表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

あるお父さんのお話

次は私ですね……。


えぇ…あの時の恐怖は今でも忘れられません……。

私には二人の娘がいるんですよ……。

親バカと思うかもしれませんが、どちらもできが良くて自慢の娘でした。


下の娘が受験の時でした。

次女は高二の時文系から理系へ志望学科を変えていたのですが、見事高偏差値で有名な名門私大に現役合格したんですよ。

もともと次女の学校は進学校で厳しい授業で知られていて、いつも次女はヘロヘロで窶れていましたから、親類も大層心配してくれていたので、みんな大喜びでした。

もう学校では授業はなかったので、自宅待機か図書館で過ごすのが娘の日課となってました。

私はその頃、職場で大事故があり、大忙しだったんです……。

いえ、言い訳ですね、コレは……。


えぇ、合格発表から1ヶ月後……入学料を振り込みに銀行へ行って書類を確認したら、振り込み期限が一週間過ぎていた事が判明しました……。


次女は滑り止めも合格していましたが、入学手続きは間に合わず浪人が決定しました。

妻と長女からは責められ、次女に泣かれました……。なにせ金銭的なモノ── 通帳関係は私が管理していたので、私が振り込むと家族には言っていましたから。

次女はその後他県の予備校に行き、次の年に志望校に合格するまで事務的な会話以外しませんでした……。


15年以上経った今でも、親類の間ではその事が語り継がれています。

次女はその後大学を無事卒業し、就職先でコツコツと出世して役職に就き、今では笑い事にしてくれてますが、思い出すだけでも泣けてきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