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狂人

 バイトを終え、家に帰った私は部屋に移動してベットの上に倒れた。


『君も僕と同じ狂人だろう?』


 私の頭の中で、狂狼さんの言葉がリプレイする。


『楽しかったんだろう?面白かったんだろう?』


 人が狂ったのを見て、楽しいと思ってしまった。

 人が狂ったのを見て、面白いと思ってしまった。


『君も心の中で人を狂わせたいと思っている。そうだろう?』


 否定ができなかった。

 狂狼さんの言葉は正しいと思っている自分がいる。


『正直に生きよう。君は……人を狂わせていいんだ』


 ああ、狂わせたい。

 人の人生を狂わせたい。

 私の中に、もう一人の自分が生まれた気分。


『さぁ……一緒に狂おうか♡』


 ああ、忘れられない。

 狂狼さんの悪魔のような笑顔を。

 人を狂わすような優しい声を。


「狂いたい……私も。狂いたい」


 その言葉を口から漏らした瞬間、私は胸の中にあった黒い衝動を抑えることができなかった。

 私はベットから起き上がり、椅子に座って、ノートパソコンを開く。

 そして新たな曲を作り始める。

 多くの人に狂ってほしい。

 そう思うと曲や歌のアイデアが止まらなかった。

 カタカタとキーボードを叩きながら、曲を作っていく。

 そして曲を完成したら、次は歌詞を作る。

 歌詞が完成したら、動画撮影をした。

 歌いながら、踊る。


「~♪」


 私は歌いながら、踊りながら願う。

 どうか狂って。

 この曲や歌を聞いた人の人生が狂ってくれますように。

 この踊りを見た人が、今までの生活ができませんように。

 狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って、狂って。


 狂い壊れろ。


「アハハ!」


 多くの人が狂う姿を想像した私が、楽しいという感情が溢れ出して、笑いが止まらなかった。


<><><><>


 どれくらい歌とダンスをしたのだろう。

 動画を終え、ネットに投稿した時には外は太陽が昇っていた。

 どうやら徹夜でやってたみたい。

 だけど、


「いいのは作れた」


 動画サイトにアップした私の歌とダンスは最高以上のものだった。


「ふぁ~。やっぱり、急に眠気が」


 流石に徹夜で頑張ったせいか、眠くて死にそう。

 私はベットの上に倒れ、ゆっくりと瞼を閉じる。


「今日はバイトも学校も休み出し……ゆっくり…ね…よ…う」


 そして意識を手放した。

 読んでくれてありがとうございます。

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