真実?
まだ町はざわついていない。
キサラギが死んだことが公になっていないからだろう。
...何故キサラギは死んだのだろう。
リウムの片思いではあったが、キサラギの性格だから優しくはされていた筈。
一人一人の性格、考え、心情等それを大切にする奴だ。
恨まれるようなことと言えば、一体なんだろうな。
優しすぎる性格が故に何かトラブルがあったのだろう。
リウムの好きな砂糖菓子は買った。
あとはどう謝るか...
俺にだって友人はいた。
俺から縁を切ったんだ。
家族の事は思い出したくない。
「はあ...」
「おっ!リエル!」
「...誰?」
どこもかしこもピアスを着けた人間と交流した覚えはない。
それに加え、何故俺の名前を知っているのか。
「忘れたのか?カラムだ!」
カラム...?
そういやそんな奴がいたな。
「カラムか。あー...」
カラムは怪訝そうな顔をした。
「なんだその態度は!!」
カラムは苦手だった。たしか最初の方に縁を切った。
「俺、お前に聞きたいことがある!」
「お前と話をする気はない。」
一刻も早くこの場を去りたい。
「いいから聞けって!」
こいつには何を言っても通じないな。諦めるか。
「手短に言え。」
「ああ。リエル、お前さ、キサラギを殺しただろ?」