私と風
冷たい風が私の背中を包み込む
私はこの風が嫌いだ
風は私を優しく包み込んでいるつもりなのかもしれないが、私にはとても痛い
トゲトゲとした風が私の背中を刺すからとても痛い
風なんてもういらない
吹かないでほしい
慰めになんかこないでほしい
胸が痛くなる
涙がでてくる
傷ついた私の心が温まるのが痛い
こんなに人がいるのにうずくまって、大粒の涙をボロボロと流しながら、わぁわぁと泣いてしまう
泣くわけにはいかない
今までもそのときも、泣かないよう頑張ってきたのに泣いてしまう
泣いてもいいんだよ
風がそんな事を言っているように聞こえてしまった
それは私の甘えだ
逃げ出したいからそんな風に聞こえてしまうんだ
私は歩いた
涙が出そうになってしまうのを堪えた
だけどそんな私を何回も何回も何回も……
風は包み込んでくれた
私はうずくまった
みっともない事だと分かっていた
だから今まで堪えてきたのに……
そして泣いた
ワンワンと泣いた
通りがかる人が訝しげな顔をしながら通り過ぎるが、気にせず泣いた
風はずっと私を包み込んだ
泣き止むまで
落ちつくまで
ずっとずっと
包み込んだ
ありがとう
そしてごめん
これからも迷惑をかけてしまうかもしれない
私はあなたに何にもしてあげられない
でも……
私あなたとずっと一緒にいたい
(*´ー`*)