第二十三話 本番直前
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ライブ当日、僕たちは神戸の小さなライブ会場にきていた。
シオンさんとコムさんは身重の為来られず、お店の方も今日は閉めとこうと思ったが、クロちゃんが一人で見てくれることになり任せることにした。
「ああ、ダメだ!やっぱり緊張してきたー!」
「なんでムンちゃんが緊張してんのよ!?あなた今回出番ないでしょ!」
「だって、アルンちゃん初めてだし、ぶっつけ本番ですよ!?」
「なにオドオドしてんのよ。またアレやってあげようかしら?」
「ア、アレはやめてください!絶対ダメですよ!」
小さな楽屋に、参加を予定している各グループは入りきらず廊下にまではみ出ていた。
ライブに参加する乙男女じぇねれーしょんの4人は廊下の隅っこの方で待機することになった。
僕たち男性組3人はライブ開始前の内に4人に話しかけようと思い楽屋の辺りを見回した。
「あ、いたいた」
「あ、タオさんたち!」アオが最初に僕たちに気付いた。
「どう調子の方は?」
「はい、リラックスしていていつも通りできそうです」
「あなたはいつも堂々としてるわね。頼りがいがあって助かるわ。アルンちゃんも調子はどう?」
「うん、大丈夫だよ。ミトちゃんとの連携も大分息が整うようになったしね」
「うん。アルンとだったら他の人達に負ける気がしないよ。ここにいる全員血祭りにして我が邪炎のグラディウスの養分にしてくれようぞ」
「そ、それはちょっと困るけど……でもやる気は十分そうね。優勝したらお菓子いっぱい買ってあげるからね」
「っしゃーー!」
相変わらず二人のモチベーションはお菓子で保たれている。
「紅ちゃんも気合入ってるわね」
「当たり前じゃない!もう煮え湯をのまされるのは今日で最後よ!」
僕もルカさんも参加できないが、この様子だと4人だけでも問題なさそうだ。
見渡すと様々なアイドルグループがひしめき合っていたが、以前のワクワク神戸アイドルフェスに参加していたグループ達とは衣装や雰囲気から全く本気度が違っていた。
その中でも取り分けオーラが違う一組がいた。
|SixStar COYOTEZというグループだ。
各メンバーの可愛さのレベル、滲み出るオーラ、そして亀戸が付けそうなネーミング。
間違いなく彼女たちが、伊砂玲於那が言っていた姉妹グループに違いなかった。
「ムンちゃん、わかる?きっとあの子達よ」
「ええ、他のグループを圧倒してますね」
「今日4人だけで対抗できるかしら?」
「きっと大丈夫ですよ。信じていきましょう」
「そうね、じゃあそろそろ私たちは観客席の方にいこうかしら」
僕たちは4人に励ましの声をかけ楽屋を後にした。
観客席の袖の方で、タオさんとルカさんと3人で待機していると3人組の女性に声をかけられた。
「こんにちは」
「こ、こんにち……あ!伊砂れ」
帽子とマスク、それに黒縁眼鏡のせいで一瞬誰かわからなかったが、その様相からでも滲み出るオーラで伊砂玲於奈那とわかった。
「しー……大きな声出さないで」
「す、すみません」
僕は慌てて口を塞いだ。
そして隣の二人も見覚えがある。
「あ、あの……もしかしてお連れの二人って……」
「はじめまして、Ultimate STARZのリーダー、牡羊座の播磨彩依里です」
「はじめまして、同じくUltimate STARZのメンバー射手座の川嶋麗代です」
まさかのUltimate STARZのメンバーが3人も来ていた。
しかもリーダーの播磨彩依里と、美の暴力とさえ言われる川嶋麗代の二人も引き連れている。
「な、なんでアルスタのメンバー3人がこんなとこに!?」
「今日は私たちの妹分になるかもしれない人達の初舞台ですよ?それに本当の妹の美橙那も出場しますし」
伊砂玲於那のあとに牡羊座の彩依里の言葉も続く。
「ボクたち3人はアルスタの中で炎のエレメントとして3人でユニットを組んでいて、プライベートでもよく一緒に行動することが多いんです」
そして射手座の麗代も続いた。
「それで私たち3人が代表して、今日ここに来たんです。さすがに12人で来るのは目立ちすぎますから」
確かに、敢えて地味な恰好を着ていてもこれだけのオーラを放ってるのに、こんな化け物クラスの美女が12人も揃ったら、会場はパニックになるかもしれない。
改めてこのグループの凄さを実感した。
「なるほど。じゃああたしたち乙男女じぇねれーしょんのことも知ってくれているのかしら?」
「もちろん、二人にも話してます。今日のライブの『ライバル最有力候補』として」
「あら、アルスタのエースの玲於那さんから、そんな言葉を頂けるなんて光栄ね」
「あ、もうすぐ開演の時間ですね。今日は亀戸も来るはずです。もちろん公平を期すため、審査には参加しません。飽くまでも特別ゲストとして登場するだけですのでご安心を」
そう言い残してアルスタの3人は後ろの方に移動していった。
そして皆様々な思いを抱えながら、ライブは開演の時を迎えた。
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