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185 滅亡に向かう任那

 更に百済王は述べた。「すれば卓淳とくじゅんの国はまた復興するであろう。私は日本からの兵士に、衣類・食糧をあてがおう。これが任那復興策の一であると、天皇に奏上するつもりだ。百済が南加羅(洛東江らくとうこう東岸沿い一帯の地と想定される・前記下韓と同じ)各所に郡令こおりのつかさ城主きのつかさを、置くことは、天皇に反逆らっての事ではなく朝貢の道を断つ事でもない。それは高句麗などの侵略や、様々の困難に備えてのことなのだ。およそ新羅などの凶党は、すぐ野合することを計る。高句麗は強く、我が百済は力弱い。もしも、百済が南加羅に郡領ぐんのつかさ城主しろのつかさを置かなかったら、高句麗や新羅の侵略を防ぐことはできないであろう。それゆえ、なお、施設は留め置いて新羅を攻め、任那を保たせるのだ。そうしなければ恐らくは滅ぼされて、天皇に仕えることはできなくなってしまうであろう。これが、はかりごとの二である。吉備の臣・河内のあたい移那斯えなし麻都まつらが、なお任那に滞在するならば天皇が任那を立て直せと命じようともできないに違いない。願うことは、この四人を移して、本国である百済に返すべきである。これが、はかりごとの三である。任那宮家の臣と任那諸国の王はともに使いを遣して、天皇に奏上して、理解あるお言葉をいただけるようにしなさい。」

 この言葉について任那宮家の臣と任那諸国の王は「聖明王の宣べられた、三つの策は、私どもの考えにかなうものです。今、任那に帰って、筆頭の的臣いくはのおみに申し、日本に使いを遣わして天皇に奏上致しましょう。これは誠に千載一遇の好機であり、熟慮して取りかかりましょう」と、言った。

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