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謎王の願い




 ……デカい。

 というか、これは。


 うーん。無茶なスケールだろう……。

 大きさが見当がつかない。



 

『あ? ちょっと私が大きくてビックリしちゃった? たまに私を見ただけで精神に異常をきたすとかあるから、気持ちを楽にね?』




 遥か遠くに霞んでみえる山脈のようなシルエットのさらに遠方に存在するはずなのに。謎王の姿はハッキリと細部まで見えている。

 大きすぎるのだ。

 



 マジで。ふつーに精神崩壊しかねない衝撃があった。



 こんなのを目の当たりにして、平然としていられる人は。

 目が覚めたらペットショップに陳列されていた。

 とかの状況でも動じないタイプだろう。




 しかし立ち直りの速い人はいた。



「……まぁ。なんだ? あれは佐嶋氏と森山氏の知り合いなのかね?」





 吉田さんはショックから素早く回復すると、謎王について情報を集めはじめている。




「あ……うん。 あれは前に社長が佐嶋君に言っていた。謎王」



 森山さんも我に返ったようだった。しかし流石の森山さんも、あきらかにショックを受けている感じだった。

 




「謎王?」



「あの。冥王とか、覇王とか炎帝とか。うーん。魔王さんと同格の神様たちの一人です」



「はいはい。そんなの居たな」




『ふふふ。「そんなの」とか、言ってくれるじゃない。なかなかの勇者ね』




 俺たちを遥か高空から覗き込むように見ている謎王は、吉田さんの言葉を受けて嬉しそうしている。



 ……キモイ。



 しかし、言うなれば俺たちは金魚鉢の金魚だったり。

 虫籠むしかごのカブトムシのような状態なのだが。

 吉田さんは普通にしゃべっている。


 俺もいつまでもオタオタしていられない。

 謎王さんに攻撃的な意志があれば、とっくに魔物になろうズ・終になっているはずだ。

 謎王には、なんらかの意図があるのだろうから、まず話を聞いてみる気になった。


 



『……まぁ、だれも狂い死にしなかったようだし。ちょっと皆さん、私の話を聞いてくれる?』



 俺たちが、一通り落ち着いた様子を見て謎王はつづけた。




『最近ね。私はガチャ回すの楽しくてさー。それで回すだけでは無く……なんというか回させたいっていうかー』




「……」「……」「……」




『この喜びを皆と分かち合いたくて、新しいガチャつくったのよ!』




 まぁ。謎王さんがガチャがどうこうとかの話が出た時から。

 薄々は思っていたけれど。



「……前にマリスカレン様が言っていた俺たちを呼び出した11連ガチャの運営って」




 吉田さんも思い出したらしい。




「……そう。なんじゃないですか? これは」

 



「え? なに? それ? なに?」




 森山さんはたぶん魔王さんの話をよく聞いていなかったのか。

 俺たち三人を召喚した謎現象と、この謎王さんのガチャ話の関連にはピンとこないようだった。




「いや。だから森山氏。俺たち三人が、モンスターずらを晒してここにいる原因が。その謎王の話しているガチャの話と関係あるんじゃないかってことよ」



「ほぉ?」





 いまいちわかっていないような森山さんを吉田さんがフォローすると……。 





『すっごーーいい! そのとおり! ゴブリン君。レア度が意味不明の癖に、なかなかヤるね!』




 謎王は吉田さんに賛辞を送りつつも、レアリティも発表する。

 何気に、レア度が意味不明って……。吉田さんって高性能なのかな。




「へへっ! 俺も茶人相手に茶器ガチャとかリリースして一儲けしたいとか夢見たことあるからな……謎王の気持ちもわかるぜ!」




 ふだんディスられる状況が多いためか、神に褒められて吉田さん上機嫌。

 しかし、その茶器って誰に需要あるんだ?




『うんうん。それでさー。ざっくり言うと、やり直して欲しいんだよね』





 ……ざっくり過ぎて困るんだが。


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