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ゲーマー4人組  作者: 鬼雨
大和魂は異世界受けする
19/45

旅行だからといって浮かれてはいけない。

前回学んだこと

最近の犬はパワフルで、ワンダフル。




 突然だが、今俺たち4人とロボル1匹は森にいる。

 理由は、旅行だ。

 アリスターから北西に進んだところに位置する、ドワーフ達の街になったところに向かっている。

 こうなった経緯は、エヴリーヌが問題を持ってきたとか、ディアナが提案したとか、そういう訳ではない。

 実は先日、俺のナイフの片方が折れたのだ。

 というのも、ロボルをパーティに入れてから、クエストがかなり捗るようになり、毎日クエストを2、3個こなしていて、手入れもそれなりにしていたが、ついに折れてしまった。

 そこで、鍛治の得意なドワーフのところで、新しい武器を調達しようということになった。


「「私たちも行く!」」


 俺は、ロボルと行くつもりだったが、まあ女子2人が見逃してくれなかった。

 ナイフを直しても良いのだが、ロボルの親の牙を使って、新たな武器を作ることで、一種の区切りをつけたいと思ったのだ。

 異世界に来て数週間、生活には慣れてきたし、友人もできた。

 だから、異世界に突然飛ばされることになって、メソメソしていた自分と別れを告げる意味もある。

 


 小鹿亭を出発して、ほぼ1日、ギリギリ野営をせずに着くことができた。

 途中、モンスターに襲われたりしたが、相変わらずロボルが上手く対応してくれたし、エヴリーヌとディアナも蜘蛛の一件で、心構えが変わった。


 ドワーフとは、背が低く、力持ちなイメージだったが、その通りだった。

 ゲームによっては、横暴な感じに描写されることもあるが、この世界のドワーフは皆、温厚で優しい性格のようだ。

 そして、ドワーフの街は、街の真ん中を大きな川が通っており、水車が多く見られる。

 水車は何に使われているのかというと、酒の生産のためだ。

 そう、ドワーフはお酒が大好きなのだ。

 アリスターでも見かけたが、ドワーフ達の作った酒はかなり美味しいらしく、ほかのに比べて比較的高値だった。

 そして、あちこちから金槌を振る音が聞こえる。

 なんでも、魔王戦線に武器を送ってもいるらしい。

 俺たちがついたときはもう夜なので、宿が取れるか心配だったが、意外とすんなり取れた。

 それから、4人で外食をした。


「疲れたぁ〜」


「確かにな。結構な長旅だったし。」


「フェリクスは体力あるな。」


「リザードマンの集落は、アリスターから南にあって、結構離れてるんだ。野営が、最低1回は必要になるくらいにな。」


「なるほど。歩き慣れてるって訳だ。」


 そんな会話をしながら、俺とフェリクスは食事を進める。

 ここでは……というか、この世界では、お酒は16才から飲んでいいらしく、エヴリーヌもディアナも、離れたところで美味しくお酒を飲んでいる。

 さらに、ドワーフの街では、普通の飲み物として普通にお酒が出てくる。むしろ、水とかを飲んでる人の方が珍しい。

 案の定、俺のところにも酒はきた。

 しかし、個人的には、未成年飲酒はやっぱりダメだと思っている。

 まあ、スリしたことある奴が何を言っているのかという話なのだが……いや、現世と決別するためにも、ここは思い切って飲んでみよう。

 しかし!一気はダメだ。急性アルコール中毒で死にたくは無いからな。

 出されたビールを飲んでみた。(というか、ビールってこの時代にもあったんだな。)

 んー、苦いし、良さが分からない。

 俺はまだまだ子供という訳か……


「飲まないのか?」


 フェリクスに不意を突かれて少しビックリした。


「あ、あぁ、あんまり、好きじゃなくてね。」


 だが、出てくるおつまみは美味しい。

 お酒に合うかはまだわからないが、きっと、これが大人の味という物なのだろう。

 俺は、コップ一杯でお酒は満足してしまった。

 まあ、初めてだからな。これから慣らしていけばいい。

 そういえば、母さんが、


「お酒はねー、飲んで吐いてを繰り返さないと強くなれないだよねー。」


 とか言ってたな。

 まあ、吐くのは嫌なので、少しずつ、機会が有れば飲むようにしてみよう。

 しかし、フェリクスは慣れているのか、ワインを飲んでいた。

 俺も少し味見させてもらったが、こっちは少し美味しいと感じた。

 まあ、肉焼くときとかに使ったことあるからなのかな?

 しかし、やっぱり、日本酒や焼酎は無いか。

 日本酒が有れば、料理酒として使って、煮物とか作れそうだったんだがな。

 しかし、さっきから店の中が騒がしい。というか、少し頭がぼーっとしている気がする。

 流石に酔ったか?あの量で?つくづく怖い物だな。あとで水を……

 と思ったときだった。

 ロボルの鳴き声ではっとした。

 なにかと思って見てみれば、ディアナが酔っ払って、暴れている。

 暴れているというか、具体的に言えば、服を脱ぎかけている。

 本人は、「あつい〜」など言っているようだ。

 ついていたエヴリーヌはというと、すっかり眠ってしまっている。

 俺たちは慌ててディアナを取り押さえる。

 

「おい! バカ! 何やってるんだよ! こんな店のど真ん中で!」


「ふぇ? あぁ〜リョウタロウしゃんじゃらいですかぁ〜。一緒に呑みましょうよ〜美味しいですよ〜?」


「もうお酒はいいから! 早く戻って寝るぞ! フェリクス、エヴリーヌを頼む。」


 フェリクスにエヴリーヌを担いでもらい、支払いを済ませてもらう。


「いやぁれす〜。もっと呑みたいんれすからぁ〜」


「あぁ! もう! 無駄にいい体してるだけあって、運びづらいな! こら、じっとしてろ!」


「ねぇ〜リョウタロウしゃ〜ん、キスしましょ〜よ〜。ほらぁ〜チューって〜」


「ベタベタするな! 頭引っ叩くぞ! なんなら川に落としてやろうか!?」


 そんな酔い潰れた2人を担ぎながら、宿に戻った。


酒は飲んでも、飲まれるな。

この言葉をここまで痛感したのは生まれて初めてだ。

うちの両親でもこうはならんぞ。

そして、酔っ払いの対応がいかに面倒かが分かった。

世の中の警察官は凄いな。敬意を表するよ。

 










次回、新たな武器




未成年飲酒と一気飲みはダメですよー!

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