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死装束が欲しいです  作者: 青桐
プロローグ
2/5

憧れの美女と数少ない友達

というわけでやってまいりました、大学に。

いきなり女の子の家だと思った?

残念、友達14人のぼっち舐めんなよ。

彼女の家なんて知るわけないだろ。

誰に向けてこんな口調なのか全くわからないけど、以上なテンションがないとやってられない。

とにかく、彼女が来るのを待とう。

ていうか、本当にいくらでもいるな、幽霊。

電車の中にもうじゃうじゃ、サウナかここはってレベルでいたわ。全裸の奴らが。

話しかけてはみたけど、どうも聞こえてないっぽい。

もしかして、幽霊同士ですら、霊感がないとダメなの?

いやいや、そんなバカな。俺だって霊感はなかったし。

いや、他の家族全員があるなら、魂だけになって霊感に目覚めたのか。

そんな、バカな。

そもそも、触れられないのに、なんで慣性の法則が働く?

本当に触れられないなら、乗り物にも乗れないはずだ。

ていうか、あっ。

来た、神宮春陽さん。

俺と同じ学科で、いや、学部、大学でも1番の美人の女性。

腰近くまでロングの黒髪が美しく、スタイルも抜群だ。

その大きな胸は、きっと男の夢が詰まっているはず。

そして、ギュッと絞られたような細いウエストは、神懸かっている。

さらに彼女は容姿だけじゃない。理系相応しい、冷静沈着なクールビューティさは、身にしみて知っている。

俺は大学入って1ヶ月ほど経った頃、彼女に告白をして、見事にフラれた。

その時のことは、忘れらない記憶だ。



当時俺は大学デビューをしくじり、せめて彼女がほしいと考えていた。そして、それなら一目惚れした神宮さんと思い、なんとか、彼女を人のいない教室に呼び出した。


「それで、何かしら?」


ニコリともせずに、彼女は問いかけた。

それに考えていたセリフが吹っ飛んだ。

だから、思ったことを吐き出した。


「あなたが好きです。

友達になってください。

そして、ゆくゆくは彼氏にしてください」


たぶんこんな感じのことを言ったと思う。

生まれて初めて告白をしたのに、そんなに記憶がない。

いっぱいいっぱいだったのと、


「そもそもあなた誰?」


という、最悪の言葉が返って来たのがショックだったからだろう。

大ダメージを受けながらも、なんとか自己紹介をした。


「えっ、同じクラスの春日です。春日直久です」


まさか、同じクラスなのに覚えられてなかったとは。


「そう。

ごめんなさいね。

あなたと関わった記憶がなかったから、覚えてなかったみたい」


風が彼女の髪をなびかせ、彼女は右手で髪を押さえた。


「いえ、あの、影が薄いのが悪いんで。

それでお返事は……?」


「ごめんなさい。

私は今、そういうことを考えていないの。

ほかの人をあたってくれるかしら」


これ以上ない拒絶だった。



あの時のリベンジだ。

そう思ったが、様子がおかしい。

彼女は俺を見て、目を見開いている。

まさか、俺が見えている?


「どうしたの、ハル?」


クラスに2人しかいない女子、そのもう1人である、日野華さんが固まっている神宮さんに声をかけた。


「いえ、なんでもないわ。

少し考え事をしてただけ」


これは、どうしよう。

計画が狂った。

まさか彼女に俺が見えるなんて。

ってやばい。

股間を隠していなかった。

完全に見られた。

これは、あれだ。

等価交換だな。

彼女のも見せてもらうしかない。

自分で言っててバカだと思うし、論理的じゃないのもわかっている。

でも、それでも、俺は彼女の裸が見たい。

彼女たちと一緒にエレベーターに乗る。

ああそうだ、今日の1限は体育だ。

よし、このまま更衣室について行っちゃおう。

うん、幽霊も悪くない。

初めて入る女子更衣室は、なんか不公平だった。

2人しか使わないのに、男子のそれより倍でかい。

ふざけんな。

匂いは感じないが、きっといい匂いがしてるんじゃなかろうか。

さてさて、では拝ませてもらいましょう。

神宮さんは、ロッカーの前に行き、俺に背を向けた。さっと上を脱ぐと、白いスポーツプラが目に入る。まわり込もうとしたが、さっと運動用のTシャツを着る。チッ、美しい背中しか見えなかった。残念だ。

そして、ミニスカートを着たまま、ジャージに足を通し、残念ながら着替え終わってしまった。


「どうしたの、ハル。

今日は随分急いで着替えるね」


つい神宮さんに夢中になっていたが、日野さんも居たんだった。

声のした方を見ると、ちょうど、Tシャツを捲り上げているところだった。

可愛い花柄のスポーツブラが目に飛び込んでくる。クソっ。ほとんど隠れている。谷間しか見えない。

ああ、谷間すら隠れてしまった。

そして、パッと日野さんも着替えてしまい、体育館へと出て行った。


後はもう、ひたすら体育が終わるのを見ていた。

今更ながら、1つ不思議というか、大学と高校の大きな違いを感じた。

俺が死んだことは知らされないんだな。

体育の教員にも、同じクラスの人にすらも。

一応、ごく少ない俺の友達の5人は、このクラスにいたんだけど。

彼らは、「あいつ連絡しても既読にならないんだけど」

「嘘、俺も連絡してみるわ」

「あっ、本当にダメだ」

などと、ちょっと授業を抜け出して俺に連絡してくれた。

どうやら、本当に友達でいてくれたようだ。

涙が出そうだけど、やっぱり涙は出ない。

そういうものなのかもな、幽霊って。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


もし楽しんでいただけましたら、評価、感想等をよろしくお願いいたします。

大変励みになり、執筆が捗りますので、是非お願いします。

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