23.ヒロイン攫われる!
こんにちは。只今どこかに閉じ込められてるリーリエです。
いえ、こんばんは、なのでしょうか。
今いるこの部屋には窓がないので、時間が分かりません。
辛うじて灯りは灯されているので、真っ暗闇というのは免れていますが…それをありがたいと思うほど、お人好しではありません。
なぜこんなことになったのでしょう。
この日は珍しく、リーリエは一人で行動してた。
「一人で大丈夫?着いて行こうか?」
心配するパトリシアに「学院内なのに大袈裟な」と笑って、先に生徒会室に行ってもらった。
放課後、先生に頼まれて、教室で使った資料を研究室に運んだのだ。
その後、渡り廊下を通って、生徒会室に向かっていたのだが、突然、後ろから腕が伸びて来て口元に何かが当てられた。
人の気配は感じなかったから、他の人がいるとは思っていなかった。
そこからの記憶が全くない。
気がついた時には、この部屋に寝転がされていたのだ。
ペラペラの赤いカーペットの上にどのくらい寝かされていたのしょう。とても身体が痛いです。
窓もなければ、家具もない。
なのに、ドアの鍵はあるなんて、何のための部屋なのでしょう。
考えたくありません。
右足首にはセンスの悪い太く黒い無骨な輪っかが付けられているけれど、手足を縛られてないだけマシなのでしょうか。
でも、この輪っかが魔法を使えなくするための物だと思えば、マシとは言えないかもしれません。
試しに魔法を使ってみましたが、やっぱり使えませんでした。
勿論、この輪っかは外すことができないようになっています。
今のところ、辺りは静かで、誰も部屋には入って来ていないので、誰が何のためにここに閉じ込めたのか、全く分かりません。
小説では、ヒロインっていうのはピンチに陥りやすく、ピンチに陥った時は必ずヒーローが助けに来てくれると相場が決まっています。
ざまぁされるヒロインはお断りしたいのですが、救いには来てもらいたいです。
とても悩ましいところです。
ふぅー
現実逃避している場合ではないわね。
とりあえず、現状を把握しないと。
リーリエちゃんが希少な聖属性持ちだから、誘拐されたのか。
まぁ、それ以外ないか。
リーリエちゃんは美少女だけど、聖属性の魔力があること以外はただの平民の女の子だ。
しかも、両親もいないんだから、お金目当ての誘拐とは思えない。
あの学院にはリーリエちゃんよりお金持ち子どもがわんさかいる。っていうか、全員がリーリエちゃんよりお金持ちだ。
貧乏なただの平民の女の子をあの魔法学院から攫うっていうのは手間に見合わない。
魔法学院は魔法で学院一帯に結界が張られていて、普段は関係者以外は入れない。
魔法も許可なく使うことができないようになっているらしい。
聞いたことはないけれど、あちこちに監視カメラ的な物もある気がする。
学院を守る警備の人たちもいて、巡回もしているし、万全な警備を敷いてるはず。
そうでなければ、護衛を連れていない王族、貴族の子どもを預かることはできないだろう。
と言うことは、学院関係者か学院関係者に許可された者に睡眠薬か何かを使って攫われたのか。
はぁー
大きなため息を吐くと、何もない壁を見つめた。
わたしがいないことに気づいてくれてるかな?
パトリシアはいつまで経っても生徒会室に来ないわたしを心配してくれていると思う。
今頃、レオナルドさんもわたしが行方不明なのを聞いてるだろう。
連れ去られてどれくらい経っているのか分からないけど、わたしが今いる場所を誰も知らないであろうことが問題だ。
いつ助けが来るか分からない。
それまでにどんな無体なことをされるか。
ブルっと身体が震える。
ガチャガチャガチャ
数人の足音がしたかと思うと、扉の前で止まり、鍵が開けられる音がした。
ゆっくりと開く扉を見て、ごくりと息を飲む。
扉の向こうから現れた人物を見て、目を見開いた。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!リーリエ、最大のピンチ……っ! 犯人に監禁されてしまい、一体どうなってしまうのでしょうか……!?──次回、本日夜20時10分の更新で、物語が劇的に動き出します。 リーリエを助けるために、あの人が……!?「リーリエを早く助けてあげて!」「続きが気になって夜まで待てない!」と思ってくださったら、ページ下部の【ブックマークに追加】や、星【☆☆☆☆☆】を★★★★★に染めてリーリエを応援していただけると、執筆の物凄いエネルギーになります!




