突然のしらせ
ある日の事だった。
ドタバタと、大きな足音を立てながらリウムが走ってきた。
「はぁ...はぁ...」
いつもの事なのでほおっておこうと思った。
「なんだ?またナンパに失敗したのか?」
茶化すようにいいながらリウムの顔を見た。
俺は驚いた。
いつも阿呆みたいな顔をして行動の殆どが幼稚。
最近13になった筈。
そんなリウムがとても深刻そうな顔をしていた。
今回ばかりはいつもの阿呆な事ではないみたいだ。
「リウム...?どうした?」
いつも阿呆な妹だが、何か大変なことがあったなら、聞くべきだろう。
これは兄としての努めだ。
目に涙を浮かべながらリウムはこちらをじっと見つめた。
「......何かあったのはわかった。取り敢えずその何かを教えてくれ。」
リウムの唇が震えている。
今回は相当だ。
「深呼吸して、少しずつでいいから...」
か細い声でリウムは言葉を紡いでいった。
「あのね...キサラギさんが...」
キサラギ...?たしか、リウムが好きな人だった筈。
「キサラギさんが...死んじゃったの...」
「は?」
つい阿呆みたいな声が漏れた。
「キサラギさんが死んじゃったのっ!!!!!」