能力値の話
「……」
能力の意味が一部わからず沈黙している俺に。魔王さんが親切に解説をしてくれる。
ちなみに魔王さんの吐息は薔薇の香りがする。
何のフリスク食べるとそんないい香りになるのか、今度聞いてみよう。
「サジマよ! なぜ能力ごとの力をを表す星の総数が9個であるのか、わかるか?」
「はい?」
……わかるわけないじゃないですか。
「これはな。この世界を形作った者どもの数なのだ」
「ほう」
「フランシアは、炎帝、闇帝、海王、陸王、風王、冥王、覇王、謎王。そしてこの私、魔王マリスカレンで作り上げたのだ」
「え? マリスカレン社長って、そんなに偉いの? 神さま?」
珍しくびっくりた声で森山さんが言う。
俺もちょっとビックリだぜ。
それと、さっき大天使のオッサンが言っていた冥王という人物が、ここでも出てきた。
……それに謎王ってなんだ?
「ふふん! ちょっと驚いたか? ……まあ、私は特に頑張ってはいないのだが」
まぁ、気になる所はあるが。ともかく魔王さんって神さま級なんだとはわかった。
消したり作ったりする謎の銃とかホイホイ俺に渡せるくらいの存在だからなー。
「ふふふっふ。俺は、初見でマリスカレン様のビッグさを感じていたぜ!」
ゴブリン吉田さんは、なぜかドヤ顔。
「話が逸れたなすまん」
「速度とか攻撃、防御などはなんとなくわかるのですが。俺の魔力がメチャ低い気がするのと、あと調和って何ですか?」
「サジマよ。ヴァンパイアは本来魔力が量も強度も強い方なのだ。それ故に、星が一つしかないのはまだまだ成長の余地がある……そういう意味でもある」
うむむ。
それだと結局。ヴァンパイアの魔力の星一個と、人間の魔力が星印5個が対等とか。やっぱり比較するときの補正みたいなのは必要なになるのか?
「それとサジマよ。調和とは、知識や思考力、情報収集能力や統率力。まあ、そういう機会があれば政治力などのその他の力の総評価という事だ」
……魔王さんは、俺のステータスが映し出されているモニターのような物の脇に、もう一つモニターを出して読み上げてはじめている。
俺がちょっと新しく浮き出たモニターをのぞき込むと。明らかになんらかのヘルプ画面のようだった……。
どうなってるんだ魔王さん。しかし、知力とかが雑多な能力に含まれているような気がしてなおざなり感がちょっとあるが。
まぁ、知力MAXとかのステータスで、馬鹿し放題とかも疑問符大量発生なのでしかたないのかもしれない。そんなに俺も賢くないし……。
「えっと……だいたいわかりました。ありがとうございます!」
「そしてだ。それぞれの能力が全て星9で満たされると存在によってはランクアップすることができる! ……らしい?」
「ほぉ?」「おおおっ!?」
俺はなんとなくランクアップについて聞き流したが。
森山さんは魔王さんの話にかぶりつきはじめた。
なんだ?
ランクアップって森山さん的に気になるのか?
「例えば、サジマよ。お前はランクアップするとヴァンパイアロードになる。デスナイトは死の王にランクアップするぞ」
「社長! 私がランクアップとかしたなら、例えばどうなるでしょう?」
この森山さんの質問に魔王さんはヘルプ画面のモニターを眺めながら、ちょっと考えて答えている。
「……そうだなデスナイトよ。 全体的な能力の向上は当然として。お前は鎧の中限定だが全身が実体化できるようにしてやろう。今では、いろいろ不便だろう」
魔王さんは、ちょっと意地悪そうな顔で俺と森山さんをチラ見した。
あ。でもそれは! なんだかなんだか嬉しいかも!
「佐嶋君っ! 天使とかを狩ろう! ランクアップしよう!」
「そ、そうだね!」
超ヤル気スイッチが入った森山さんにつられて、俺は答えた。




