佐嶋パワーアップ!
……レベルアップって。
「なんか力が湧き出してくるような?」
「そうだ。サジマよ! それがレベルアップだ。お前の力が増したのだ!」
嬉しそうに魔王さんが言う。
「こ、これは。例えばさっきの天使のオッサンみたいなのを狩りまくれば。俺は、さらにモリモリレベルアップするんですかね?」
「まぁ、そうだな。サジマがその気なら、割と楽にレベルアップできるかもしれんな」
……敵を倒せば経験値? をゲットっ! で、レベルアーップ!
とかは世間では常識的な事なのかも知れない。
ゲームとかならそうだろう。
しかし実際に体験してみると。
俺が今まで体験してきた成長とはスゲー違いがあった。
勉強でもスポーツでも、今まで出来なかったことが出来るようになるには、それ相応の挑戦なり練習があった。
そして、それでも出来ない事も多々あった。
俺は歌も踊りも下手だし。絵心も無い。
挑戦したことが無いからわからないが。
たぶん歌でも、踊りでも、絵を描くにしてもそれ相応の努力や研鑽があり。そしてそ個人差があるにしても身についた結果を受けて成長を実感できるのだろう。
そして大会やコンテストなどで他人に評価されるとかもあったり。
力を尽くして破れ。倒れ、悔し泣きすることもあるだろう。
寿命と言う決められた時間の中で、自分の歴史を形作る。
……俺にとって、それが今までの成長であり。戦いだった。
ところが。
この世界だと、打ち倒した相手から力を吸い取れるような感じらしい。
「……これって。能力を視覚化とかもできるんですか? ゲームのステータスみたいに?」
恐る恐る、俺は魔王さんに聞いてみる
漫画やゲームやラノベやアニメでは普通だろうが。
そんなこと出来るのか?
「サジマよ、それはどの世界でもあるだろう?」
「え?」
きょとんとする俺に。ゴブリン吉田さんが言う。
「ん? それは佐嶋氏もいままで見た事あるだろう?」
「?」
「例えば森山氏が剣道二段だとするだろ? そういう奴さ、オリンピック金メダルとかでもいい」
「……私、四段だけれど……」
「森山氏、あんまり言うと年齢バレるよ」
「……ウッ!」
……まぁ。
たしかにそう言えば、そうだな。
通っていた学校には空手のインハイベスト8の選手が居たが。見た目はまったく強そうには見えなかった体格も俺と同じくらいだし。でも、しかし当然ながら俺は空手でそいつと戦って勝てる気はしない。
その逆に、その空手君もライフル射撃で俺と争うなら俺の方に分がある気がする。
野球やボクシングのプロに、そのジャンルで素人が争うとか無謀だと思う。
確かに俺がいたリアルでも。能力の視覚化や数値化はあるにはあったのだ。
……なんだかわからねーけど。
「うーん。ゲームみたいに敵を倒せばレベルアップとかするなら。ちょっと俺もいろいろ狩ってみようかなぁ」
「おお。佐嶋氏! いよいよ魔物としての本能に目覚めたか!?」
「私も生きてた頃は、けっこう剣道の練習試合とかはしてたよ! 佐嶋君もヤッてみようか!」
吉田さんも森山さんも、賛成みたいだし。
今後のミッションでは戦闘にも対応する覚悟を決めておこう……。
「まぁ。ともかくサジマがやる気を出したのは良い事だな。それ! これがサジマのステータスだ」
魔王さんが俺の前の空中に、なにかモニター画面のような物を浮かび上がらせた。
画面には、俺の能力値が映し出されている。
表示は記号と謎の文字の構成なのだが、どういう訳か俺には文字の意味がわかる。
森山さんの拡張スロットの時もそうだったな。なんか異世界の便利機能なのだろうか。
「……これって星型マークの数で表してるんですか?」
「そうだ! わかりやすかろう?」
うーん。微妙……。
なのだが。
たしかに、考えてみれば。
数値で能力表すと色々不便な気もする。
ドラゴンの筋力99と人間の筋力99が同等とか妙な気がするし。
かと言って種族ごとに補正や変換レートとかあっても面倒だ。
総合して戦闘力とかで表すと特殊な能力の数値化が面倒で。例えば、俺のファインベルクとか数値化して評価すると……考えない方が良い気もする。
それに特殊能力が通じない対象とか数値化するのも面倒だ。
……それで星のマークで目安として表すのか。
まぁ、いい。詳細を見て見ると。
えーと。
速度★★★・☆☆☆・☆☆☆
攻撃★★★・☆☆☆・☆☆☆
防御★★★・☆☆☆・☆☆☆
耐久★★★・★☆☆・☆☆☆
魔力★☆☆・☆☆☆・☆☆☆
調和★★★・★★☆・☆☆☆
……意味わからん。
しかも、なんか俺TUEEE状況とは言えないんじゃない? コレ?




