死獅姫レオナ
「狙われるって。俺たちを襲った連中に心当たりが?」
「はい」
……なんだか。
まったく関係ないが。
この眼鏡メイドさんは、一度お仕置きしてあげたくなるな。
なんでだろう?
「え? 誰? なんで? 私たちはゴブリンくらいとしか絡んでないけど?」
……いや。
そうだ。もう一人いる。金獅子姫レオナさんだ。
森山さんはすっかり忘れているが。俺は彼女の胸の感触を忘れていない。
「それは、ひょっとして。レオナさんがお亡くなりになる前にいってた。クレイ何とかさんがらみの話ですか?」
「さようでございます。サジマ様」
ここでなぜか笑顔がこぼれるメイドさん。笑いのツボがどこにあるのか不明だ。
それとも。モンスターにしては察しが良いと誉めてくれているのか?
「ああ? 誰よそれ?」
森山さんと、レオナさんの戦いを見ていない吉田さんには良くわからない話なので無理もない。
吉田さんには俺が一通り、ゴブリン砦での森山さんと彼女の戦いの話と俺が頭蓋骨をグチャグチャにされた話をすると森山さんも思い出したらしい。
「ああ……あの女の仲間だったのね。それで私たちを……ふーん」
面倒臭い。とか言うのかと思ったが。
以外に、森山さんはヤル気らしい。
「イイんじゃない? お礼参りとか上等で。割とあいつら面白かったし」
……何語なんだろう。森山さんの発言の意味はなんとなくわかるようでわからない。
要約するとたぶん。受けて立つ、ってことなのかな。
けっこう俺は、死を覚悟したような相手なんですけれど。
そういう部下への襲撃に対して、魔王さんはどう考えているんだろう?
やっぱり部下を守るために安全策を指示してくれていたり?
なんか、無理っぽい感じもするが。念のため確認したくなる俺。
「それで。魔王さんとしては、俺たちに身を隠せ! みたいな感じの指示とか……あるなんて?」
「いえ。佐嶋様、マリスカレン様は積極的に戦うことを皆様にお勧めなさっておられます」
「ほう! 社長も、売られたら買っていいの方針ならさ佐嶋君。 ちょっと二人で休憩したら狩りに行かない?」
「……え、え? まぁ、森山さんが行くなら俺も行きますけど」
勝てるのかな今度は?
「じゃ、決まり!」
「おいおい。リーダーであるゴブリン吉田の話も聞くがいい」
など。魔物になろうズ的なやり取りをはじめると。眼鏡メイドさんが、一つ咳払いをした。
「お話の途中に失礼しました。実は、その新たな狩りのお供に、マリスカレン様からお預かりした、ご紹介したい者がおります」
「ほう?」「……」「誰よ?」
眼鏡メイドさんが、パンパンと手を叩きながら。モンスターハウスの三つある扉の一つに声を投げかける。
「入っていらっしゃい。皆様にご挨拶を!」
分厚い木製の扉がゆっくりと開かれ。
一人の女性が俺たちのモンスターハウスに入ってきた。
鬣のようなボリュームのある髪は薄紫色だ。猫耳と尻尾がある。
なんだか体中が外科手術の縫い傷の跡でいっぱいの紫を基調とした戦闘服のような恰好だ。
軍人さん的な雰囲気……。
あれ? でも、なんだか。あの猫耳は、どっかで見たような感じ……。
「はじめましてマスター。死獅姫レオナでございます」
そう俺に伝えると、臣下の礼をとるよう彼女は俺に跪いた。
……いよいよ。ハーレムプレイスタートなのか?




