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49話

この回はちょっとR15的な描写が出てきます。

  翌日、シェリアちゃんは昼間に王城にやってきた。


  俺はすぐに自室を出た。王城の入り口近くにまで行くと彼女がいる。声をかけた。


「……シェリアちゃん。来たんだな」


「……あ。エリック様」


  こちらに視線を向けたシェリアちゃんはにっこりと笑う。くう、今日も可愛いぜ。とかアホな事を考えながらも俺は彼女に近づいた。シェリアちゃんは笑うのが一転、不思議そうな表情をする。


「どうかなさいました?」


「いや。ちょっと。今日も一緒に神殿に行こう。それと体調は大丈夫かな?」


「はい。昨日に邸に帰ったのは父から聞きました。わたくし、封印を解いた後気を失っていたそうですわね」


  頷くとシェリアちゃんは苦笑した。


「……気を失ってしまって申し訳ないですわ。エリック様にもすごくご迷惑をおかけしました」


「いや。俺は迷惑だとは思っていないぞ。それよりも君の体調が気になるな」


「ご心配いただいてすみません。もう大丈夫ですわ」


  俺は首を横に振る。そして手を差し出した。シェリアちゃんはすぐにわかったようで自分の手をそっと乗せた。俺と2人で神殿に向かったのだった。


  その後、馬車に乗って神殿に行く。着くと俺が先に降りてシェリアちゃんをエスコートする。彼女が降りると手を繋いで中に入った。

  すぐに神官長が出迎えてくれる。その表情は心配そうにしていた。


「……おお。殿下にシェリア様。よう来てくださった」


「昨日は失礼しました。神官長様にもご迷惑をおかけしました」


「お気になさらず。封印を解く儀式は受ける当人にとってはかなり負担がかかります。気を失っても仕方ないとわしは思いますぞ」


「……そうなのですね。肝に銘じておきますわ」


「そうなさいませよ。シェリア様。今日は聖女と神子の事についてお話しようと思っております。奥にどうぞ」


  神官長が言ったので俺は頷く。シェリアちゃんの手をぎゅっと握った。彼女も握り返す事で答えてくれる。

  そうして奥に入った。神官長の使う私室に繋がる部屋に通された。王城で言ったら応接間的な所だろうか。

  神官長はソファに座るように言った。言われた通りに腰掛けると神官長はふむと顎を撫でる。


「……どこからお話しましょうかな。まず、昨日に奥義の陽月華については申し上げました。それは覚えておいでですかな?」


「覚えています」


「陽月華を殿下とシェリア様が繰り出す時。まず、手かどこかを触れ合わせ、心を一つにする。そうした上で祝詞を唱えます。剣の刀身も合わせると陽月華が放たれます。これは練習しておればなんとかなる。問題は陽光剣ですな」


「……あの。それはどんな問題があるんですか?」


「……陽月華は手を繋ぐくらいで発動できる。が、陽光剣はもっと親密に触れ合い、お互いの力も気も譲り合わせないと発現できませぬ。それが問題でしてな」


「親密にですか」


  俺はそう言われてやっと昨日の神官長や公爵の言っていた言葉の意味がわかった。まだ幼い俺逹には刺激が強いはずだ。要は手を繋ぐ以上の事をやれと言う事なのだ。抱きしめるくらいは何とかなるだろうが。けどシェリアちゃんが人前でやられて耐えられるかどうか。


「……あ、あの。神官長様。親密に触れ合うというのは。具体的に言うとどういう事ですの?」


「……そうですなあ。手を繋ぐ以上と言う事ですなあ」


「……んまあ。破廉恥な。わたくしにエリック様と抱擁どころかそれ以上の事をさせようとするだなんて。なんと言う剣ですの」


  シェリアちゃん。静かに怒ってるなあ。神官長の一言で意味がわかったらしい。


「シェリア様。そう怒らないでくだされ。陽光剣はその。接吻をするくらいでも発現はするのです。後はお二人が心とご自身の神力を練り合わせる事。それが肝要ですな」


「……接吻。ますます、恥ずかしいし嫌ですわ。わたくし、聖女を辞退しようかしら」


「そ、それは。辞退するのは思いとどまってくだされ。わしや殿下が困りますぞ」


  シェリアちゃんはヘソを曲げてしまった。仕方ないか。人前でキスをしろというのは6歳児にはちときついからなあ。その後、神官長の必死の説得によりシェリアちゃんは聖女を辞退するというのは思いとどまってくれた。俺も「頼むから」と言ったら渋々、彼女は受け入れてくれたのだった。

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