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詩集 迷い道

カサカサ

作者: 小日向冬子

硝子越しに忍び寄る

秋の陽の寂しさに

弱々しく怯え


きつく閉じられた拳を

そっと緩める


手のひらの

赤い爪跡



自分を守ることばかり

考えてきた


だから気付けなかったのだ


厚く重ねられた銀色の鱗は

痛みだけでなく

君の温もりまでも

はじいていたのだと



もはやこぼれてしまった時間に

裏切られ続けた僕は

今にも消えてしまいそうで


穏やかな影に促されるがまま

ぎゅっと目を閉じる



泣くときは

いつだってひとりだ



降りそそぐ柔らかな光に顔を向け

高い空を仰ぐ


失われたものたちに

ぽっかりと捕らわれながら


カサカサと

枯れ葉のような唇を

何度も噛みしめる

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― 新着の感想 ―
[一言] 冬子さん、こんにちは。 オスカーに導かれて飛んできました。れみです。 私も、泣くときは〜の一節が一番心に響きました。 でも全体が散文詩のような雰囲気を持っていて、物語を想像させる余地もあっ…
[一言] 冬子さん 私はこのサイトでは感想に留めて、出来るだけ批評はさけていますが、あえて批評もさせてもらいます。 >てのひらの/赤い爪跡 いいです。ただ、「爪痕」の方がもっといい。 >泣くときは/…
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