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46 漢書からまる写しの継体帝即位

 継体元年(507年)二月四日 又、大伴の金村大連達がやって来た。そしてひざまづいて天子の印である鏡と剣をさし上げて位を受けることを懇願した。オオドノ君は詫びて言った。

「民を子として国を治めることは、重い事だ。自分には才がないから王として立てるに十分ではない。お願いであるから考慮して、もっと賢い人を選んでください。私は王にはなりません」と言う。大伴の大連は土に額をくっつけて「あなた様こそは王にふさわしい方です。是非ともおなり下さい」と言う。オオドの君は西の臣に向かって譲ること三回、南の臣に向かって譲る事三回であった。

 大連等は口々に説得する。「臣達が専心して政治にあたれば大王になられても民を子として国を治める事がかなうでありましょう。臣等が国家のために審議することをゆるがせにすることは決してありません。どうか皆の願いを入れる幸をお与え下さい」

 オオドの君は言う「大臣おおみ大連おおむらじ将相まえつきみ諸臣もろもろのおみ全てがこの到らぬ私を推している。私はもはや違わず受け入れよう」

 オオドの君は王が持つべき印(銅鏡、刀)を受け取った。つまり、この日オオドノ君は大王となられたのだ。


 ここまで書いてきた、日本書記による継体王の即位の事情であるが、この章に入ってからの記事は「漢書」文帝紀の文章を多少潤色してそっくり用いている。(岩波文庫。坂本太郎、家永三郎、井上光貞、大野晋、校注 日本書紀 記載。興味のある方は漢書原文が文庫巻末に記載されているので読んでいただきたい。ここでは余りにも難解になるので書きません)という。つまり、この記事全体がフィクションである可能性大である。ここにも日本書紀の編者の謎かけが示されている。つまり(これは嘘だよという、メッセージである)

 つまり筆者は、継体帝の即位のまつわる書記の記事に(信じなくてもいいよ)というメッセージを聴く

のである。

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