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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
第2章 繋がる刃

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第3話 九尾ギルド

 夜、19時頃。

 

 車で探索者ギルドに向かう。


 その道中、傘下ギルドの話を聞いた。

 薬師ギルドでは、アイテムドロップ品を研究・解析しているらしい。


 松田さんは解析する際の興味深い内容も教えてくれた。


「アイテムのドロップは、人の欲望に関係するらしいです」


「……欲望?」


「はい。最近だと、お金が欲しい人には金塊や魔石が。

 力が欲しい人には武器や、回復薬などが主に報告されています」


 以前、上級回復薬(ハイ・ポーション)が出たことを思い出す。

 あの時は、確かに、力を一番に求めていた。


 今度、検証してみよう。


「つまり、自分の欲しいものが出やすい、ということですか?」


「その通りです。

 一つ加えると、ステータスの『運』が高いほど出やすいと言われています。

 ただし、欲望が強すぎると……」


 松田さんは、言葉を濁した。


「なにか悪いものが、出ると?」


「……相沢様にも関わる事なので伝えておきます」


 松田さんは一呼吸置く。


「あまり広めたい情報ではないのですが……一部で、依存性の高い麻薬などのドロップも報告されています。

 一時的なステータス上昇の錠剤なども報告がありますが……万が一ということもあります。

 判別がつかない物が出た場合は、こちらで解析させていただきますので、いつでも報告してください」


 ……そういう危険なものも落ちるのか。


 ゲートに何度も潜っていても、知らないことはまだ多い。

 そう認識して、気持ちを引き締めた。


 また、探索者ギルドの代表がどんな人物か、松田さんが軽く教えてくれた。


「悪い人ではないです。

 むしろ、ギルドに入る前も、率先して一般人の救助にあたるなど素晴らしい対応をされていました。

 ただ、その分かなり個性的な人物ですが……いえ、なんでもありません」


 ……個性的ってなんだろう。


 脳裏に、なぜか満面の笑みでサムズアップを決める重村代表が浮かんだ。


 色々と会話しているうちに、目的地に近づいてきたようだ。


 影を車の中で纏っていいか尋ねると、「大丈夫です」と言われた。

 赤信号で車が止まったタイミングで纏う。


 松田さんは目線をこちらに向け、唖然としていた。


「……以前にも拝見しましたが、実際に見ると、印象が凄まじく変貌しますね。

 相沢様を知っている方でも、その姿を見て同一人物とは、まず気づけないでしょう」


「気づかれない方がいいので、松田さんにそう言ってもらえて良かったです」


 その場所から少しだけ移動し、車がビル近くの駐車場で止まる。


 目的地に着いたようだ。


 松田さんに案内され、高層のビルの中に入っていった。



*******


 ビルの一階。


 受付嬢が、こちらをギョッとした視線を向ける。

 ……いつものことだ。


 悲鳴を上げそうになっていたが、松田さんが慌てて受付の方と話してくれた。

 一応話は通っていたようで、すぐに対応してくれた。


 3階の応接室に向かい、部屋の中に入る。


 品の良い調度品が磨かれて飾ってある。

 生き生きとした観葉植物も飾ってあり、落ち着いた雰囲気だ。

 社長室でも見たような、高級そうな黒いソファもある。



 そして——身長が130cm程の小学生に見える女の子?が着物を着て、ソファに座って待っていた。


 背後には、その人物と同じ姿の銅像が、なぜか置かれている。



 ……色々と場違い感がすごい。



(……銅像? なんで?)


 疑問が浮かぶが、聞くべきか迷う。


 偉い人はみんな、どこかのネジが外れているのだろうか。


 松田さんを見ると、分かりますと言うように頷いてくれた。


 女の子?はこちらを見て挨拶してくる。


「ウム。よく来てくれたの。

 ワシが九尾ギルド代表、玉野舞じゃ。

 重村殿から話は聞いておる。

 影殿に会えるのを楽しみに待っておったぞ!」 


 ……のじゃロリって本当にいるんだ。


 そんな事を一瞬考えたが、頭を横に振り、思考をリセットする。


 とりあえず実力を知りたい。


 すぐに、鑑定を飛ばす。



【人物鑑定:玉野舞】

種族:人間 レベル:13

スキル:【召喚 Lv.3】 / 【眷属置換 Lv.3】

    【共有 Lv.2】 / 【炎狐招来 Lv.2】

状態:正常 



 ……かなり強い。 

 今まで見てきた人の中で一番のレベルだ。


 返事をするために、ポーチから紙とペンを取り出す。

 筆談用に用意してもらったものだ。


『初めまして、影とでも呼んでください。

 こちらで今後の連携について話すと聞いていましたが、別の方もいなくて大丈夫ですか?』


 玉野さんは紙を受け取ると、少し考えるように頷いた。


「他の者は今、別のゲートに向かっておる。

 今日は影殿と、ワシだけで話を進めるのじゃ」


 そう言って、ソファを勧めてくる。


 座ると、玉野さんは真剣な顔になった。


「色々と話は聞いておる。

 影殿は、一人で多くのゲートを対応してきたとか。

 ワシらと連携し、より多くの人を救いたいと」


 ゲートから溢れたモンスターを思い出す。


 紙に書く。


『はい。一人では限界があります。

 情報を共有し、効率的にゲートに対応したいです』


「ウム、良い心がけじゃ。

 ワシも、影殿のような強者と組めるのは心強い」


 しかし、玉野さんは不思議そうな顔をする。


「一つ、影殿に問いたい。何故一人で戦っているのじゃ?

 ギルドに入り、周りと共に戦えば、より戦いやすくなると思うが?」 


 少し考えて紙に書く。


『一人の方が、周りに危険が及ばないからです』


 紙をじっくり見た後に、返事を返される。


「……ふむ。ワシは逆だと思うがの。

 守りたい仲間がおるから、強くなれると思っておる」


 ……仲間か。


 以前に、家族や咲に力をもらったことがある。

 その言葉を否定はできない。


 でも、私は失うことの方が怖い。


 どう返事をするか迷っていると、玉野さんが言葉を続けた。


「これは、あくまでワシの価値観じゃ。

 お主の価値観を否定するつもりはない」


 その後、玉野さんは少し前のめりになる。

 そして、ニヤリと笑った。


「ところで、影殿はどれほどの実力なのじゃ?

 ワシも、ギルドの代表として、確認しておきたいのじゃが」


 ……実力の確認。


 連携をするなら、それは必須だろう。

 私も、玉野さんがどれくらい強いか気になる。


『場所がありそうなら模擬戦をしますか?』


「おお! 流石影殿、話が早いのじゃ!

 では早速、施設にある訓練場に行くとしよう」


 玉野さんは嬉しそうに立ち上がり、移動する。


 そのまま、玉野さんの後ろをついていった。


 廊下を歩きながら、私は思う。


 ……玉野さん、どれくらい強いんだろう。


 フッと表情が緩む。


 少し楽しみだ。






後書き

 

 これにて本日の更新分は終了です。

 お付き合いいただき、ありがとうございました!


 玉野さんの背後にある謎の銅像、そしてなぜ彼女が「のじゃロリ」になったのか……。

 その衝撃(?)の舞台裏を、別公開の短編にまとめています。


 本編をより深く、そして楽しく(?)読み解くヒントになるかもしれません。


 ▼ 玉野舞のルーツに迫る短編はこちら!



『のじゃロリ爆誕 〜130cmの逆襲〜』


 https://ncode.syosetu.com/n1199lx/



 次回はついに模擬戦がスタート。

 実力者同士、一体どんな激突になるのか……。


 どうぞお楽しみに!✨


 


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