やり過ぎがちょうどいいこともある。
引越しが近いので更新速度遅れます。
本当に申し訳ない。
前回学んだこと
持つべきものは命を預けられる友
夜逃げ未遂の翌日
「あれ? キーラ、リョウタロウ達見なかったか?」
「今朝早くに出かけられました。夕方には戻ると」
一方その頃
「多すぎないか!?」
おれとリョウタロウはゴブリンの群れの中でひたすらに剣を振るっている。
「この時期は繁殖期でやたらと増えるんだとっ!」
おれたちは、夜に戻り、朝早くにギルドへ直行し、クエストを受け続けていて、今は6つ目だ。
周りにはすでに10数匹のゴブリンの死体が転がっている。
「こいつらどうやって繁殖するんだよ!?」
「さあな! そこら辺からさらった女使ってるんじゃないの?」
「ゴブリンってやっぱそういう生き物なのかな? てか、生き物って種族とか一致しないと繁殖出来ないんじゃなかったっけ!」
「俺に聞くなよ! こいつらに聞け!」
「聞けるもんならな!」
戦いながら叫び声で会話する。
長年連れ添った仲だ。コンビネーションは抜群で、今のところ大きな怪我はない。
おれは選んだスキル【パリィ】を駆使してゴブリンの大群を処理している。
【パリィ】は、タイミングよく相手の攻撃を盾などて弾くと、弾いた時以上の力が働き、相手の攻撃をカウンター出来るものだ。
リョウタロウの背後のゴブリンに剣をスキル【投擲】を使って頭目掛けて投げる。
リョウタロウはその剣を頭から抜き取り、またおれのほうのゴブリンの頭に投げ、それをおれが抜き、また振るう。
「うわっ!」
すると、剣がぽっきり折れてしまった。
しかし、焦らずに足元のゴブリンの持っていたナタを取り、戦闘続行。
数十分後、ようやく最後のゴブリンを倒した。
「少しは強くなった気がするか?」
「俺に分かるかよ。ゲーム通りならレベルは上がってるだろうけど……」
「なら大丈夫じゃないか?」
「ふんわりしてんなぁ……てか、よく剣折れても大丈夫だったな」
「これくらいで焦ってたら、生徒会で学校祭運営出来ねぇっての。いつでも臨機応変に。が基本だろ?」
「新しい剣、コリンナに作ってもらうか」
「良いのか?」
「確か、ルイシーナが脱皮? の時に出た鱗とか持って来てるって言ってたから、それなりのもの作れるんじゃないか?」
「ドラゴンって脱皮するのか?」
「まあ、するんじゃない?」
「じゃあリザードマンは?」
「……わからん」
そんなことを話しながらギルドに戻り、完了報告をする。
「なあ、ショウ、1回帰ろうぜ〜」
「まだまだ追い込みが足りないな。武器はゴブリンのやつ2、3本持って来てるから、次いくぞ」
「試験の時とかもそうだったけど、少し追い込みが激しすぎない?」
「追い込みの美学よ」
「クソも美しく無いんだけど?」
それからも討伐系のクエストをひたすらこなし続け、気づけば何も食べずに半日程過ぎ、帰る姿はまさに戦争から生き延びた者のようだった。
「「ただいま〜」」
「お帰r……って何して来たんですかぁ!?」
出迎えてくれたアンスが驚く。
「ちょっと遊びにね……」
「追い込みに付き合わされた俺の身にもなれよ……」
「あぁ! 2人とも、お風呂入る前に傷の手当てを……」
ディアナに傷を治してもらい、それから、2人で風呂に入った。
「「あぁぁぁぁぁ……生き返る……」」
「明日筋肉痛かもな……」
「おれより長くこっちに居るくせして生意気な!」
「いくらなんでも限度があるだろ!」
「甘えだな。だから夜逃げなんて考えるんだ。そこ、負け筋だぞ?」
「なんでそんなに異世界に適応出来んだよ……」
「そりゃあ、リョウタロウがいるからだろ?」
「うわぁ〜嬉しいけど自分が原因だと思うと悲しい」
風呂から上がり、2人でご飯を食べた。量はもちろん大盛りだ。
「一体何して来たんだ?」
エヴリーヌが聞いてくる。
「ん? あぁ、リョウタロウがみんなに見合う男になりたいっていうから付き合って……ゴフッ!」
リョウタロウの拳が飛んできた。
「おい! 飯食ってる最中に手だすなよ!」
「お前が付き合ったんじゃなくて俺が付き合わされたんだろうが!」
「えっ、リョウタロウさん、そんな事を……」
「真に受けるな! ショウのニヤケ面見た上で真に受けるな!」
「ふふん、そんな事をしなくても、リョウタロウはとっくに私に見合った男だというのに……」
「ルイシーナは黙ってろ! あと、持って来てる鱗出しとけ!」
「そんな……抜け殻を要求しなくても……本体でも良いのだぞ?」
「ショウの剣折れたから、コリンナに新しいの作ってもらうからだ! 変な妄想すんな!」
そんなこんなで、夜逃げ未遂事件は終結した。
あんなになるなんて、よっぽど追い詰められていただろうけど、弄りがいがあるからおれはとことん利用させてもらうぜ!
次回、リザードマンの村




