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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第2章 繋がる刃

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第4話 魔力

 玉野さんと松田さんが、話しながら歩いている。


 私はその後ろをついていく。

 別棟にある多目的訓練場に向かうらしい。


 歩きながら、玉野さんの情報を整理する。



【召喚 Lv.3】

 複数の魔獣を召喚できる。


【眷属置換 Lv.3】

 召喚した魔獣の位置を入れ替える。


【共有 Lv.2】

 魔獣と意思疎通をする。



 おそらくこのような感じだろう。


 スキルから察するに、玉野さんは明らかに後衛タイプだ。


 ただ——レベル13でスキルが4つ。


(多分私と同じでユニークジョブを持っている……よね?)


【炎狐招来】がその時に獲得したスキルだと思われる。


 意味は炎狐を呼ぶスキルだろうか? でも、それだと召喚と変わらない。

 詳細は分からないが、このスキルは警戒しておこう。


 油断はできない。


 そして、こちらの使うスキルも決めておく。

 念のため、全部のスキルは晒さない。


 気配遮断は使ってもいいだろう。


 物真似を使って、別のスキルが使えると思わせるのもありだ。

 

 ただし連携が必要なため、

 相手次第のスキルだということを模擬戦が終わった後に伝えておこう。


 影潜伏を今回は使わないでおく。


 そんなことを考えていると、玉野さんの足が扉の前で止まった。

 どうやら目的地に着いたようだ。


 中に入ると、広さがサッカーコートほどの広場があった。


 辺りに点在する大きな石。

 柱も所々にあり、崩れた市街地を思わせる。

 

 今はゲート崩壊を警戒し、市街地訓練として使っているらしい。


 戦う前にルールを決めておく。

 

 刃物はお互いに使わない。

 相手を殺傷しうる攻撃は禁止と決め、模擬戦を開始する。


 急に、玉野さんの頭の上に狐耳が生えてくる。

 ふわりと揺れる、白い狐耳。


 ……え?


 そんなスキルは、なかったはず。


 私が驚いている間に、玉野さんは私から離れていく。

 そして叫んだ。


「召喚!」


 狐3体が召喚される。

 狐は宙に浮いていた。


「ゆくのじゃ!」


 玉野さんは石の影に隠れ、狐に指示を出していた。


 狐が一斉に襲いかかってくる。


 私は動揺しながらも、狐に蹴りを放つ。


 ——しかし。


 足が、狐をすり抜けた。


 ……は?


 狐がこちらに爪を立ててくる。


 慌てて回避する。

 爪が横を通り過ぎた。


 狐との距離を空けて、鑑定を発動させる。


【魔獣鑑定:霊狐】

レベル:13

スキル:【狐火 Lv.3】

状態:物理無効 / 共有


(……これは、厄介だ)


 物理無効。

 現時点では対応できない。


 でも、ここで諦めるわけにはいかない。


 私は、物真似を発動する。


【物真似 Lv.2 発動】

模倣スキル:【召喚 Lv.3】

使用可能時間:7分


(……召喚)


 私の影から、黒い狼が2体現れた。


 漆黒の毛並み。

 赤く光る瞳。

 私と同じ、闇を纏ったような姿。


「……!」


 玉野さんが、驚いた顔をする。


「影殿も召喚できるのか!?」


 私の召喚した影狼が、霊狐2体と戦い始める。


 牙を剥き、爪を立てる。

 時には、影に潜むように避ける。


 ただ、影狼達はかなり押されている。

 でも、何とか持ちこたえている。


 7分以内に、決着をつけなければいけない。


 ならば——

 玉野さんを狙おう。


 私は、残り1体の霊狐から離れるように走り出す。


 柱で視線を遮り、【気配遮断】を発動。

 気配を殺し、私の居場所を撹乱する。


 玉野さんの背後を取れた。

 一気に背後から奇襲を仕掛けようとする。



 しかし——玉野さんが、目の前で消えた。



 代わりに、霊狐が現れる。


「……は?」


 思わず声が漏れた。

 だが、霊狐は待ってくれない。


 視界に火の玉。


 咄嗟に横に転がり、回避する。


 しかし——

 左腕を掠めた。


 ……あっつ!?


 ジンジンとした痛み。

 焦げついた臭いが鼻につく。


 だが、その間にも霊狐は動いている。


——っ!

