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シェリアちゃんとのいちゃいちゃ日記(クリスマス記念のSS)

  ……これは俺とシェリアちゃんとのいちゃいちゃ日記である。


  おい作者。こんな小っ恥ずかしい日記を書かすなよ。え?命令だって。わーったよ。適当に書くからな。……後で覚えてろよ。あんのバカ作者。て、なんで矢恵さんが出てくんだよ!


『……決まってるでしょ。作者から伝言よ。「さっき言った事をあたしは忘れへんよ。後で覚えときな」だって』


「……げっ。怖過ぎだろ。ぜってえ、後でしばかれる」


『まあまあ。エリック君。そろそろ、シェリアちゃんが来るはずよ』


  矢恵さんはそう言うと俺の中に戻った。それと同時にガチャリと寝室のドアが開かれる。深みのある藍色の真っ直ぐな髪と透明感のある琥珀の瞳のシェリアちゃんが入ってきた。いつ見ても美人だ。


「……こんにちは。エリック様」


「ああ。こんにちは。シェリアちゃん」


  そう言うとシェリアちゃんはにっこりと笑った。いやー、あのバカ作者とは大違いだ。う。冷たい視線を感じる。睨んでやがんな。


「……あの。エリック様」


「……どうした?」


「えっと。スズコ様から聞いたのですけど」


  俺は首を傾げた。スズコ様は今は修道院にいるはずだ。なのに何でシェリアちゃんが会えているんだろう。不思議に思っていたらシェリアちゃんはもじもじしながらも答えた。


「……実は。わたくし、週に一度は母様の代理で修道院に奉仕をしに行っているのですわ。その時にスズコ様とお話ができまして」


「へえ。そうだったのか。スズコ様はシェリアちゃんのお家の領地の修道院にいたんだな」


「そうなのです。で、お話の続きなのですけど。スズコ様がおっしゃるには異世界のニホンではくりすますという行事があるそうですわ」


  クリスマスと聞いて俺はちょっと懐かしくなった。矢恵さんもそうだろう。黙り込んでいるとシェリアちゃんはごそごそと肩から提げていたショルダーバッグを探っている。そして小さな綺麗にラッピングされた箱を出した。


「……メリークリスマスですわ!」


「……受け取っていいのか?」


「ええ。これはエリック様へのプレゼントですから」


  ニコニコと笑うシェリアちゃんに俺は驚きながらもクリスマスプレゼントを受け取った。赤いリボンとオレンジ色の包装紙でラッピングされた小箱をじっと見つめる。そしてゆっくりとリボンを解き、包装紙を破った。蓋を開けると中には薄緑色のハンケチーフとガーネットのペンダントが入っていた。


「へえ。ハンケチーフにペンダントか。ありがとう。シェリアちゃん」


「喜んでいただけて何よりです。エリック様」


  シェリアちゃんはそう言うと晴れやかに笑う。ハンケチーフを出して広げてみると端っこに小さくだがヒイラギのリースが刺繍してある。ペンダントも綺麗な赤い小さなガーネットで付与効果もつけてあった。身体保護と呪い回避のようだ。ヒイラギも魔除けになるし。俺はそれをテーブルの上に置く。立っていたシェリアちゃんに近寄るとそうっと背中に腕を回して抱きしめた。


「……エ、エリック様?!」


「ちょっと。今はこのままで」


  俺はじんわりと湧く嬉しい気持ちを噛みしめながらシェリアちゃんのほっそりとした体を抱きしめる。ちょっと腕の力を強めるとシェリアちゃんはされるがままになった。しばらく、黙って二人でそうしていたのだった。


  窓の外ではちらほらと雪が降り始めた。いわゆるホワイトクリスマスだ。そうシェリアちゃんに教えると「凄く素敵な呼び方ですわね!」とはしゃいでいた。俺は可愛くてつい、頭を撫でていたが。スズコ様にもこっそりクリスマスプレゼントを贈っておいた。スズコ様はアクセサリー類は好きでないからシェリアちゃんと一緒に作ったクッキーを焼いて贈った。翌日にお礼の手紙が届いた。


<エリック君へ


  手作りのクッキーをおおきに。すごく嬉しかったわあ。


  シェリアちゃんと一緒に作ったんやて?


  一回、うちのいる修道院にエリック君も来はったら良いのになと思うたわ。


  それじゃあ、元気でなあ。


  佐東 鈴子>


  なんと、手紙は日本語で書かれていた。どうやら、他人に読まれる事を考えたようだ。けど鈴子様の名字ってこう書くんだなと改めて思った。手紙の内容を確認した後、封筒に戻す。お返事を書こうと思ったのだった。


  --終わり--

 

メリークリスマス!

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