5話
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「…先輩…起きて…!先輩!起きてください!」
「ん? なぜ俺の部屋に美琴がいるんだ」
まさか寝ぼけているのか?
それとも、夢か?
なぜか、制服姿の美琴がそこにはあった。
「先輩早く起きないと、イタズラしちゃいますよ」
美琴が微笑みながら俺に言う。まじ天使だわ。いや、女神かもしれない。
「イタズラって、何するの?」
「先輩のパソコンの中にある写真とフォルダを全部消します♡」
前言撤回、どうやら悪魔なようです。
「それだけは、勘弁してください!」
俺が手を伸ばすと、急に落ちたような感覚になった。
どうやら、現実に強制送還されベットから落ちたらしい。
部屋には、目覚まし時計の音が響き渡っていた。
「なんだ、夢か」
夢で良かったと思う今日この頃であった。
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西川悠人が起きた頃には、香ばしい匂いが下から漂っていた。
時間的には全然学校に間に合うので、のんびりと着替えて下に向かった。
「おはよう、もうご飯できてるわよ」
「おはよ、ありがと」
親に挨拶をして、椅子に座る。
今日のご飯は和食かと思いながら、黙々と食べる。
毎回思うのが、なんやかんや母の手料理が一番おいしいと感じる。
親に感謝だな。
ご飯を食べ終わり、歯磨きをして家を出る。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
扉を開けると、家の前に山下良真がいた。
「おっす!」
「おっす」
相変わらず元気だなと少し驚く。どこからそんな元気が出てくるのだろうか。
「相変わらず、元気ないな」
良真は逆のことを思っていたらしい。
「普通朝から元気いっぱいの方がおかしい」
そんな話をしながら、良真と一緒に学校に向かう。
基本部活がある日は、朝練があるため一人で登校するが、オフの日は一緒に登校するようにしている。
「そんなことより、告白どうなったんだよ!やっぱり、振られたのか?振られたよな?」
「なぜ、振られてるのが当たり前みたいな聞き方してくるんだよ。泣くぞ」
「ってことは、付き合ったのか!?」
「いや、振られた!」
「なぜ、ドヤる」
「開き直らなきゃ人生やってられないことに気づいたからな」
「なんか悲しいな」
「うるせぇ」
「じゃあ、付き合ってないのか」
「いや、付き合ったよ」
「え?どゆこと」
「まあ、話せば長くなるから今日中には話すよ」
そんな話をして教室に着くとちょうど鈴木琴美も登校してきた。
昨日のことで顔合わしづらいと思っていると琴美の方から話しかけてきた。
「おはよう、悠人」
「お、おはよう」
急に挨拶をされ、ぎこちなく挨拶をしてしまった。
「美琴は良い子だから変なことしないでね」
本人は微笑みながら言っているが、俺は目の奥からの謎のプレッシャーを感じていた。
「ハイ、ゼッタイニシマセン」
と、謎のプレッシャーのせいかカタコトで返事をしてしまった。
お前ら昨日なにがあったんだと不思議そうに俺の横顔を眺める良真がいたのであった。
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午前の授業もいつの間にか終わり、昼休みとなっていた。
「よし、悠人!飯を食べるぞ!」
寝起きでそのテンションは、ついていけないと思いながら鞄の中から弁当を取り出す。
毎回思うが、なぜ良真はいつも元気100倍なのだろうか。顔を濡らせば多少は元気が下がるのだろうかと下らないことを考えていた。
俺が良真と机を挟んで食べようとしたとき、机が影に染まった。
振り返ると、そこには仁王立ちした美琴がいた。
「えっと、美琴どうした?」
「い、一緒にご飯食べませんか?」
「じゃあ、三人で食べるか」
「えっと、そうじゃなくて…できれば2人きりで」
「と、言うわけだ。良真、すまんが俺は美琴とご飯を食べる」
「なるほど、そういうことか」
良真は何か察してくれたようだった。
「まぁ、申し訳ないが楽しくぼっち飯を楽しんでくれ」
「じゃあ、そうさせてもらうか」
そうして良真は席を立ち、弁当を持って隣のクラスに移動した。
おそらく、部活仲間と食べるのだろう。
「じゃあ、中庭にでも行くか」
「はい!」
美琴が元気いっぱいな返事をした後、弁当を持ってが中庭に向かうのであった。
読んで下さりありがとうございます。
読んでみて、気になるところや、意見があると次の話に助かります。
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