 

 左腕が痛い。だが我慢だ。


 霊狐から距離を取っていく。

 

 また柱の影で、【気配遮断】を発動する。


 周囲を見回すと、二匹の影狼と霊狐は戦い続けている。

 影狼たちはギリギリで踏ん張っていた。


(玉野さんはどこだ?)


 神経を研ぎ澄まし、音に意識を集中する。


 石の後ろで何か音がした。霊狐が元々いたはずの場所。

 よく見ると、玉野さんが石の影にいた。

 

 ……眷属置換! 本人もできるのか!


 召喚できる時間は、残り2分しかない。


 奇襲を察知された原因は、匂いか何かを共有されたと判断。


 時間がない。

 すぐに動く。


 霊狐の居場所は把握しておく。


 また、玉野さんの背後を取り、奇襲を仕掛ける——


——フリをする。


 次の瞬間。


 目の前に霊狐が突如現れる。


 しかし、すぐにバックステップし、一体だけ霊狐が離れていた場所に走り出す。

 この方向に玉野さんがいるはずだ。


 慌てて霊狐が追ってくる。

 だが——届かない。



——私の方が、速い。



 スキルは基本、クールタイムがある。

 今なら、まだ霊狐と場所を交換できないはずだ。


 一気に、玉野さんとの距離を詰める。


 そして、玉野さんの目の前で——拳を「ピタッ」と止めた。


 玉野さんの顔が引き攣っている。

 今度は位置を交換できないみたいだ。


「……降参じゃ」


 玉野さんは両手をあげた。

 その瞬間、影狼が光の粒子となって消えていく。


 物真似の効果が切れたようだ。



*******



「ワシ、今まで負けたことはなかったのじゃが……お主、本当に強いのぉ」


 玉野さんの狐耳が垂れている。


 かなり悔しそうだ。


『玉野さんも本当に強かったです。

 召喚した狐がすり抜けたり、急に目の前から消えたりで焦りました。これからは連携をするので、とても心強いです』


「ウム……ワシもじゃ。これからよろしく頼む」


 玉野さんは右腕を差し出してくる。私も右腕を差し出し、握手を交わした。


 一度ギルドで保管していた回復薬を使わせてもらい、私の火傷を治す。


 その後は、お互い気になったことを質問し合った。


 召喚スキルを私も持ってるか、などを質問された。


『持っていません。

 さきほどのは物真似というスキルで、一時的にコピーしただけです』


「……ほう、それは面白いスキルじゃな」


 玉野さんは興味深そうに頷いた。


『ただ、コピーできる時間は短いです。

 相手に左右されるので、連携ではあまり使えないと思います』


「ふむ……なるほどのぉ。それは考慮しておくのじゃ」


 私も気になっていた、玉野さんの耳のことを質問した。


 聞いてみると、【獣化】という称号があるらしい。


(……私の【闇纏い】と同じ、称号か)


 鑑定では見えない特殊なスキルがある。

 それは覚えておこう。


 他にもすり抜け対策などを教えてもらった。


 魔力を使った攻撃の場合、物理無効があっても効くらしい。


「スキルの詳細で『魔力を使う』とあるから、それを参考にすればよい」


 そのようなアドバイスをもらう。


 ……今回が実戦ではなくてよかった。


 物理無効の存在は元々警戒していた。

 今後、物理無効の敵が出ないとは限らない。


 魔力を使ったスキルを取ろう。

 そう決めた。


「また会おうぞ、影殿」


 ビル前で玉野さんが、手を振ってくれた。

 私も小さく手を振り返し、玉野さんから離れていく。


 玉野さんと別れた後に、松田さんが話しかけてきた。


「玉野さんはいかがでしたか?」


 ……玉野さんか。


「強かったです。それに……とてもいい人でした」


「そう言っていただき安心しました……それならよかったです」


 松田さんは笑みを浮かべた。




 松田さんの車で家まで送ってもらう。

 そのまま松田さんと別れ、家の中に入った。


 今日は、濃い1日だった。

 ベッドに腰掛け、そう思う。


 ……でも、いい人たちだったな。


 口元を緩める。


 布団を被り、そのまま眠った。


 久しぶりに、いい夢を見た気がした。


 





後書き


 ここまで読んでくださり、ありがとうございます!


 次回は『魔力』を扱うスキル選択……?


 続きが気になったらぜひ、ブクマやページ下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価していただけると、とても嬉しいです!

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