6話
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「飲み物何か飲むか?」
今俺と美琴は、中庭にある自販機の前にいた。
「私は、お茶を持っているので大丈夫ですよ」
「そうか」
俺は自販機をポチッと押してコーラ・コーヒーというものを買った。
その買った飲み物を見た美琴は、それって美味しいのですか?と聞かれた俺は、俺以外飲んでいるのを見たことないと答えた。
そして、俺は辺りを見渡し空いている近くのベンチに指を指した。
「じゃあ、あそこのベンチで食べるか」
「はい!」
美琴が元気よく返事をして、ベンチに向かった。
お互いベンチに座り、弁当箱を開けると美琴が興味津々に俺のお弁当箱を覗いてきた。
「このお弁当って先輩が作っているのですか?」
「いや、俺は料理からっきしだからな、親が作ってるよ。美琴は?」
「私は自分で作ってますよ」
「すごいな」
美琴の弁当はというと、とても女の子らしい小さいお弁当であった。栄養バランス、見た目の彩りが完璧なお弁当である。
男の俺から見たら、成長期なのにそれだけで足りるのかと少し不安になるような量だが、美琴は小柄なためちょうど良いのかもしれない。
そんな風に、美琴の美味しそうなお弁当を覗いていると美琴が顔をお少し赤くさせながら、もじもじしだした。
「よ、良かったら食べて…みますか?」
「え、いいのか?」
美琴はコクコクと頷いた。
そして、頷いた美琴は箸でハンバーグを掴み、俺にあーんしてきたのだった。
「あ、あの美琴?」
美琴は顔を赤くさせ、腕をプルプルさせながら、無言で俺の顔を見ていた。
ちょっと美琴さん頑張りすぎじゃないですか?
しかし、これは食べるしかないと思い、俺は一度辺りを見渡した。周りに人がいないことを確認すると、恥ずかしながらハンバーグを食べた。
「ど、どうですか?」
美琴は、期待の眼差しを俺に向けながら聞いてきた。
そんなまじまじ見られると恥ずかしいな。
「めっちゃうまいな」
正直、素人の物とは思えない美味しさであった。
日頃から料理していることが分かる熟練差を感じた。
「良かったです!」
と、美琴の顔がパァーと笑顔になった。可愛いな。
それからは、お互い他愛もない話をしながらお弁当を食べた。
その後、お互い食べ終わりベンチで少し休憩していると美琴の口が開いた。
「先輩は放課後用事とかってありますか?」
「いや、びっくりするほど毎日用事がないんだよな」
「な、なら!もし、良かったら一緒に帰りませんか?」
「じゃあ、そうしよか」
俺がそう言うと、美琴は想像以上に嬉しかったらしい。その証拠に、小さくガッツポーズをしていた。
一緒に帰る約束をして、美琴との会話をして楽しんでいたらあっという間に5時間目の予鈴がなり、二人は急いで弁当を持ち、お互い別れを告げてから自分たちの教室に各々向かった。
廊下を小走りしながら悠人は心の中で「これが青春か」と小さく呟いたのだった。
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教室に着くと、すぐに授業が始まった。
席に着いて静かに授業を受けていると、俺は視線を感じた。その方向を見ると良真が後でちゃんと説明しろという視線を俺に送り付けていたので、俺はその視線を無視をして寝ることにした。
五時間目が終わるとすぐに良真がこちらに向かってきた。
「どういうことか説明してもらおうか」
「結論から言うと、俺と美琴は昨日から付き合ってるんだよ」
と、説明すると良真は不思議そうに聞いてきた。
「お前が告白したのって、琴美だよな?」
「その通りだ」
「そして、振られたんだよな」
「ああ。てか、振られたことを掘り返すな」
良真は何が何だかという感じだったので、俺が続けて説明する。
「それでその後、美琴に告白されて付き合ったんだよ」
「なるほどな」
良真は納得するように相槌をした。
「つまり、姉の琴美は無理だから妹の美琴に手を出したと」
「ちょっと、表出ようか」
良真がふざけたことを言ったので、俺は助走をつけて良真に肩パンをした。
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