俺たちは、ガチャの景品らしい……。
「……女夢魔か?」
ゴブリンの吉田さんが呻くように言った。
俺たち三人は、強引に門の中に吸い込まれ。
強制的に門から見ていた石造りの部屋に放り出されていた。
その部屋の中には、俺が門の前でみたシルエットの人影が鮮明な姿となって待ち受けていた。
ほとんど裸のような格好の、蝙蝠の羽を生やした女悪魔。
たぶん悪魔なのだろうから、当然なのだが悪魔的というか。
ちょっとキツメな顔立ちの彼女は、魅入ってしまう薄紫の瞳をしていた。
不敵な微笑みで、無様にすっ転がっる俺たちを見下ろしている。
白銀色プラチナブロンドの髪からは、小さな金色の角が見えた。
初対面のときは、鎧を着た人間かも知れないと森山さんの事を思ったけれど。
俺もちょっとはゲームとかしているので、この悪魔がサッキュバスかも知れないと思っていた。
「サッキュバスって、サッキュン? あのエロいの?」
どのサッキュンなのかは知らないが、森山さんもなんとなく理解したらしい。
たしかに女悪魔はエロかった。
金属製のビキニアーマーというか……。凄い身体を隠す面積が小さい。
思わず食い入るように見てしまう。
「すげぇぜ……。これはマイクロビキニだな。佐嶋氏、気になるならマイクロビキニで検索だ」
俺の思考を見透かしたように、吉田さんは小声で教えてくれた。
……いま検索とか出来ないスけど。
俺たちのやり取りに気にも留めずに。女悪魔は言った。
「……他の連中はどうしたの? これって11連ガチャのなのだけれど? どうして3体なのだ?」
「?」「?」「?」
……それって。
11-8=3って奴?
3というのは、吉田さん、森山さん、俺だったり?
残りの8匹のモンスターは、ここにいるデスナイトの森山さんが殺っちゃいましたかも?
……とは言えない。
と言うか、ガチャ? 11連ガチャ?
俺たちはガチャの景品なのか?
「お、俺は。ゴブリンの吉田。32歳で派遣社員だ」
……はじまった。
たしかに自己紹介は大切だが。
それって、いますることなんですか?
しかも、美女の色気に惑わされまくったゴブリンの吉田さん。
表情が痛すぎる。
「佐嶋氏も、はやく名乗ろう! ガチャで出てくるキャラってなんか自己紹介みたいなのするじゃん?」
「……」
吉田さんは、自分がガチャの景品であることを即座に受け入れている……。
「ほう? このゴブリンはハズレではないのか?」
「いや。ハズレです」
と、なぜか森山さん答える。
「……まぁ、いい。ほかの8体が手に入らない件は、運営に問い合わせるとして、だ」
俺たちのやり取りはガン無視された
女悪魔は俺たちを見回すと、宣言するように名乗った。
「私は、マリスカレン。この夢魔界の魔王だ。そして今からお前たちの主人だ」
十分に女の子の声を残しつつの、意外に男前な声。
俺は嫌いじゃないぜ。
「よろしくな……」
そう言うと。なぜか俺を見つめるマリスカレンさん。
男前な口調とは裏腹に、微妙な潤みを湛えた菫色の瞳が俺を誘っているように見える。
……これは俺TUEEE状態 プラス 下克上ハーレム展開への序曲なのか?
運営とか、フランシアとか、魔王とか。
いろいろと気になったが。
正直に言いうと、俺がいま一番気になるのはマリスカレンさんの抜群のスタイルだった。




