった。

 なんだか気持ちがイライラしてきた。

 早く終わらせてくれ……頼むから。

 このかわいそうな少ない霊力は、何年の時間をかかって、無数の昼夜を経って、やっと手に入れたもの……

 しかし、私はみすみす霊力が潰れていく。何もできない……

 心が乱れる時、また打倒され、王啓明に頭を踏まれて、彼の足の下に。

 なぜ……

 なぜ君らはこういうふうに私を対するのか……

 神様は私に対する不公平だ!

 私のこのような可哀相な霊力は1つの最も低いレベル法術を使って枯渇するかもしれなくて、彼らは節度がないほど使うことができる。

 そして、なぜ彼らは毎日遊んでいるだけで、私には永遠に到達できないレベルに立ったか。

 これは天才とバカの差なのか。

 彼らは人をいじめてもいい;私はずっとその踏まれたもの。

 彼らは毎日食いたいものを食い放題できる;私は一日一回冷たくて、もの足りない飯だけだ。

 彼らは良い服を着ている;私はぼろぼろの布を着るしかない。

 彼らは先生の教えがある;私は内容をよく理解せずに,全部そのまま覚えることしかできない。

 彼らは飲食と遊びさえすれば,霊力が高まる……なんのに私は…私は……

 私は認められない!

 同じ家族なのに、なぜ彼らは若旦那!?私が妖怪と決まってる?!

 不公平!不公平!不公平だ!

 私はこんなに努力して、どうして毎回は彼らの足の下に踏まれることしかできないか!?

 「私は……」私は震えながら口を開いた……

 「何だ?聞こえない!」王啓明は私の頭を靴拭きの布として、ひどく拭いた。

 王啓明の足首を捕まえて、ヒステリックは叫んだ:「私は妖怪ではない!人間だ!」

 ……

 一時、この上なく静かになった。

 「は?」王啓明は信じられないほど私を見て言った。「ただの妖怪くせに、こんなに人間になりたいか?」

 「私は妖怪じゃない……」私は頭に踏んでいる足を引っ張り離れて、地面から立ち上がって:「私は人間……」

 話はまだ終わっていないうちに、王啓明は片足で私のあごを蹴った。飛び上がって、そして重く落下した。

 口の中の血生臭い、舌の先がひりひり痛いのは、舌先が噛み砕いたからだと知っている……

 「妖怪は地面に這いつくべきだ!」王啓明の怒った声が耳に入り、私の胸に重く足を踏み入れた。

 王啓明の怒った目の中で、もがき、胸を張って、胸を踏まれても、もう一度立ち上がって、「私は妖怪じゃありません!人間です!」 

 それに応えてくれたのは足だった。この足は私の足首を蹴った。バランス崩して、下に向かって地面に倒れ、氷の柱が空から降りてきて、私を地面に押さえつけた。

 「じゃあ、そうしたら、立ち上がれ!」王啓明は甲高い声で言った。


 「私は……」両手は大地を押して、強情でもう一度立ち上がりたいが、あの重い氷柱はしっかりと私を地面に釘付けられている。

 「ははは!そうしたら立ち上がれよ!」王啓明は大笑いしている。

 私は何度も倒れた……だから、もう足に踏まれたくない。

 「私は……私…は……」どこから来た力か分からない。強情で、重い氷柱を担いで、もう一度に立ち上がった。

 王啓明の笑顔が顔に固まって、子供のように理不尽なことをして、怒って言った:

 「これは命令!早くうつ伏せをしろ!君は妖怪だけで、何で人のように立ち上がるのだ?」

 私は歯を食いしばって、口元血だらけで彼に吠えた:「妖怪じゃない!人間だ!」

 「憎らしい!妖怪のくせに、調子に乗るな!」王啓明の体に符文戦甲が浮かんだ。私の首をつねって後ろに押して、結界の壁までにおしている。

 青い電流が全身を巻き込み、痛い……苦しい……

 しかし、体内の霊力が働き始め、急速に増えてきたことに気づいた。私の力は雷からもらった。結界の雷電は私の力になるのは、思えなかった!

