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【ゲート×ソロ成長】孤独な少女は、影を纏い最強へ 〜日常の底で、刃は静かに成長する〜  作者: ショーナ・レーベン
間章 動き出す世界

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俺たち最強! 天童視点

※本話には一部、残酷な描写が含まれます。

 グロさはありませんが、苦手な方はご注意ください。

 ——天童視点——


 最初は、マジで楽勝だった。


 たまに、一人で入ってる隠キャっぽいのを見かけた。 


 複数に囲まれて苦戦してたので助けてやったりもした。


「あ、ありがと……」


「いいってことよ。 ただ俺らが苦戦してるの見かけたら手伝ってくれよ〜?」


 カッコつけてそんな事を言った。

 コソコソと隠れながら少しずつ倒してるのを見て正直、バカにしてた。

 ボッチは大変だなって。


 俺ら、四人パーティ。 

 ジョブの相性も良い。 俺と雅が剣士、司がアーチャー、明美が魔法使いだ。 


 ゲートが危険とか言われてたけど、

 俺らなら大丈夫だろって。


 根拠もなくそう思ってたんだ。


 司は少し心配性だ。


「天童、これ危なくない?」

「いや、全然。ゴブリン弱すぎだろ」


 モンスター倒したら、

 ステータスとか出てきてさ。


「うわ、俺レベル上がったんやけど」

「私、水魔法覚えたよ〜」


 雅と明美が楽しそうに話している。

 パーティの雰囲気も最高だ。


 しかも、敵を倒すと消えて、金になる物が落ちる。 ゲームで稼ぎもできる。


 最高のMMORPGだろってテンション爆上がりしてた。


 もっと稼ぎたいし、奥に行きたい。


「なあ、もっと奥行かね? レベル上げて一気に大量に狩ろうぜ?」


 全員、同意して奥に進んだ。



*******



『力を見るな、行いを見よ』  

『それは、意志か……それとも、仕組みか』

『見抜けぬ者は、同じ一撃に倒れる』


 途中で太古のものっぽい石碑を見かけた。

 MMOとかで良くあるものだ。


 雰囲気あるオブジェもあって良くできてんな〜と感心してた。

 

「……なぁ、天童。これ警告じゃないか?」 

「司は相変わらずだなぁ。太古のものっぽいし雰囲気造りだろ」


 返事を返すと雅と明美も同意する。


「太古の人が書いたポエムやんw」

「よく出来てるわね〜」

 

 結局さらに奥に進むことを決めた。


 奥に進んだが、敵も簡単に倒せて、みんなレベルがさらに上がった。


「余裕余裕」


 俺らの方が、明らかに強い。


 だから——


「レベルも上がったし、まとめて倒した方が効率よくね?」

「大量に囲まれても平気やろ、さっきより強くなったし」

「スキルもあるし、私もさんせー」

「……」


 司だけは少し足が重そうだった。



 この時、もっと警戒すべきだった。

 俺は完全に調子に乗っていたんだ。



*******



 最初に違和感を覚えたのは、司だった。


「……なんか変じゃない?」


 ゴブリン。

 その後ろ。

 さらに、その奥。

 何故か妙にまとまって動いている。


「まあまあ、経験値増えてラッキーやん」


 笑いながら雅が言った。


 とりあえず処理をするため、ナイフで切る。


 でも——



 さっきより硬い。



「……は?」


 一撃で倒れない。


 二撃。

 三撃。


「なあ、前よりなんか強くね?」


 返事がない。

 気づいた時にはさらに敵が増えている。


 逃げ道を、潰される。 

 連携を、引き剥がされる。


——おかしい。知能のない化け物の動きじゃない。


 それは一個の巨大な生物のように、

 俺たちを追い詰めていく。


「……おい、これさ」


 言い終わる前に、雅が叫んだ。


「やばい! 援護が間に合わへん!」


 数が、減らない。


 倒しても。

 倒しても。



——増え続けている。



「逃げよう!」


 司が咄嗟に言う。


 でも、もう遅かった。


 辺りを見回す限り大量に集まっている。

 逃げ道が完全に、塞がれてる。


「出口どこよ!?」 

「見えんわ! 全部ゴブリンのツラや!」 


 息が、荒くなる。 レベル差で押せると思ってた。 まとめて狩れば、効率が良いと思ってた。


 全部、間違いだった。


 現実はゲームじゃない。 スタミナには限界があり、囲まれればスキルを発動する隙さえ奪われる。


 一匹、また一匹と対処する度に、鉛のように身体が重くなる。



*******



 最初に倒れたのは皮肉にも司だった。


「やっぱり警戒すべきだったんだ!」

 

 絶叫と共に、緑の群れに飲み込まれていく。


 明美の悲鳴が聞こえ、雅が狂ったように剣を振るう音がした。


 どうすればいいか何も分からない。


 ただ——


(司のことをバカにしてた、ビビりすぎって……)


(お前の言う通りだ、もっと耳を貸すべきだった)


 そう思った瞬間。


 背後から、頭に鈍い衝撃が走った。

 視界が、真っ赤に染まる。


 意識がどんどん消えていく。

 走馬灯のように、色んな記憶が流れる。



……明美に告白しておけばよかったなぁ。



 そんな、今の状況には関係ない事が頭に浮かぶ。


 最後にそれだけを思って。

 目の前が真っ暗になった。


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