魔物合体!?
「ッ、ギャーーーーー!」
叫び、地ベタをのたうち回るのはゴブリンの吉田さんではなく。
俺だった。
仕方なく俺たち三人は、魔王の用意した光の柱に入り込んで魔王の設定した場所に移動した……のだが。
転移先は、いい天気だったのだ。
つまり快晴。
ふつう、これはお出かけの時に最適な天気だろう。
大雨や台風の真夜中に、喜んでコンビニにチキンを買いに行く猛者はあまりいないと思う。
いたらゴメン。
熱くも寒くもない晴天の昼間とか、これまでの俺にとっては好ましい天候だった。
だが、今の俺はそうではなかった。
速攻で、近くにあった木の幹にしがみつくように木陰に退避する。
ブスブス……と、いやな音や臭いを発しながら俺の白かったお肌はところどころ焼け爛れていた。
そういえば俺はいつの間にかヴァンパイアとかいう存在になっていて。
何のお約束なのか、日光で皮膚が火傷するという特典がついて来たらしい。
「おいおい。大丈夫か佐嶋氏?」
心配そうに吉田さんが、俺をのぞき込む。
「でも、ちょっと美味そうな臭いだな?」
余計なことまで言う。
「困ったわ。佐嶋君が昼間に歩けないとか今後の活動に支障がでるわね……」
森山さんは、大剣を地面に突き刺し腕組みをして俺を見つめている。
兜から見える、霧のような細かい粒子で出来ているような森山さんの中身は日光に影響されないらしい。
そうこうしているうちに、かなりの大火傷のはずだった俺の肌が、ジワジワと治るというか再生していく……。なんか、便利なのだが日光で火傷とかはカンベンしてほしい。
そんな俺を見つめる森山さんの赤く輝く目が、ピカピカと点滅している。
「……」
デスナイトは何かを考えている。
「そうよっ!」
森山さんの瞳が赤く輝きを増した。
「私と佐嶋君が合体すればいいのよ!」
「は?」
「私の鎧の中ってスカスカじゃない! 佐嶋君が鎧を着るというか、私の中に入ればいいのよ!」
俺に近づきながら新アイディアを披露する森山さんを俺は見上げながら思う。
……森山さんと合体。だと?
「俺も女の子と合体してーよ」
ッガン!!
衝撃を受けて茫然とする俺をしり目に、軽口をたたく吉田さんの目の間に大剣が打ち下ろされ、地面が穿たれた。
「……」
凍り付く吉田さんを視界の隅におさめながら。
俺は今後の運命に不安を感じていた……。




