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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第2章 繋がる刃

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第11話 魔魂王

 5mほどある肉の巨人が現れた。


 すぐに鑑定を飛ばす。



【個体鑑定:魔魂王】

レベル:22

スキル:【精神汚染 Lv.5】 / 【憑依 Lv.5】 /

    【肉体強化 Lv.4】 / 【肉壁 Lv.4】 /

    【短距離転移 Lv.3】

状態:肉壁 弱点:魔力



 思わず息を呑む。


 レベル、スキルの全てが高い。

 弱点も魔力で厄介だ。


 怪物が口を開く。


『お主達のおかげで、無事、完全に乗っ取れた。感謝ついでに潰してやろう』


 大きな足を動かして、私を潰そうとしてくる。


 咄嗟に地面を蹴り、横に離れる。


 怪物が足を地面に叩きつけた。地震が起きたかのような揺れ。


 衝撃で、足元が少しふらついた。


 周囲には九尾ギルドの人たちが8名ほどいるが、動きが追いついていない。


 怪物がその人たちをチラッと見る。

 だが、興味を失ったように、こちらに向かってきた。

 

 まずは私を倒すことを決めたようだ。


「私が相手をするので、離れていてください」


「……っ! 分かった、救援を呼んでくるから無事でいろよ!」 


 一人離れていくのが見えた。


 他の九尾ギルドの人たちも、隠れてこちらを見ていた。


 しかし、怯えている。

 戦力になるか分からない。


 今、巨人は動きを止めている。

 その隙に思考を動かす。


 弱点が魔力だ。


 体内で動いている核。

 魔力の籠った攻撃で、それを壊さないと恐らく倒せない。


 私一人では、倒しきれる気がしない。


(……どうしよう?)


 考えたが、結論は一つだ。


 なら——耐える。


 そのうち、玉野さんが来るはずだ。


 少しでも時間を稼ぐため、巨人に話しかける。


「……向こうを追わなくてよかったんですか?」


 巨人は口を開く。


『あんな羽虫、いても変わらんよ。

 だが、お前は脅威だ。真っ先に潰す必要がある』


 拳が迫ってくる。


——速いっ


 横に避ける。


「ドォォォォォンッ!!」


 轟音と共に、壁に巨大な穴が開く。

 怪物が外に出てしまった。


 ……ヤバい。


 このままでは、外の人にも被害が出る可能性がある。

 工場に戻そう。


 私は巨人に一直線で向かう。


 巨体をナイフで斬った。硬いが、なんとか通る。


 こちらに注意を引きつけている。


 だが——

 ダメージを与えている気がしない。


 相対して、何度か切り刻んだが、すぐに肉壁が再生する。


 たまに、核にナイフが当たることもあったが素通りする。

 やはり、魔力の籠った攻撃が必要そうだ。


 膠着状態に陥り、数分経った頃。

 体感では、すでに何十分も経っている気がする。


 怪物の動きが止まった。


『貴様の動きが、俺より速いのは認めてやろう。

 だが、全く効いていないのだが?』

 

 効かない。

 それは、とっくに気づいている。

 それでも、ナイフを振るう。


 肉壁が再生する際、少しだけ動きが鈍くなっているからだ。


 雷遁を使うことも考えた。

 しかし、雷遁は2分しか持続しない。


 使い切ると、攻撃手段がなくなる。

 倒せずに疲弊したら、耐えられない。


 ……今は、まだ我慢だ。


 そう考えた直後、怪物がまた動き出した。


 私も跳躍し、斬りかかる。


 それが起きるのは、必然だったのかもしれない。

 ナイフを使い続け、劣化していた。


 肉壁にナイフが当たった瞬間。



——ナイフが砕けた



 ……えっ?



 一瞬、思考が止まる。

 だが、怪物は待ってくれない。


 武器を失った絶望的な隙を、魔魂王は見逃さない。

 空中で逃げ場を失った私に、岩のような拳が迫る。


 逃げられない。


 思わず、目を瞑る。

 痛みを覚悟し、奥歯を噛み締めたその時——。


「ドォォォォォンッ!!」


 怪物の巨体が真横に吹き飛び、轟音が響き渡る。


 その光景を呆然と眺めていると、ぶっきらぼうな声が聞こえてくる。


「……おい、動けるならさっさと動け。怪我はしてねぇだろ」


 視線を横に動かす。

 そこに立っていたのは、苛立ったように拳を振り下ろしている岸さんだった。


 少し遅れてやってきた玉野さんが、私の隣に並ぶ。


「報告を聞いて、真っ先に飛び出した癖に、相変わらずツンデレじゃのぅ。

 影殿、遅れてすまぬな。ワシも援護する。

 まだ動けるじゃろうか?」


 砕けたナイフをポーチに仕舞う。

 そして、私はポーチの奥にある、咲にもらった宝物を掴んだ。

 引き抜いた銀の刃が、私に『頑張れ』と言っている気がする。


 活力が湧いてくる。


「大丈夫です。前衛をするので、援護お願いします」


 ずっと一人で戦い続け、体は正直重い。


 でも、玉野さん達がきた。

 とても頼もしく思う。


 怪物が倒れた姿勢から、立ち上がるのが見える。


 まだ終わっていない。


 玉野さんと視線を合わせる。

 岸さんに背中を預ける。


 この仲間たちと一緒に、この怪物を終わらせる。



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