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3話

 俺は今、姉の鈴木琴美に振られた直後になぜか妹の鈴木美琴に告白されている。

 なんていうか、とても複雑な気持ちである。


 「えっと、もう一度言ってもらえないかな?俺の聞き間違えでなければ、付き合って欲しいって言ったような気がしたんだが」


 「はい、合ってます」


 合っているのか。どうやら幻聴ではなかったらしい。

 先ほど振られたショックで頭がおかしくなったと思ったが違うのか。

 俺の頭の中は、いろいろなことが起こりすぎてパニックである。

 そんな俺が頭を抱えていると、美琴がすごい勢いで聞いてきた。

 

 「も、もしかして、他に好きな人がいるのですか!?」

 

 「安心しろ、先ほど告白して振られたからな!」


 「なんでそんなドヤ顔で言うんですか」


 正直、ここまで来ると開き直らないと人生やっていけないと思ったからである。


 「とりあえず、なぜ好きになったのか聞いてもいいか?」


 そう俺と美琴には接点がないので、好きになる理由が全く分からないのである。

 名前を知ったのも、話したのも今日が初めてはずと疑問に思っていると美琴が答えてくれた。


 「はい、私が好きになったのは去年の冬です」


 俺が去年の冬?と考えていると美琴はそのまま話を続けた。


 「去年の冬、私が塾の帰りにナンパされていた時に助けてくれたのですが覚えていませんか?」


 そんなことを言われると合ったような気がする。けど、その助けた子の顔までは思い出せない。

 それが、まさかの美琴だったとは。世の中狭いな。


 「思い出してくれましたか?」


 「思い出したけど、顔までは覚えてなかったよ」

 

 「顔を覚えてたとしても、高校からイメチェンしたので分からなくても無理もないと思います」


 そうなんだ。と返すと、美琴がまたもじもじとしだした。

 

 「それで、あの、付き合う件なんですけど…」


 「あ~、申し訳ないんだけどちょっと考えさせて欲しい」


 「もしかして、不満ですか?」


 「いや、不満じゃないんだけど…」


 「けど?」


 「何ていうかね…」

  

 振られたその日に違う子と付き合うってやばいよな?

 しかも、姉に振られて妹と付き合うって、なおさらやばい。もし、今付き合えば鈴木姉には100%今日知れ渡ってしまう。

 そして、次の日学校中に広がり俺の評判が下がるの確定だな。

 はて、どうしたものか。このことをそのまんま言うのもな。

 とりあえず、言うわけにはいかないから予定を変更をしよう。


 「俺あまり君のこと知らないからさ」


 これでどうだ!あまり君のこと知らないからとりあえず付き合えない作戦!

 

 「付き合ってから少しずつお互いのことを知っていけばいいじゃないですか」


 ですよね~。

 俺もそう来ると思ってました。

 詰みました。藤井聡太もびっくりな詰みです。負けました。

 

 「もしかして、付き合えない事情でもあるんですか?」


 鋭いな。正直考えてもいい案が思い浮かばないし、正直に言うしかないか。

 グッバイ、俺の平凡な生活。

 

 「実は…今日俺が告白したのって君のお姉さんになんだ…」


 「はい、知ってますよ」

 

 いや、知ってたのかーい!

  

 「さらに、言うなら見てました」


 いや、見てたのかーい!

 てか、恥ずかしっ!俺が膝から崩れ落ちる所も見られてたのか。急に恥ずかしくなってきた。


 「そしてさらに、私が先輩に告白することもお姉ちゃん知ってますよ」


 え、どゆこと?なんで、知ってるのよ。

 じゃあ、俺が必死に言い訳を考えてた時間返して~!

 そんなことを心で叫ぶ西川であった。

 

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