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日常
いつも平穏で代わり映えのない日々。
この平和さが、俺にとって辛くもあり、大切なものである。
矛盾している。
何言ってるんだ俺。
「にいに~あそぼ~」
まぁ、こんな日常に慣れちまったからこういうふうに考えるのだろうか...
いや、本当に何言ってるんだ俺。
「エル兄ー。ご飯食べたいんだけど。」
「は?」
「そんな顔しないでさ、ご飯つくってよ。」
そんな顔、とは。
いつもどおりの顔なはずなんだが。
「今俺はイレンと遊んでんだ。邪魔すんな。飯くらい自分でつくれ。」
リウムは膨れっ面になり、拳を握り始めていた。
「...奥の棚の砂糖菓子食っていいぞ。」
その言葉を聞いて、リウムは目を輝かせた。
...と、思ったら、いつの間にか、消えていた。
奥の棚を漁るおとが聞こえる。
「いつの間に...」
「にいに?遊んで。」
イレンが不安そうに俺の顔を見つめる。
「あ、ああ。わかった。」
安寧、か。
ふと考えるときがある。
それはいったい幸せなのか。