 王啓明の手が少しずつ引き締まり、陰険な顔で私に言った:「死んでしまえ!妖怪奴!」

 「はははは!!」私は狂気で大笑いして、彼の首の腕をつかんで、それではそっとひとつまみして、カチッと音を立てて、王啓明は苦しそうに脱臼の腕をつかんで、何歩か後退した。

 王啓明は泣きそうな顔をして、わがままな自己中心的な話をした:「よくも…君はよくも私を傷つけるなんて!」

 「なぜいけないですか?どうしてあなたは他の人を傷つけることができて、他の人はあなたを傷つけてはいけませんか?天才だから?」

 結界から降りてきて、王小明は見えなかった。いつの間にか逃げたかわからない。

 王啓明は怒り過ぎで、息が詰まった。そしてどんな高級法術を使ったかは分からないが、今目の前にあるのは、炎だけだ。

 結界全体に張り巡らされた炎が狂気のように全てを破壊している。

 この瞬間にやっと気づいたのだ。彼らは強者ではなく、力を持つ弱者である。

 彼らはほしいままに自分の力で暴力を振るっているのに、暴力を恐れている。

 だから……どうして私が負けるのか?

 負けるもんか!

 努力と汗は無駄ではない。

 私は手当たり次第にこの術を構築するための霊力を利用して規則を引き出し、炎は瞬く間に消えていく。

 「どういうことか?なぜ君がここに封印されているのに、こんな術を使える!」王啓明は恐ろしい表情で私を見ている。

 「どういうことを知りたい?あなたたちが遊んでいる間、私が勉強しています。

 あなた達が寝ている間、私が勉強しています。

 あなた達が他の人をからかう時、私が勉強しています。私はずっと努力しています。あなたはただの飲み食いしかできないくずだ。どうやって私をかつ?何を何で私をかつ?!」

 「お前こそくずだ!」王啓明は怒り心頭になる。片手で結印、無数の氷柱が飛んできて、私を逃さないために足元の土も軟化した。

 増幅法術:疾!

 私は身をくねらせて、氷柱を踏んで、すきまの中で往来して前進している。霊力が少なすぎるため、私は足を踏み入れる瞬間に使うことしかできなくて、それから霊力の供給を断ち切り、次の着地瞬間にまた開ける。このように多くの霊力を節約して、自分のかわいそうな霊力の作用の出てくる利益を最大化できる。しかし、これは非常に危険な行動で、チャンスをつかめないと、一瞬でもここで死ぬことになる。

 どんどん近づいて私をみている王啓明は、私を止めようとした。急いで氷の壁を作り立てた。

 だがそれは無駄だ……

 私は冷たく笑っている。先ほど引き出した規則が解けて、氷の壁に入れた。二つの違った規則がぶつかり合って、氷の壁が一瞬にして崩れてなくなった。

 王啓明たちは大量の霊力を持っていて、法術を使い方放題と違って、物凄く少ない霊力の私はそんなことができない。

 彼らと同じように攻撃性ある法術を使えない。たとえ最低レベル、霊力に要求一番少ない増幅法術だとしても、その法術の利用を最大限にしなければならない。法術を使っている途中に、無理矢理で切断し、別の術に素早く転化し、攻撃は刹那に力の増幅術に変わり、攻撃は止まった瞬間に速度の増幅術に切り替わる。だから……私は自分を攻撃術と見なして、自分の持つ技術で、自分の努力と習ったことで術を補完する。

 もし法術と自身の能力を百分率に換算すれば、法術は王啓明の90%を占める。もし王啓明が90%の法術を持っていなかったら……残りの10%の王啓明は何もできないクズだ!

 王啓明の前に落下した瞬間、増幅法術:力!

 一発のパンチが彼の体に当たって,符文戦甲が飛び散った。この一発のパンチは、怒りである、屈辱である。そして、私の数えないほど昼夜の努力と汗もである!

