魅了3
姫崎カオルのことを忘れることができなかった幸村は、仕事を終えた後、彼女がいるバーに向かう。
「あら?また会ったわね」
優しく微笑むカオルを見て、幸村は鼓動が早くなるのを感じた。
まるでアルコール度数が高いお酒を飲んだように、彼は顔を赤くする。
「さぁ……一緒にお酒を飲みながら話しましょう」
幸村は抗えなかった。
姫崎カオルの魅了の魔力に。
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それから幸村は仕事を終えた後、毎日のようにバーで姫崎と出会い、お酒を飲みながら話をした。
彼女との会話が楽しいあまり、幸村は夢の中にいる気分になる。
姫崎カオルともっと話したい。
姫崎カオルともっと一緒にいたい。
幸村の中で彼女は妻と娘とは別の意味で重要な存在になりつつある。
そんなある日、
「ねぇ……ホテルに行かない?」
姫崎カオルの口からそんな言葉が出てきた。
「な……なにを言っているんだい?」
口では平静を装っているが、幸村は心の中で激しく驚いていた。
「イヤ?」
「いや……それは……」
「イヤならいいわ」
「……いや、行こう」
幸村は断ることができなかった。
家族がいるとわかっていながら。
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近くのラブホテルに入った幸村は姫崎カオルと共に部屋にやってきた。
(今ならまだ間に合う。引き返せる)
自分には愛する妻と娘がいる。
彼女達を裏切れない。
そう思った幸村が口を動かそうとした。
その時、姫崎は彼の胸に手を当てて、彼の耳で囁く。
「私を……たくさん食べて」
その言葉を聞いた瞬間、幸村の中でなにかが切れた。
彼は喰らいつくすように姫崎カオルの唇に強引にキスをする。
そしてベットに彼女を押し倒し、貪るように幸村は抱いた。
姫崎カオルという魅了の魔女を。




