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俺がマスター!?

「え? レオナさんってあの」



 驚きもそこそこに。

 俺は、即座に森山さんの動きを確認した。

 森山さんが、問答無用で復活した(?)レオナさんに襲い掛かる可能性があったからだ。

 

 俺の頭を砕いた相手を、森山さんがどう見るかは予想できた。

 しかし。



「……大丈夫、佐嶋君。コイツはいまは殺気が無い」


 森山さんも、俺にはわからない方法で復活した(?)レオナさんをおとなしく見つめている。



 いまだに俺に跪き、伏し目がちに礼を取るレオナさんの周りをゆっくりと吉田さんは舐めまわすような視線を向けて移動している。



「……ホウホウ。これはこれは……ナイスヒップ!」



 セクハラ100%の独り言をつぶやくと、吉田さんは満足したのか俺に近づくと。

 紹介しろとか小声でささやいた。



 いや。まずそれより。


「レオナさん。まず、立ってください。というか、空いている椅子に腰かけて話しましょう」



 レオナさんはゆっくりと立ち上がると。俺に伝えてきた。


「マスター。私は、下僕でございます。同じ卓に着席を許されるなど、恐れ多い事です」



 あ、そうそう。

 なに? そのマスターって? 飲み込めないので、おれは眼鏡メイドさんに聞いてみた。




「あのー、眼鏡さん。レオナさんはなぜ、俺をマスターとか言うのですか?」



「失礼、サジマ様。……私、申し遅れましたがマリスカレン様の第三家令スチュアート・サードのエコースでございます。以後お見知りおきを」



 ……ようやく、眼鏡美女メイドの名前判明。

 なんかメイドではないみたいだけれど。まぁ、いい。



「そして、レオナについてですが。生前のレオナは、恐れ多くもマリスカレン様に剣を向け。サジマ様とスレイン様に成敗されました」




「うん。私が、その女をバラバラにした。まぁ、なかなか強かったと思うよ、わりと本気でヤッたから」



 なんだか森山さんが、ちょっと嬉しそうに合いの手を入れる。バラバラにした時を思い出しているのかもしれない……。



「はい。そのようにスレイン様に倒されると前に、レオナはサジマさまに噛みついていただいていたためにサジマ様の従者サーバントになったのです」


「……ほう?」



 あれか? 吸血鬼に噛まれて死ぬと。吸血鬼になって復活して、しかも噛みついた吸血鬼には絶対服従になるみたいな? 古典的なアレか?




「私がバラしたんだから。私の従者じゃないの?」


 疑問を感じたのか。森山さんがエコースさんに確認を入れる。




「はい。おっしゃる通り、通常であればデスナイトのスレインさまに倒された、レオナは幽鬼ワイト従者サーバントとしてスレインさまにお仕えするところでした」



「でしょ? でしょ?」



「しかし、申し上げにくいのですが……。先にサジマ様が、血盟約ブラッド・コンパクトの噛みつきを成立させていたためにスレインさまの支配は受け付けられませんでした」



「ほう? よくわからないけどそうなのね。ふーん」



「え? では、レオナさんは今は俺の支配下の吸血鬼ヴァンパイアってことですか?」



「将来的にはそうなるのかも知れませんが。現状ですと、レオナはまだ吸血鬼ヴァンパイアではなくその過程にある生霊……っと言うとこでしょうか」



 なんだろう? 生と死の中間みたいな感じなの?


 まぁ、いいや。 俺としては、猫耳格闘家のレオナさんが仲間になってくれるとかちょっと希望していたので。細かい事はイイ。



「状況はわかったけれど。レオナさん、それならなおさら気にせず椅子に座って。その方が俺はやりやすい」


「かしこまりました。サジマ様」



 鍛えられた。レオナさんの身体が優美に動き椅子に落ち着く。


 うーん。武道家の動きって綺麗だな。

 俺はまじまじとレオナさんの顔を眺めた。


 レオのさんの顔に横一文字で入った縫い傷が、こう言ってはなんだかアクセントとしてカワイイ。

 なんか海賊っぽい? でも森山さん、レオナさんをどんな刻み方したんだよ……。



「俺は、ゴブリン吉田。32歳だ、よろしくな!」


「……」

 

 気さくに声を掛けた吉田さんだが、レオナさんもエコースさんのようにガン無視である。


 なんだ? ゴブリンってそんな存在なのか? ……まぁ、そんな存在なのかも知れないが。

 吉田さんは、仮にも俺たちのリーダーだ。そこはしっかり伝えておかないと……。



「あの。レオナさん。悪いけれど、吉田さんは俺たちのリーダだから。そういう態度は止めてくれないかな?」



「も、申し訳ありません! 」


「……サジマ様。私からもお詫び申し上げます。……ゴブリンは、我々にとってゴミも同然でしたのでつい。吉田様に失礼を」



「おお、佐嶋氏! 感謝……なんか、美女たちが俺をガン無視で傷ついてたんだよ~」



 詫びを入れてくれたので、レオナさんとエコースさんに気をよくしたのか吉田さんは調子に乗ってしまったらしい。



「でも、まぁ、わかったろう? このゴブリン吉田の偉大さを! 惚れてもいいぜ!」


 気持ち悪いウインク付きの笑顔を、レオナさんに送る。



「と、ともかく。よろしくお願いいたします」


 困ったようなレオナさん。



「……私は、デスナイトの森山だ。よろしくね」


 森山さんも、レオナさんに声を掛けて上げてくれた。

 森山さんとレオナさんの関係については、今後ちょっと微妙なのかと思ったが。

 森山さんは気にしていないらしい。


「ところで、私にられたのって覚えている?」


 ……という訳でもないのか。



「……意識が飛ぶまでは。しかしスレイン様……いえ、失礼モリヤマ様。それは私の力が及ばなかっただけでございます」



「いや。レオナさんも強かったよ。佐嶋君がいなかったら正直押しきれなかったかもしれない。今後は一緒に旅したりするかもしれないじゃん? どお? こんど暇見て試合ってみない?」



「喜んで!」


 なんだか、武闘派同士のやり取りはまぁ、良好なのかな……。



「さて。では、今後についてお話させていただきたい事がございます。これはマリスカレン様のご意向でもございます」


 エコースさんが眼鏡を指で押さえながら俺たちを見つめている。


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