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魅了6

「残念です、幸村警視総監」

「私たちの女に手を出したのは……本当のようですね」


 血を流し、倒れている幸村。

 そんな彼を冷たい目で二人の男は見下ろす。


「あの美しい女は渡しません」

「あなたを殺せば、姫崎カオルは私たちのものになる」


 幸村は痛みで顔を歪めながら、二人の男を睨む。


「ふざ……けるなよ」


 血を流しながら、幸村はゆっくりと立ち上がった。


「あの女は……私のものだ!」


 瞳を真っ黒に染めた幸村は拳銃を構え、引き金を引いた。

 銃声が何度も鳴り響き、地面を血で赤く染める。


<><><><>


 血を流し、ただの死体と化した三人の男。

 そんな男達にカツンカツンと足音を立てながら、一人の女性が近づく。


「ようやく……死んでくれたのね」


 女性—――姫崎カオルは笑う。


「アハ、アハハハハハハハハ!」


 男達を見下ろしながら、狂ったように姫崎は笑い続けた。


「私の恋人を……カイくんを殺したあなた達を殺すために!私はあなた達に近付いた!」


 死体と化した幸村の頭を強く蹴る。


「殺意を押し殺し、あなた達と話をした!吐き気がした!」


 何度も何度も姫崎カオルは幸村の頭を蹴る。

 殺意と怒りで歪めていた彼女はまるで怪物。


「あなた達に抱かれた時は最悪だった!でも……もういい。あなた達に復讐ができて、本当に良かった」


 男達を魅了し、殺し合いをさせた魔女は笑みを浮かべた。

 復讐を果たした彼女は今まで感じたことがない幸福感と開放感を感じる。


「これで私の復讐はもう終わり」


 瞳から一筋の涙を流した姫崎は床に落ちていた拳銃を拾い、銃口を自分の頭に押し当てる。


「今……そっちに行くからね、カイくん」


 ゆっくりと目を閉じた姫崎は、静かに引き金を引いた。

 銃声が鳴り響き、血の花が咲く。

 頭を撃ち抜いた姫崎はゆっくりと倒れ、地面を赤く染めた。

 窓から差し込む月の光に照らされる魅了の魔女。

 彼女は安らかな顔で微笑んでいた。

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