4話
俺は今、恥ずかしい気持ちと妹である鈴木美琴が俺に告白することをどうして姉である鈴木琴美が知っているのか不思議でしょうがなかった。
今日いろいろなことが起こりすぎて頭がパンクしそうであった。
そんな中、美琴が俺に少し近づきながら聞いてきた。
「それで…どうしますか?」
「すまないけど、まずいくつか質問させてもらってもいいか?」
「いいですよ。で、でも、アッチ系の質問は駄目ですよ…」
「安心しろ、俺が今から質問するのは至って普通だ」
そんなことを言うと、美琴は安心した顔をした。
俺って、急にそんな質問するようなやつと思われてるのかなと思い、少しがっかりした。
「まず聞きたいことは、なぜ琴美が今告白していうることを知っているんだ?」
「姉には前から、先輩のことを相談していたので」
なるほど、それで今日告白するということも事前に琴美に言っていたのか。
そう思うと、俺が今日告白したタイミング悪すぎだろ。
「それで、どうしますか?」
正直姉が知っているとなると、明日俺の評判が下がることはないし、特に問題もない。
と、なると
「分かった、付き合おう」
俺がそう言うと、美琴は嬉しそうに俺に抱き着いてきた。
急にアメフトのタックルのように抱き着かれた時は変な声が出たが、改めて観ると姉と同様に可愛いなと思った。きっと親の遺伝がいいんだろうな。
そんなことを思っていると、ようやく美琴が俺から離れた。
すみません、嬉しすぎて抱き着いてしまいましたと言った時は、正直天使が召喚されたのかと思った。
「とりあえず、もう遅いし帰りながら詳しいことを話すか」
「わかりました!」
それから、お互い改めて自己紹介や合コンのような質問をしながら帰った。
なんやかんや話しているとあっという間に、鈴木家の家の前に到着した。
「すみません、わざわざ家まで送ってくださり」
美琴は頭をぺこぺこと下げながら言ってきた。
「もう時間が時間だからね」
「すみません、ありがとうございます」
また何度もぺこぺこと頭を下げた。
「まあ、これから恋人としてよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「それじゃあ、おやすみ」
「はい!おやすみなさい!」
頬を赤く染める美琴に別れを告げると、美琴は俺の姿が見えなくなるまで手を振っていた。
俺も美琴の姿が見えなくなるまで手を振った。いや、可愛すぎだろ。
その後、自分の家に着いた西川は自分の部屋のベットにダイブした。
それから、今日あった出来事を思い出していた。姉に告白したら振られ、そしたら妹に告白されて付き合うなど、とても濃い一日になった。そんなことを思っていると、あることを聞くのを忘れていた。
「あ、連絡先聞くの忘れた」
そんなことを部屋で一人呟いていると、下にいる母からご飯が出来ているとのことなので、お腹を空かせた俺は階段をドタドタと下り、ご飯に夢中で先ほど思い出したことをその日もう一度思い出すことはなかった。
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