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砒素が蔓延している世界にとって、我々の世界は自由度が低い3

 やあ、僕だよムガベだ

 なんだか久々に君たちに話しかける気がするよ。

なかなか暇な時間がなくてね。こんなに期間が空いてしまったよ。

 いや決してゲームして遊び呆けていたわけではなくてね、ほら君たちの世界にもあるだろう。

 いわばそう僕も"社会人"っていうものになったんだ。

 会社と呼ばれる特定の活動を行うことで金銭的価値を生み出す社会的集団に僕という労働力を貸与することで金銭を得るいわば労働者階級にとうとう身をやつしてしまったわけだね。

 君達のところでは経済用語としてプロレタリアートと呼ばれる資本を持たざるものの一員となったわけだね。


 でも不思議だよね?君達から見て僕は魔法が使えるのに"資本"が無いだなんて。


 僕は何もないところ(厳密には砒素を用いてだが)ものを触らず移動し、物体を生み出し、成形して消滅させる事が出来るのに僕はこの世界では持たざるものの一員だそうだ。

 経済的資源を持たないものとして労働力を資本家、ブルジョワジーに貸与して金銭を恵んでもらわないといけないそうだ。

 実に不思議だ。

 いわば誰が何処から見るかによってこの境界というものは変わっていくんだろうね。

 君達はどうだろうか?

 見る対象を間違えていないだろうか?

 僕が思うに、目標は高く、理想は低く見積もるべきなように感じる。

 人の贅沢は際限を知らない。

 これは僕が経済活動に怠けてゲーム三昧をしていたことに、、、おっと違う違う。

 寝る間を惜しみ自学研鑽に努め、瞬発力と即時の状況判断を強化していた期間があったんだけど、あとちょっとで自分が自分じゃなくなる感覚から抜け出せなくなるところだったよ。

 人は幸福を感じた時が一番幸福感が高い。それ以降は緩やかに下降していく。あの時の幸福を求めてしがみついて残ったものが君の趣味だ。

 趣味がないという人がいたりするがそれは大きな間違いな気がする。あくまで僕の主観だ。

 そういう人こそ実は結構趣味に準じた何かをしている。

 幅広くね。

 ただ、初めの一歩目、ファーストインパクトが弱かったがゆえに、もしくは忘れてしまっているだけなのかもしれない。

 僕の趣味が知りたいって?面白いことをいうね。

 僕に趣味はないよ。

 今はね。

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