美女の家
そして、体育が終わり、お待ちかねとお着替えタイムだ。
神宮さんと日野さんにひたすらついていく。
2人と更衣室に入った。
神宮さんと、ついでに日野さんは、さっとTシャツを脱ぐと、制汗剤をさっと体にスプレーする。
そして、スカートを履いて、ジャージを下ろした。
やはりここでも鉄壁の守りか。
女子はすごいな。
まあいい。お楽しみは後にとっておこう。
神宮さんとついでに日野さんは、元のトップスを着て、更衣室を後にする。
さて、ここからはスーパー退屈な時間だ。
基礎物理、お昼、基礎数学、基礎統計の麻酔より眠れそうなオンパレード。
まあ、死んでから寝たことはないけど。どうやら幽霊は寝ないらしい。
ひたすら聞いているだけの授業は終わった。
後は、ひたすらストーキングするだけだ。
神宮さんの後ろをコソッとついていく。
完全にこれ、ストーカーだよな。
しかも全裸だし。
警官に見えないことが救いでもあり、悲しくもある。
へぇ、神宮さんってあの駅を使ってるんだ。
結構いる幽霊達、もしくは裸族の変態に囲まれて見失いそうになるが、なんとかついていく。
この中に本物の露出狂が混じっていてもわからないよなぁ、なんて考えながら。
そうして、あとをつけること40分。
ついに彼女の家にきた。
広い一軒家だ。
3階建だな。
彼女と門をくぐり、玄関に入る。すると彼女は俺をしっかり見ながら口を開いた。
「ようこそ、春日くん」
「えっ?」
「あなたのことは見えているわ。
大学で目があったでしょう?
ああ、『死んでしまうとは情けない』って言うべきかしら。流石に不謹慎だと思うのだけど」
やっぱり見えていたのか。
やばい、色々。
「あなたが本当に幽霊なのか、それとも私の幻想なのかは知らないけど、本物と仮定して話しかけるわ。
返事はできる?」
「あ、うん」
「そう、それは良かった。
それじゃあ、なんで私をつけてきたの?」
「えっと、それは」
どうしよう、なんて言えばいい?
「春日くんの焦る顔、面白いわね。
ふふっ。答えなくてもいいわ。だいたい予想はつくから。男の子だものね」
死ぬほど恥ずかしい。もう死んでるけど。
「ところで、生前から露出趣味があったのかしら?」
その言葉で顔を上げると、彼女の視線は俺のある一点に向いていた。
慌てて股間を手で覆った。
何やってんだ俺。
どんな変態プレイだよ。
「違う、これは、あの、えっと、服ってどこかで売ってない?」
自分でも何を言っているのかわからない。
今の俺の気持ちがわかる人がいるとしたら、全裸で好きな人の家に勝手に入ったことがある人だけだろう。
居てたまるか、そんなやつ。
考えがまとまらない。なんて言い訳をすればいいんだ。
「ふふっ。本当に面白い。
私は幽霊を随分昔から見てきたけど、服を着ている幽霊は見たことがないわね。
たぶん、幽霊は服を作ってないんでしょう。
あなたが作って売れば儲かるかもしれないから、頑張ってみたら?」
彼女が笑った。
やっぱりすごい綺麗で可愛い。
「どうしたの、ぼーっとして。
ああ、そういうこと。
心配しないで、あなたのそれは人並みよ。大きくも小さくもないわ」
やばい、心が痛い。出血してんじゃないのかって思うくらい、大ダメージだ。
ただ見惚れてただけなのに、なんでこんな手痛い口撃が⁉︎
「人の家で四つん這いにならないでくれる?
私はそういう趣味はないから」
俺もないです。その言葉は意味不明な呼吸音にしかならなかった。
呼吸はしてないはずなんだけど。
「ごめんなさい、いじめ過ぎたわ。
お詫びに、あなたが見たかったものを見せてあげましょうか?
私、今からシャワーにするから」
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