表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第2章 繋がる刃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/35

間話 下剋上 岡本操志視点

前書き


※本話は「岡本操志」視点の間話です。


※一部に暴力的な描写や、ダークな表現が含まれます。

 グロさはないですが、苦手な方はご注意ください。







——岡本操志視点——


 組の屋敷内。


 壁には、金文字の組名が書かれた掛け軸。

 対立組織から奪ったとされる品が飾られている。


 屋敷の中央に座っている男が口を開いた。


「てめぇらのような使い捨ての犬共は、さっさとゲートで麻薬や金塊を拾ってこい」


 組長は、俺らをシッシッと手で追い払う。


 俺は社会で成功するような、頭のいい奴じゃない。


 学生の頃から半グレで、ヤクザに入るのは当たり前の道だった。

 だが、この扱われ方はムカつく。


 組長を睨みつける。

 視界に、組長の座る椅子が入った。


 黒い高級革張りソファセット。

 組長が座る椅子だけがひときわ大きい。


 一人だけ贅沢三昧しているのがよく分かる。


(クソ、てめぇもいけよ)


 悪態をつきながら、屋敷の外に向かった。


 そんな俺にも、仲がいい奴はいる。


 学生時代からつるんでた山田だ。

 そいつと一緒に組に入った。


 屋敷から出ると、山田が声をかけてくる。


「アイツ、マジでウザいよな。

 力を手に入れたら、いつかぶっ潰してやろうぜ」


 俺も同意だ。


「俺もだ。あの顔を歪ませてやりたい」


 拳を合わせ、お互い笑う。




 ゲートに潜り、山田たちと分かれる。


 ゲート内は洞窟型だ。

 あちこちにスライムがいる。

 こいつらは、そんなに強くない。


 俺だけでスライムを狩っていく。


 多く持って帰らないと、怒鳴られるからな。

 別れた方が効率がいい。


 たまに、アイテムがドロップし、麻薬などをストックしていく。


 そんな生活を2週間ほど続ける。

 

 レベルが7にまで上がった。

 この調子でいけば、いつか下剋上ができるかもしれない。


 だが、もっと早く強くなりてぇ。


(どこかに都合の良い力とか落ちてねぇかなぁ……)


 そんなことを考えていると、頭に言葉が響いた。


『力を求めるものよ。奥に来るが良い。

 さすれば力を授けてやろう』


 何かに、奥へ呼ばれている気がする。


(……チカラァ? そんなもんがあんのなら、欲しいに決まってる)


 一瞬、奥に行くかどうか迷った。


 だが、何も無くても損はねぇ。

 行くだけならタダだ。


 とりあえず奥に向かった。



 ……。



 奥に進み、扉をくぐったが、何もいない。


 ……なんだ、誰もいねぇじゃん。


 少しガッカリしながら、その場を引き返した。



——体に、何か黒いものが入り込んだ気がしたが……気のせいだろう。



 道を引き返していると、なぜ奥に来たのか分からなくなった。


 ……俺、なんでここにいるんだ?


 呆然としながら、周囲を見回す。

 理由が思い出せない。


 突然、体の奥底から強烈な力が湧き出てきた。

 軽く体を動かす。


 軽い。


 速い。


 どうやって強くなったか、よく分からねぇ。


 だが、組長を潰すのも余裕そうだ。


「フハハ!」


 声が思わず漏れた。


 一瞬、「一緒に組長を潰そう」と言っていた、山田が頭に浮かんだ。


 仲が良いはずなのに、なぜか印象が薄くなった気がする。

 

 ……まぁどうでもいいか。


 一応、山田にも声をかけておく。


 これから潰しに行こう。



*******



 深夜。


 暗い通路の間で足を動かす。


 組長は、俺から必死に逃げている。

 やがて、体力が尽きたのか、地面に倒れ込む。

 その場で蹲り、懇願している。


 あんなに命令口調だったやつが、今は頭を地面につけて命乞いをしている。


「なぁ組長。あんた、今まで俺のことを『使い走りの犬』とか呼んでたよな?

 今どんな気分だ? 俺の靴を舐めそうな勢いじゃねぇか」


 お腹に蹴りを入れる。


 こんなことをされても、ただただ這いつくばってやがる。


 ……最高に良い気分だ。


 そろそろトドメを刺してやろう。


 手にしたナイフを組長に突き立てる。

 体がガクガクと揺れた。

 

 血の匂いが、妙に心地いい。


 短い痙攣のあと、静かになった。


 下剋上達成だ。


 ニヤリと笑う。


「これで、この組を俺らの自由にできるな!」


 同じ下っ端の連中が笑いながら話しかけてくる。


 そこで頭に何か響いた。

 『黒いもの——魔魂で死体を操れる』と言われた気がする。


 試しに、俺の腕から組長に魔魂を送る。

 すると、組長の死体だったものは動き出した。


 ……これは、いい力が手に入った。


 ヘッ、と笑い、辺りを見回す。


 さっきまで一緒に喜んでいた連中は、なぜか急に顔が青ざめていた。

 そして、怯えるような目で俺を見ている。


 ……なぜだ。


 山田もそこに紛れていた。


「これで俺たちの天下だぞ」と山田の肩を叩く。


 しかし山田は、「あ、あぁ……」というだけで顔が引き攣り、震えている。


 ……友人のくせに、なんでこんなに震えているんだ?



——その時、腕にいつの間にか刻まれていた紋様が、黒く蠢いた気がした。



 さらに、友人だったモノが、どうでもよくなった気がする。


 ……こいつも、処分するか?


 ジッとソイツを見つめる。


 目の前のモノが、さらに震え出した。


 ……まぁ、雑用係として置いといてやろう。


 俺はその場を離れていく。


 視界の隅で、友人だったモノが尻餅をつくのが映った。



*******



 SNSに文字を打ち込んでいく。


『夜になると工場で人魂のようなものが浮かび、それを取り込むと力を得ることができる』

 

 そんな情報を流す。


 我先にと体内に魔魂を取り込み始めるモノたち。


 今の世の中、力を欲しがっているモノは腐るほどいる。

 餌を撒けば、ハイエナのように群がる。


 笑いが止まらねぇな。


 自分から魔魂を取り込むバカな奴らめ。

 俺に命令権があるとも知らないで。



 他にも、麻薬を一部で配り、さらに求めさせる。

 麻薬が必要なら、ゲートに潜れと言って放り出す。

 そいつらは勝手にモンスターを狩り強くなる。



 そして戻ってきたら処分する。



 試しに麻薬中毒者だったモノに魔魂を送る。

 数は少ないが、通常の個体より強い。

 強化兵として良さそうだ。


 少しずつ兵が増えていく。


 まだ俺の兵は少ない。


 だが、いずれ、国をひっくり返すこともできるだろう。





——さぁ、俺に従え



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