挑発すること勿れ
シュトラール様目線からです。
話が一気に進みます。
今日は、召喚しなければならない日だと朝から憂鬱だった。5代に一回の割合で番を召喚して娶らなければならないなんてどんな悪夢だ、まだ独り身で居たいのに。女はろくなことがないと少女を見るまで思っていた。綺麗に光を弾くピンクブロンドのストレートの髪に、蜂蜜を溶かした様な瞳、赤く色付いた小さな唇、天使が降りてきたそう思った。実際、天使族だと聞いたときは驚いた。あまり天使族は他の種族と関わり合いがないと聞いていただけになおさらだ、人族の国では寿命が短いため伝説になっているかもしれない。聞いた通りなら、光の下なら虹色に輝く美しい翼を持っているという。一度見てみたいと思った。しかし、可愛らしい少女は意外にズバッと核心をついてきた。子供とか子供とか子供とか。一瞬何のことかわからなくて思わず赤くなってしまった。女と関係を持ったことが無いわけではないが、やはり番は違うのか妙に意識してしまった。隣にいる男ーキール・スオーロ(この国の宰相だ)がニヤニヤしているのに気づいて冷静になって返事を返せたのは良かったが、後で仕事を押し付けよう。この男ならすぐに片付けてしまうんだろうが。国王の座についたときからの忠臣だし、何より小さい時から知られているためこちらとしても頭が上がらない。まぁともかく我儘過ぎないならば国は安定しているし大丈夫だろう。と、これからについて話し終わったと思ったら急に少女の身体が傾いたので慌てて抱えた。少女は、とても軽くいい香りがした。それに案外体つきも良く、柔らかそうな...いけない、考え出したら止まらない。それに、今欲情して襲うと関係が悪くなる。そう思い、強制的に目を背けた。
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「ふわぁ〜っどこだったかしら⁉︎」昨日召喚されて貿易することになって子供つくることになって、絶世の美女...美男に会って。あー王妃の部屋か、最後倒れたな。取り敢えず謝らないと。
『探索魔法』そう呟くと地図のようなホログラムが現れた。天使族曰く詠唱面倒、イメージ鮮明、イメージするためキーワード。という、語呂合わせが。 明らかに、日本人だよね⁉︎と聞いたとき思ったね。イメージし易いから言うなら日本語にしてるけど。ともかく、シュトラール様の反応があったので人に合わないように向かう。反応が一つしかないのでいまわ一人なのだろう。っていうか横の部屋だわ〜よく考えたら王妃の部屋だし当たり前?だよね。...とにかく向かいました。
「シュトラール様〜いらっしゃいますよね〜失礼しますよ?」返事を待たずにスタスタ進む。反応があるのはこの部屋のようだ。コンコン、「失礼します。」おーベッドルームだったようだ。ベッドを覗くと黒い髪がシーツの上に広がっていた。なんか逆じゃね?変な気分だ。つんつんとネグリジェを引っ張って見ると、相手はすぐに起きた。
「えっ!スィエル嬢⁉︎何で此処に?っっその格好は!」?その格好…あー私もネグリジェだった、人に会わなくてよかった。それより、
「あーそれよりスィエルは言い難いと思うので、エルでいいですよ?後、ラールとお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「あっあぁ構いませんが、」そう言って何故か押し倒された。
「その格好は頂けない。私に襲われるとは、おもいませんでしたか?只でさえ番に会ったことで抑制が効かなくなっているというのに…。」おぉーなんか申し訳ないな。でも、結婚式ないし別良くね?遅かれ早かれこうなるわけだし。
「別にいいですよ?遅かれ早かれこうなるはずでしょう?それより公務は大丈夫なんですか?」大丈夫なのかなぁなんて普通に考えてたけど、竜族は子供ができ難いので、奥さんができたら休暇が一月貰えるらしい。知らなかった。まぁいいや。
おっと忘れるところだった。えいっとラールの口の中に押し込む。突然で驚いたのかむせている。
「ゲホっ何ですかこれは⁉︎」まぁ驚くよね〜
「私の魂の半分です。他の種族と生きる歳が違い過ぎるので相手に食べさせると、相手と同じくらいの寿命になるんです。」
「そんなもの食べさせてよかったんですか?昨日会ったばかりなのに。それに寿命が短くなるのは...」確かにそう思うかもしれないが、番というのは竜族に限ったことではなく天使族でも同じことなのだ
「番というのは私たちの種族でも同じなんですよ?好きかはわからないですが、この人だというのは分かりました。なのでいいんです。さぁ、続きをしなくていいんですか?」なんて言ったのが間違いだった。前世でも無かったからって、挑発しまくって、喰われてしまいました。比喩ですよー。今身体は動かず汗でべたべた、まだ下腹部が痛いし、こえも掠れた声しか出ません。侮ってました。今度は気をつけようと思いました。
スピーディーですみません。