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7【アルティア視点1】

アルティア視点


私はアルティア・ボワラクテです。

一応公爵令嬢をやっています。


私は公爵令嬢ですが、貴族があまり好きではありません。

私の家の人は基本的に自分が偉いとか威張ったりしませんし、身分の低い人に対して傲慢な態度は取りません。

しかし、世の中の貴族のほとんどは、たまたま貴族の家に生まれただけなのに自分が偉いと勘違いをして自分よりも身分の低い人達を下に見て傲慢な態度を取ります。

それがどうしても理解出来ませんし、許せません。


まあ、それはさておき今は学校の長期休暇に入ったので護衛の人とボワラクテ領にある屋敷に帰っている最中です。


「止まれ!」


突然馬車が止まり、外から護衛の人の怒鳴り声が聞こえてきました。


「どうしたのでしょう?」


一緒に馬車に乗っていたメイドに聞く。


「恐らくですが、何者かが道を尋ねたいと言って近寄ってきたようです」


「そうですか。

道ぐらい普通に教えてさしあげたらいいじゃないですか。

何故あんなに怒鳴っているのですか?」


「それは、公爵家の馬車に道を聞きたいと言って来る人など普通はいないからですよ。

なので、その男がお嬢様を狙った刺客ではないかと疑っているのでしょう」


「なるほど、理解出来ました」


そう言って窓にかかっているカーテンの合間から外の状況を確認してみる。


「え!?」


そして、道を尋ねに来ただろう男を見た瞬間、私の中でこの男には親切にした方がいいという気持ちが溢れました。


私は昔から勘が鋭いのです。

本当にたまにですが、絶対にそうしなければいけない!と思う時があり、その行動を起こして悪いことが起こったことはほぼありませんし、未然に悪いことを防げたりも出来ました。

未来予知だなんだと言われたこともありましたがそんなことは今はどうでもいいんです。

あの人には親切にしなければならないというのがこれまで感じた勘や直感の中でずば抜けて高いのです。


「戯言を!」


そんなことを考えていると護衛の人が男の人に対しても槍を構えました。


「おやめなさい!」


これはいけないと思い慌てて止め、馬車から出ました。


「しかしお嬢様!」


護衛の人が男から護るように私の前に立ち私に言う。


護衛の人の言いたいことはわかるが、ここは私に任せてもらいたいと思い、手で制す。


「何を立ち尽くしている!」


護衛の人は何をボーッとつったんているんだと言いたかったのだろうがそれを男の人は勘違いしたのか跪いてしまう。


「跪かなくてもいいのですよ。

立ってください」


「はい」


膝まづいたままの姿勢では話しずらいので立ってもらう。


「私の名前は、アルティア・ボワラクテです。

あなたの名前を伺ってもよろしいですか?」


とりあえず、男の人の緊張を解すためにも自己紹介をした。


「あ、俺の名前は、」


「どうかしましたか?」


あれ?

どうかしたのだろうか?

もしかしたら、本名が何か都合が悪くて偽名を考えているのでしょうか?


「すみません。

改めまして俺の名前はトウマです」


トウマ様ですか。

本名か偽名かはわかりませんがとてもいい名前だと思います。


「トウマ様は先程道を聞きたいと仰っていましたが、目的地は何処になるのですか?」


「大変お恥ずかしながら今自分が何処にいるのかもわからない状態でして、とりあえず近くの街にでも行けたらと思っているんです」


「私達もこの近くにあるドルンドという街に寄るんですが、宜しければ一緒に行きますか?」


この男の人には親切にした方がいいという勘を信じて一緒に街まで行くことを提案する。


「お嬢様!」


またあなたですか。


「私が決めたことに何か文句があるのですか?」


あ、いけない。

少し怒ってしまった。

トウマ様に怖い人と思われてなければいいのだけど。


「お嬢様、それはいつのですか?」


「ええ、いつものよ」


「わかりました。

ではこの男をどのように扱えばよろしいですか?」


この護衛の人はうちの家の騎士なので私の勘のことを知っていたので理解してくれた。


「お客様として扱ってください」


「はい、わかりました」


「ではトウマ様行きましょうか」


「はい、お願いします」


「それでは馬車にどうぞ」


「ありがとうございます」


そうして、戸惑っているトウマ様を馬車に乗せドルンドに向けて出発した。



今日も読んで下さりありがとうございます。

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