2話
ついにこの時が来てしまった。
そう、俺こと川西 悠人が学園のアイドルである鈴木 琴美に告白する時間が。
時間はすでに放課後。そのため、俺の親友である山下 良真は頑張れの一言を俺に託し部活に行ってしまった。
「はぁー、どうしたもんかな」
そんなことを呟きながら、1人校舎裏で待っていた。
鈴木琴美はモテすぎる故に、今なお他の男の告白の時間で詰まっている。そのため、指定した時間が過ぎても現れない。
「ごめん、遅くなって!」
ちょうどそんなことを考えると、少し小走りでこちらに向かってくる琴美がいた。
可愛すぎる。ただ小走りで走ってきているだけなのに、惚れ直しちゃうね!
「いや、大丈夫」
「久しぶりだね。こうやって話すのも」
「そ、そうだな」
やばい、緊張してまともに目を見て話せない。鼓動が次第に体中に響く。
「まさか悠人も、その…私に好意を持ってると思わなかったよ」
「だ、だよな」
「う、うん」
「「………」」
久しぶり過ぎて会話が続かない。悠人は、バクバクとうるさい鼓動を抑えるために一度深い深呼吸しいた。
そして、決意した悠人は
「今までずっと好きでした!付き合ってください!」
ついに言ってしまった。後は返事を待つだけの俺は、まるで時が止まっているかのようにその返事の答えは長く静かに感じた。
しばらく時間がたった後に、止まっているように感じた時間は、琴美の口が動き始めたと同時に動き始めた。
「ありがとう。けど、ごめん。悠人とは付き合えない」
正直答えは分かりきっていた。けれど、何年も片思いでいるのが、このままではいけないと思い今日告白しようと決めた。だが、結果振られた。
答えが分かりきっていたとしても、やはり振られるというのは胸にくる。
「そうだよな。ごめんな、こちらこそわざわざ時間を使わせてしまって」
「大丈夫だよ、これからも友達としてよろしくね!」
「もちろん」
「じゃあ、もう帰るね」
「おう、ありがとな」
「うん!」
そう言って、琴美が校舎裏から姿を消すと、俺は膝から崩れ落ちた。
俺は最後まで笑えていただろうか。やっぱり、告白なんてしなきゃ良かったな。これから、どうするかなど。泣くのを我慢して、それからしばらく一人でいろいろ考えた。
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その後、悠人は教室に忘れたバッグを取りに戻った。
教室にはもう誰も居なく、外からはまだ吹奏楽部の音色とグランドから運動部の声が聞こえていた。
急に開き直ることもなく、悠人は重たい体で家に帰ろうとバックに手をかけた。
「西川先輩!」
すると、急に名前を呼ばれ、呼ばれた方向に覇気のない顔を向ける。
そこには、今日琴美に弁当を届けに来た妹の姿があった。
「えっと、琴美の妹の…」
「美琴です」
鈴木美琴は、俺が先ほど告白した琴美の妹である。俺が琴美というワードを頭に浮かぶと先ほどの告白を思い出してしまう。
そんなことを思い出し、気持ちが萎えている俺に用事なんてあるのかと不思議に思った。美琴とは今喋ったのが初めてなため、接点がない。あるとするなら、姉の琴美のことだろうか。
「えっと、俺になにか用かな?」
「だ、大事な話があります」
大事な話?と思いながら聞くと、美琴が急に体をもじもじとしだした。
トイレにでも行きたいんだろうか。
「トイレなら教室出て、右に行けばあるぞ」
「トイレに行きたいわけじゃありません!」
「そ、そうか。すまん」
なぜか、怒られてしまった。
トイレに行きたいわけじゃなかったら、何だろうと疑問に思っていると、そこからしばらく沈黙が続いた。
美琴は、なにか言いたそうだが、何も言ってこない。
俺は帰って、今日のことを一日でも早く忘れたいから帰って寝たいのだがと考えており、このままでは埒が明かないと思い悠人から先に言葉を掛ける。
「えっと、用事がないなら帰りたいんだけど…」
「す、すみません!今言います!」
「お、おう」
すると、美琴が一度深呼吸し、何かを決意した表情をした。
そして、
「先輩好きです!付き合って下さい!」
「え?」
なぜかその日姉に振られた俺にその妹が告白して来たのであった。
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