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ガチャって好きですか?


 何か言いたげなプリマリ―さんを背にして俺たちは用意されたゲートを潜って転送先に移動した。


 このゲートには、移動の途中とかないので。この感覚を表現するとなんだろう。

 濡れない色のついた液体のような膜を潜ると別な場所にいる……ような感じかな。



 そして俺たちは、見覚えのある場所にたどり着いた。


 

 妙にだだっ広い平坦な砂漠のような大地。そしてどこに続くかわからない妙に整備された道の上に俺たちは転送されてきた。

 ……光源不明なボンヤリと明るい空間。



「おい。佐嶋氏、森山氏。これってアレだよな? 俺たちがこの世界に飛ばされて最初にたどり着いたところだよな?」



「……そうね。そんな感じね。私は覚えているわよ、この先に村みたいなのがあるの」




「村? 俺と吉田さんの時には村じゃなくて森山さんが待ち構えていた凱旋門みたいなところでしたよ」



「そうそう。佐嶋氏と合流してから徒歩30分くらいだった気がする」




「へー。私は、あの門。……凱旋門っていうの? につくまでに村があってそこでなんか襲ってきたモンスターを倒してとかあったよ」




「ほー。森山氏の犠牲者って村みたいなところでまとめて死んだのかー」


 

 なにがどう『ほー』なのか理解できなかったが、吉田さんは妙に森山さんの話に感心している。

 


「そうだよ。皆殺しにした!」



 これもなぜか得意げな森山さん。

 ……まぁ、良いけれど。



「とりあえず道なりに進もう。……どこに進んでいるかは謎だけれど、何とかなる気がする」



 思い切り適当に俺は言ったが、森山さんも吉田さんも特に文句もなかった。

 ここら辺のいい加減さはモンスターならではな気がする。


 では、行きますか~。

 と、俺が思ったその時だ。

 

 声が。そう声がハッキリと聞こえたのだ。



『あー。ちょっと、ちょっと! 君たちどこ行くの?』




 は?

 

 俺の頭に直接響くように聞こえる、オッサンの声。



 あ、これ謎王さんの声……と思った瞬間。


 見てしまった。


 そして俺は、謎王という存在をめていた事を実感した。


 他の二人も、それぞれに謎王の脅威を感じてか、思わず声が出ていた。 




「うおぉおおお!? なんじゃこれはー!」


「……まいったわね」

 



 いや、謎王とか。

 

 落ち武者のオッサン? 不審者か? みたいな外見で。

 正直いえば、大したこと無いだろうとか思っていた。

 ひょっとしたら、森山さんなら楽勝で勝てるじゃない? とか……。



 すくなくとも。プリマリ―さんの居た回廊で見たモニター越しの謎王のビジュアルに、俺は何ら脅威を感じていなかった。

 たぶん森山さんもキモイとかは思っても、まさかこういう事とは思わなかったはずだ。


 


 

 それは、一言で言うと。




 絶対無理。





 俺たちの目の前に、すでに謎王はいたのだ。


 と、言うか。



 この妙に殺風景な風景全体が、謎王の身体とかのオチですらなく。



 謎王が所有している。箱庭だかなんだかの道具の中なのだ……。




『ハーイ! ところでみんな? ガチャって好き? やったことある~?』


 

 箱庭を覗き込みながら。


 おどけた口調で『神』が俺たちに尋ねてきた……。

 

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