 拳は離れた瞬間に、力の増幅術を切断術、「増幅術:速」に切り替え、体をねじって彼の前に来て、彼の胸に蹴って、飛んで行った。

 彼が着地する前に、私はもう体を整えた。落下点に来て、膝を上に上げて、彼の腰に突いた。

 彼が滞空して浮かぶ前に、速やかに一歩後退して、足を上げて、彼らのお腹に重く踏んで、地面に踏み付けた。

 「お前はろくでなしだ!強い力を持っているのに、使えない!」私は凶悪な笑いをしていて、心の中の抑えている気持ちが、この瞬間に発散した。

 王啓明は腹を押さえて、苦痛な大声で泣いて叫んでいるが、私はこの上なくすっきりしている。

 しかし、次の瞬间、私はやっと分かった。

 たとえ君がどんなに努力しても、いくら頑張っても、相変わらずに、倒されるものである。なぜならば、君が王啓明ではない!君は醜い、名前もない妖怪だ……

 「大胆!うちの若旦那をいじめるとは!」

 無数の符文で形成された鎖が、どこからともなく私に絡みついてきて、きつく縛って身動きを止めた。

 白い制服を着た斬妖者が、私の胸に蹴りつけて、倒れる前に、二人の使用人が、ついてきて私を押さえて、土下座された。

 驚き恐れる。自分の霊力が強制的で……追い散られた……

 空から降りてきた修仙者は、泣いている王啓明を丁寧に支え、癒しの術を彼の体にして、肉眼で見える速さで彼の痛みと傷を癒やした。

 ハハー……

 私は無力に笑っている。

 私は傷だらけだったが、彼はついに無傷だった。

 せっかくの霊力も、追い散られた。私は修仙者からまた普通の人に戻った。何もできない普通の人に戻された。

 なぜこのように私に対して!

 君らは気軽に努力してすぐ第1歩を完成することができて、私は何十年努力した!雷に打たれて死ぬところで、やっと第一歩を完成して、かわいそうな霊力を手に入れた。なのに……あなた達はそのわずかな霊力も奪った……

 私は自分の黒夜が終わったと思っていたが、結局別の黒夜を迎えただけだ。

 「このような妖物は、やっぱり鎮妖塔に投げ捨てましょう。」斬妖者は二人の使用人に命令した。「この妖物を鎮妖塔に連れて行きなさい。」

 普通の人に戻ったと思うが、実は普通の人でもない……彼らの目には、私は妖怪だ。

 「違う……私は妖怪じゃない……妖怪じゃない……」

 弁解しているが、誰も私の話を聞いてくれない。無理やり鎮妖塔に連れて行かれている。鎮妖塔がどこなのか分からないが、聞いてだけでわかる。妖怪を押さえつけるところ。私は妖怪じゃない、そこに行きたくない……

 誰か助けてくれないか?

 誰でもいい、助けて……

 私は心の中で祈っている、渇望している。やっと、一つの姿が現れた。

 それはとても美しい女性で、心配そうな顔をして私に駆け寄ってきた。その顔の表情は、母親が自分の子供を心配しているからこそ出るという表情だとわかる。この時、私は突然に気づいたのだ。私のことを気にする人が、この世にいる。

 まだ会ったことがないが、彼女は誰かと知っている。私はこの女性に感謝している。もしこちらの女性がいなかったら、私は生まれた時に、もう殺されたかもしれない。

 希望に満ちた目で走ってくる女性を眺めて、胸に感動がいっぱいだ。

 一分一秒が過ぎて、女性も私に一歩ずつ近づいてきて、そして私とすれ違った。

 一瞬、自分の顔がこわばっていると感じた。振り返って女性が王啓明を懐に抱いているのを見えた。女性は心配そうな顔で言った。「私の啓明、怪我はないか?」

 私を……心配しているじゃないか……私……勝手にそう思っただけか……?

 何だかわからない、すごく悲しい。

 彼は全世界を持っている。彼が怪我をした時、誰かが彼を支えて、彼の痛みを癒してくれる。彼が悲しい時、彼を抱き寄せて慰めてくれる人がいる。私の世界には、私だけがいる。誰もいない。私だけだ……

 「妖怪は妖怪だ!何年経っても妖性は直らない!」後ろの女性が歯ぎしりしているのを聞いて、とても悲しいことを言われた。

 女性がこんなことを言うとは思わなかった。本当に思わなかった……さらに女性が私に攻撃的な目線を向けているのを感じた。

 突然、寒くなった。とてもとても寒くて、肩を抱いて縮こまりたくて、暗い隅に潜り込んで、永遠にそこから一歩も出ない。しかし挟まれた私は、このようにすることができない……

 ははは…妖怪……私は妖怪……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