・ある駆け出しの叫び
俺の名はオットー、香の村から幼馴染のシーマと共に冒険者として一山当てるためこの大都市紅明までやってきた。
首尾よく冒険者の店で仲間を見つけることが出来、最初の依頼としてゴブリンの討伐を受けた。
ゴブリン程度、レベル5の戦士である俺や仲間の敵ではなく簡単に片付いてしまった。
はじめての依頼達成があっさりと終わり燃焼不足の俺たちは帰る途中の森で経験値を稼ぐことにした。
シーマは反対していたのだが奥を覗いても大ガエルやアタックラビットしか見えず、せいぜいウルフがいるかもしれない程度だと説得した。
狩りは順調で気が付けば夕方になっていたのでそろそろ引き上げようと仲間たちに声を掛けたときにそいつは降って来た。
ジャイアントスパイダー、人間の倍ほどの体長で主に小型のモンスターを捕食する。
ヤツは現われたと思うと仲間の1人を掴み上へと昇っていった。
見上げて目を凝らしてみると巨大な巣が広がり捕まった獲物が糸に包まれていた。
俺たちは慌てて仲間を助けようとするが、巨大な爪や毒針によってひとりまたひとりと倒れ俺もまた意識を失った。
「~~~~!」
声が聞こえる。シーマの声だ。仲間たちの声も小さいが混じっている。
気が付いた俺は行動を起こそうとしたが体が動かず目も見えない。
口も上手く動かず彼女と同じような唸り声をあげるのが精一杯だ。
どの位意識を失っていたのか、ほかの仲間たちはどうなったのか。
感覚もなくなりどれだけの時間が経ったのだろうか仲間たちの声がどんどん聞こえなくなってくる。
なぜこんなことになってしまったんだ。誰か助けてくれ。
お願いだ、誰か……
前話で行方不明になっているのが彼らです。
普段はチートのダイチ視点なので一般的な冒険者が無茶をするとこうなるという話。




